厚生労働委員会

2018-11-20 参議院 全354発言

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会議録情報#0
平成三十年十一月二十日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     三木  亨君     木村 義雄君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     小川 克巳君     太田 房江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                山本 香苗君
                川合 孝典君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
       厚生労働副大臣  高階恵美子君
   大臣政務官
       財務大臣政務官 渡辺美知太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       長屋  聡君
       内閣官房内閣審
       議官       古澤 ゆり君
       人事官      立花  宏君
       人事院事務総局
       職員福祉局長   合田 秀樹君
       人事院事務総局
       人材局審議官   嶋田 博子君
       国税庁長官官房
       審議官      吉井  浩君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   土生 栄二君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       椎葉 茂樹君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    橋本 泰宏君
       国土交通大臣官
       房総括審議官   瓦林 康人君
   参考人
       全国手をつなぐ
       育成会連合会会
       長        久保 厚子君
       社会福祉法人日
       本盲人会連合会
       長        竹下 義樹君
       公益社団法人全
       国精神保健福祉
       会連合会(みん
       なねっと)理事
       長        本條 義和君
       公益社団法人や
       どかりの里常務
       理事       増田 一世君
       株式会社ゼネラ
       ルパートナーズ
       障がい者総合研
       究所所長     戸田 重央君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (公務部門における障害者雇用に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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石田昌宏#1
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、三木亨君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君が選任されました。
    ─────────────
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石田昌宏#2
○委員長(石田昌宏君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、公務部門における障害者雇用に関する件を議題といたします。
 本日は、本件について、五名の参考人から御意見を伺います。
 出席いただいております参考人は、全国手をつなぐ育成会連合会会長久保厚子君、社会福祉法人日本盲人会連合会長竹下義樹君、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事長本條義和君、公益社団法人やどかりの里常務理事増田一世君、株式会社ゼネラルパートナーズ障がい者総合研究所所長戸田重央君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚ない御意見をお述べいただきまして、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず久保参考人にお願いいたします。久保参考人。
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久保厚子#3
○参考人(久保厚子君) 御紹介にあずかりまして、今日、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
 お手元の方に資料を配らせていただきましたので、少し読ませていただきます。
 近年、インクルージョンや共生社会が求められ、これからの社会にとっては大変重要な考えとなっています。
 我が国が二〇一四年に批准した国連障害者権利条約においては、第二十七条に労働及び雇用を定めており、その中では、障害者が他の者との平等を基礎として労働についての権利を有することを認めると規定しています。また、障害者にとって利用しやすい労働市場及び労働環境において、障害者が自由に選択する権利も明記されています。
 そして、障害者権利条約第二十七条を踏まえて、我が国内においては、障害者雇用推進法が施行されています。
 雇用促進法第一条では、法の目的として、障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置などを講じることを挙げています。
 また、第三条の基本理念では、障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるとされています。
