竹下義樹の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(竹下義樹君) 日盲連の竹下と言います。こういう意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。
 まず最初に、非常に厳しい言い方かもしれませんが、今回の障害者法定雇用率の水増し問題というのは、我が国における障害者あるいは障害者雇用に対する社会の理解、あるいは国の進め方の大きな本質的な弱点が現れたというふうに思っております。
 一つの典型的な例だと思うんですが、検証委員会の記録を見てみますと、肉眼で〇・一以下、裏返しに言えば、眼鏡を掛ければ一・二とか一・五見える人を全て障害者としてカウントしている。何百人という方がそういう形でカウントされている。私は、その事実を知ったときに非常に悔しくて腹立たしい思いをしました。眼鏡を掛けて一・〇とか一・五見える方が、自分で障害者だと思っている人は一人たりともいないと思うんです。にもかかわらず、そういう人が何百人もカウントをされているのに、それは意図的ではないとか故意ではないと言う。それを過失と言うんでしょうか。この障害ないしは障害者雇用に対する今のありようというものが、この水増し問題に残念ながら本質的に現れているというふうに私は思っております。
 それだけに、この水増し問題を、今度の、何といいますか、一定の解明がされたという形で終わらせてはならないと思うんです。この水増し問題が示した障害者雇用に対する日本のありようというものをもう一遍抜本的に見直す是非機会にしていただきたいというのが私のお願いであります。
 そういう意味では、検証委員会で非常に短時間に調査していただいたこと、有り難いんですけれども、それだけでは不十分ではないのかというふうに思っている次第であります。
 二番目には、これらを防ぐために監視の機能ということがよく言われていますが、監視しなければそれが守れないというのは悲しいことであります。そうではなくて、もっと主体的に障害者の受入れと障害者の雇用を進める策を講じていただきたい。そのことが統計に表れる形にしていただきたい。
 毎年、六月一日を基準として障害者雇用の実態を把握するための報告書が求められているわけでありますが、その六・一報告においてもっと詳細に、例えば障害の種別あるいは部位別とか、あるいはさらにはその障害に対してどういう合理的配慮を実施したのかを記載すれば今回のようなことは起こらないし、そのことが日本における障害者雇用の実態を如実に示す報告書になるし、行政の大きな基礎となるものと思っております。そうしたことが直ちにできることである以上はすぐに実現していただきたいというのが二点目でございます。
 三点目に、今回の水増し問題、私は、不祥事という言い方をして失礼かもしれませんが、思っておりますが、これで単に怒っているだけでは私たちは駄目だと思っております。これをきっかけに今できることを実施していただきたいということを思っているわけですが、その中で、国が障害者のための別枠選考採用制度というものをスタートさせたことは非常にすばらしい改革だと思っております。
 ただ、この試験を実施する際に是非とも、それぞれの障害者が、その人の障害を十分に理解していただいた上でその能力が発揮できる試験を実施していただきたい。視覚障害で申しますと、点字、拡大文字、拡大読書器あるいは音声パソコンなどの組合せを、その人の能力やハンディに合わせた十分な話合いの上での試験の実施をお願いしたい。そのことは取りも直さずその後の、採用後における職場における合理的配慮に結び付くものと思っております。
 次に、採用された方への支援の在り方であります。
 民間におきましては、御存じのとおり、障害者の雇用納付金制度を財源としたり、あるいは雇用保険の財源を使って様々な支援が行われております。しかし、国、地方もそうでしょうけれども、公務員についてはそういう制度がないわけでありますから、なかなか財源の確保が困難だと聞いております。
 そのために、中途失明の方で、特に公務員の方にもたくさんおられるとお聞きしております。例えば網膜色素変性症であったり緑内障であったり、そういう中途視覚障害者の方がリハビリを受けたり、あるいは様々な職場における合理的配慮を実施していただくための支援が現実に可能となる財源の確保を是非お願いしたいと思っております。
 もう一つ、私は、この障害者雇用で皆さんに御理解いただきたいのは、採用された障害者を数合わせのためのものにして終わらせてほしくない。あくまでも、その障害者が自分の能力を発揮し、国、社会のために役立つ仕事をさせていただきたい。それがまさに障害者自身が望んでいることであるし、その障害者を雇ったことが無駄ではない、あるいはそれこそ税金の無駄遣いにならない、障害者自身の能力発揮できてこそ社会に役立っているということが一体であることを是非御理解いただきたい。そして、その障害者が職場で活躍しているということが、当事者の目線で行政が政策を考えたり、あるいは政策を実施する過程で大きな役割を果たすということを是非御理解いただきたいと思っております。
 私の発言は以上でございます。

発言情報

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発言者: 竹下義樹

speaker_id: 2595

日付: 2018-11-20

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会