松平浩一の発言 (本会議)
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○松平浩一君 立憲民主党の松平浩一です。
ただいま議題となりました山下貴司法務大臣不信任決議案に対して、賛成の立場で討論を行います。(拍手)
私は、山下大臣に対しては、法曹界と政界の両面での先輩として、さまざまな御活躍に尊敬の念を抱いておりました。しかし、今国会の山下大臣の御対応は、非常に残念でなりません。今回、こういった形で山下大臣の不信任決議案に賛成の立場から討論せざるを得ないのは、私にとってはとても残念なことです。
大臣のホームページ、拝見させていただきました。大臣は、突破力という言葉を座右の銘にされていらっしゃるようです。大臣の答弁からは自信と決意の強さが伝わり、座右の銘をまさに体現されていると感じております。
しかしながら、今国会の審議では、その突破力が裏目に出てしまっているようです。
理由の一つ目が、大臣の御答弁です。
国会において、今回の制度が移民政策でないのかという趣旨のさまざまな角度の質問がなされました。大臣は、それに対して、政府解釈の言い回しをただ繰り返す、丁寧な説明なく突破されようとしています。単純労働とは何か、具体的な例示もされないので、結局何もわかりません。
ほかにも、今回の制度によって外国人を雇う場合は日本人を雇うよりもお金がかかってしまうのではないかであるとか、政府の関与をもっと強めるべきではないかという具体的な質問も多くありましたが、決して正面から答えないで、突破しようとしていました。結果、かみ合わない答弁により、法務委員長からも、簡潔な答弁をと指摘されることがたびたびありました。
残念ながら、大臣からは、真っ向から議論せずに、法案成立さえすればよいという姿勢がありありと感じ取れました。
二つ目は、データの誤りです。
今回、法案審議に先立ち、失踪した技能実習生への聞き取り調査資料が提出されました。しかし、その資料には、当初、誤った数値が記載されていました。誤った数値の原因は、エクセルファイルの切り張り作業ミスという初歩的なものでした。また、この数値の集計ミスが発生した時期も特定できておりません。そして、大臣は、指摘がされるまで、この誤ったデータに基づいて答弁されていました。
本法案の重大性からは、問題の根本をきちんと解明して正す、一度立ちどまってきちんとガバナンスを見直す、そういうことが筋であると思うんですけれども、大臣は、誤りの根源には目を向けず、強硬に法案の審議を求めて突破されようとしています。このような状況では、これから出てくる数字も、おいそれと信用できません。
三つ目ですけれども、受入れ見込み数のずさんな推計です。
本法案を審議する上では、外国人労働者をどこに何人受け入れるのかについての見込み数、非常に重要です。しかし、審議の参考として出てきたものは、各省が取りまとめた、かなり粗い、そして根拠の希薄な数字であります。
この推計、粗くて根拠が希薄であると、多くの国会議員、参考人、報道から指摘されています。先日、委員会に参考人として来ていただいた坂本恵教授も、専門的知見からすれば、極めて根拠としてその数値計算が疑わしいものと言わざるを得ないと断言されていました。私もそう思います。にもかかわらず、大臣は気にもとめず、そのまま突破されようとしている。これではとても国の形を決める重要法案を審議する土台があるとは言えません。
四つ目ですけれども、国会審議への非協力的な姿勢です。
現状、さまざまな問題が起こっている技能実習制度は、新しい制度とも密接不可分です。全体では約四五%が技能実習からの移行と想定されています。その問題点を浮き上がらせるのが、技能実習生の声が記載された聴取票です。したがって、国会で法案を審議するに当たっては、聴取票の内容を精査し、分析し、共有されることが必要不可欠です。
ところが、大臣は、プライバシーの問題、あるいは今後の調査などについて大きな支障を来すおそれがある、若しくは刑事訴追のおそれがあるといった理由で、委員会の委員にコピーの提供すらしていただけません。
なぜプライバシーの問題があるのか、どこに刑事訴追のおそれがあるのか、どう大きな支障を来すのか説明もないまま、大臣は突破されようとしている。大臣の国会審議への非協力的な姿勢のため、結局、我々国会議員は手書きで書き写して精査する羽目になってしまっています。
最後、五つ目です。一番大事な点である法案の中身です。
本法案、一言で言うと、中身が全く決まっておりません。本法案で、外国人をどこに何人受け入れるのか、人数の上限はどうなのか、永住権の扱い、共生施策はどうなっているのか、登録支援機関はどういう機関なのか、きちんと監督できるのか、また失踪はふえてしまわないのか、社会保障をどうするのか。大臣は中身を何も決めないまま突破しようとしています。立法府に白紙委任をさせて、具体的に重要な点は行政府の省令で決めようとしている。これは、立法府をないがしろにする姿勢にほかなりません。
このように、大臣の突破力が裏目に出てしまい、不十分な法案を不十分な審議しかできないという状況になってしまっているんです。
ところで、大臣は、ほかにもう一つ、人生は生きるに値するという言葉も座右の銘とされていらっしゃるようです。こちらも非常にいい言葉で、私も、生きるに値する、そう思える人生を送りたいものです。
しかし、我が国に在留している外国人を取り巻く環境は、お世辞にもいいとは言えません。それどころか、国際問題に発展しそうな深刻な人権問題も明るみになっています。そのような問題を解決しないまま、そして不十分な審議のまま法案を通してしまえば、在留外国人に関する問題は確実に悪化します。このような状況で、今いる在留外国人、そして新たな制度で日本にやってきた方は、人生は生きるに値すると果たして思ってくれるのでしょうか。
以上、山下法務大臣の不信任決議案に賛成することを表明いたしまして、私からの賛成討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)