 さらに、第五条の事業主の責務では、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する義務を有する、また、能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに正当な雇用管理を行うことが求められており、これについては、職場における合理的配慮の提供が官民問わず義務になっている点に留意が必要です。
 ところが、こうした法令上の規定があるにもかかわらず、とりわけ知的発達障害のある人が働くことができる職域、会社等は少なく、仕事は選択肢が非常に狭くなっている結果として、多くの人が福祉的就労の場を選択するしかない現状にあります。
 以上の法令上における基本的認識や就労の現状を前提として、以下のとおり意見を申し述べます。
 まず、中央省庁、地方公共団体側の受入れに関する水準の明示について申し述べます。
 今般の雇用率水増し問題への対応策として、時限を区切って一定数の障害のある人を雇用する方針を示したことは評価いたしますが、ここまでの議論を見る限り、どういった障害者であれば採用が可能かという視点が中心になっているように思われます。試験方法や採用条件の設定などの議論が中心となっています。
 しかし、今般の課題は、そもそも採用側の省庁、地方公共団体、以下、省庁等と申し述べます、における働く障害者の受入れが極めて限定的でずさんだったことが課題の本質であり、ここを改善しない限り、数合わせの採用や障害者雇用のビジネス化といったリスクが付きまといます。まずは、省庁等の受け入れられるレベル感、対応のスキルや必要な業務の切り出しの実施状況を明らかにすることが不可欠と考えます。その際には、省庁等は、権利条約や障害者雇用促進法の理念を率先して具現化することが求められていること、そして、そのような立場にあるにもかかわらず今般の水増し問題を引き起こしたことを踏まえた、より積極的な対応が必要と考えます。
 次に、雇用時間と雇用率算定の条件について申し述べます。
 雇用時間と障害者雇用率の算定については、週四十時間、年間十二か月働くことが想定されており、現在の障害者雇用も最低週三十時間働くことが前提となっています。いわゆる短時間労働でも週二十時間以上三十時間未満で、雇用率は〇・五人に算定されます、働くことが求められており、それよりも短い時間の就労は障害者雇用の算定から除外されています。除外される人は福祉的就労を選択せざるを得なくなりますが、福祉的就労の場である就労継続B型事業所の工賃は月平均一万五千円で、生活保護費の六万九千円を大きく下回っています。障害基礎年金が対象外となっている場合には親亡き後に暮らしていけなくなることから、生活保護などを選択せざるを得ない人も出てきます。
 そのため、障害特性や体力的な理由により短時間の就労が適している障害者がそもそもの議論から除外されてしまっています。東大先端研が研究する短時間雇用、IDEAモデルの採用なども視野に入れる必要があると考えます。業務能力はあるが移動に困難があり食事やトイレの利用に介助が必要な人、非常に優秀ではあるが週に十時間までしか働けない人、障害の特性により特殊な能力を持つ人などを上手に生かす雇用の在り方をつくることが必要です。
 仕事の切り出しに工夫をしていただきたいと思います。
 障害のある人に適した仕事の切り出しを考える際には、大切なことは、各部署で一番仕事が集中している人は誰か、その中でもこの仕事を誰かが担ってくれると職場が助かるのは何かといった発想で見ていくことです。その上で、一つ一つ職務の要件を詳しく定義することにより、障害のある人が力を発揮できる業務を見出すことにつながります。単に数合わせで配置するのではなく、職場にとって必要不可欠な存在として考えることが重要と考えます。
 次に、既に存在する支援者の活用をしていただきたいと思います。
 障害者雇用の実践については既に中央省庁でも知見の蓄積が進んでおり、特に、二〇〇七年度から内閣府や総務省が実施している公務部門での知的障害者、精神障害者、発達障害者の雇用について職場体験を通した調査研究事業においては、複数の省庁において職場実習の実施が重ねられており、その際に障害のある人の就労を支援した省庁職員が一定数存在しています。このように、当該事業で得た知見は研究事業の報告書等で共有可能であり、携わった職員については職員の異動歴等から容易に把握が可能だと思っています。
 あと、時間が少しもう過ぎていますので端的に申し上げますけれども、この水増し問題に関して各団体から提示されたいろんな取組を推進する必要があると思いますけれども、その際に、中央省庁等が民間企業であればどのくらい納付金が必要であったのかということを考えていただきたいと思います。それを、納付金であったかというのを明示した上で、その額を取組の推進に向けた予算として確保していただきたいというふうに思っております。
 この取組を通して、多様な選択肢とか公平な社会の構築、それから持続可能な社会の実現、新しい価値観の提示を期待しております。仕事は、本人の存在を輝かせ、生活にエネルギーをもたらすものです。本会としては、希望を持って今後の取組を注視したいと思っています。
 ありがとうございました。
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石田昌宏#4
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、竹下参考人にお願いいたします。竹下参考人。
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竹下義樹#5
○参考人(竹下義樹君) 日盲連の竹下と言います。こういう意見を述べる機会をいただき、ありがとうございます。
 まず最初に、非常に厳しい言い方かもしれませんが、今回の障害者法定雇用率の水増し問題というのは、我が国における障害者あるいは障害者雇用に対する社会の理解、あるいは国の進め方の大きな本質的な弱点が現れたというふうに思っております。
 一つの典型的な例だと思うんですが、検証委員会の記録を見てみますと、肉眼で〇・一以下、裏返しに言えば、眼鏡を掛ければ一・二とか一・五見える人を全て障害者としてカウントしている。何百人という方がそういう形でカウントされている。私は、その事実を知ったときに非常に悔しくて腹立たしい思いをしました。眼鏡を掛けて一・〇とか一・五見える方が、自分で障害者だと思っている人は一人たりともいないと思うんです。にもかかわらず、そういう人が何百人もカウントをされているのに、それは意図的ではないとか故意ではないと言う。それを過失と言うんでしょうか。この障害ないしは障害者雇用に対する今のありようというものが、この水増し問題に残念ながら本質的に現れているというふうに私は思っております。
 それだけに、この水増し問題を、今度の、何といいますか、一定の解明がされたという形で終わらせてはならないと思うんです。この水増し問題が示した障害者雇用に対する日本のありようというものをもう一遍抜本的に見直す是非機会にしていただきたいというのが私のお願いであります。
 そういう意味では、検証委員会で非常に短時間に調査していただいたこと、有り難いんですけれども、それだけでは不十分ではないのかというふうに思っている次第であります。
 二番目には、これらを防ぐために監視の機能ということがよく言われていますが、監視しなければそれが守れないというのは悲しいことであります。そうではなくて、もっと主体的に障害者の受入れと障害者の雇用を進める策を講じていただきたい。そのことが統計に表れる形にしていただきたい。
 毎年、六月一日を基準として障害者雇用の実態を把握するための報告書が求められているわけでありますが、その六・一報告においてもっと詳細に、例えば障害の種別あるいは部位別とか、あるいはさらにはその障害に対してどういう合理的配慮を実施したのかを記載すれば今回のようなことは起こらないし、そのことが日本における障害者雇用の実態を如実に示す報告書になるし、行政の大きな基礎となるものと思っております。そうしたことが直ちにできることである以上はすぐに実現していただきたいというのが二点目でございます。
 三点目に、今回の水増し問題、私は、不祥事という言い方をして失礼かもしれませんが、思っておりますが、これで単に怒っているだけでは私たちは駄目だと思っております。これをきっかけに今できることを実施していただきたいということを思っているわけですが、その中で、国が障害者のための別枠選考採用制度というものをスタートさせたことは非常にすばらしい改革だと思っております。
 ただ、この試験を実施する際に是非とも、それぞれの障害者が、その人の障害を十分に理解していただいた上でその能力が発揮できる試験を実施していただきたい。視覚障害で申しますと、点字、拡大文字、拡大読書器あるいは音声パソコンなどの組合せを、その人の能力やハンディに合わせた十分な話合いの上での試験の実施をお願いしたい。そのことは取りも直さずその後の、採用後における職場における合理的配慮に結び付くものと思っております。
 次に、採用された方への支援の在り方であります。
 民間におきましては、御存じのとおり、障害者の雇用納付金制度を財源としたり、あるいは雇用保険の財源を使って様々な支援が行われております。しかし、国、地方もそうでしょうけれども、公務員についてはそういう制度がないわけでありますから、なかなか財源の確保が困難だと聞いております。
 そのために、中途失明の方で、特に公務員の方にもたくさんおられるとお聞きしております。例えば網膜色素変性症であったり緑内障であったり、そういう中途視覚障害者の方がリハビリを受けたり、あるいは様々な職場における合理的配慮を実施していただくための支援が現実に可能となる財源の確保を是非お願いしたいと思っております。
 もう一つ、私は、この障害者雇用で皆さんに御理解いただきたいのは、採用された障害者を数合わせのためのものにして終わらせてほしくない。あくまでも、その障害者が自分の能力を発揮し、国、社会のために役立つ仕事をさせていただきたい。それがまさに障害者自身が望んでいることであるし、その障害者を雇ったことが無駄ではない、あるいはそれこそ税金の無駄遣いにならない、障害者自身の能力発揮できてこそ社会に役立っているということが一体であることを是非御理解いただきたい。そして、その障害者が職場で活躍しているということが、当事者の目線で行政が政策を考えたり、あるいは政策を実施する過程で大きな役割を果たすということを是非御理解いただきたいと思っております。
 私の発言は以上でございます。
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石田昌宏#6
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、本條参考人にお願いいたします。
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本條義和#7
○参考人(本條義和君) 全国精神保健福祉会連合会の本條です。本日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 複数の中央省庁で障害者雇用者数の水増しを報告していたという問題は、都道府県など地方自治体にも広がりました。今回の問題については、意図的な虚偽報告であり、障害者雇用率制度の根幹を揺るがす事態として憂慮しております。障害者雇用促進制度研究会報告書の具体化を図ろうとしたやさきに起きたこの問題は、障害者雇用制度そのものの信頼を根底から覆すことになりかねません。
 障害者雇用に関して、民間企業にはプライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインが示されていますが、公務員といえども、これに基づき、民間同様の徹底指導を行うべきです。
 平成二十九年度の障害者雇用状況調査、いわゆる六・一調査によれば、民間企業は、雇用障害者数、実雇用率共に過去最高を更新し、法定雇用率達成企業の割合は五〇%と好成績を収めております。これは、精神障害者や発達障害の就労に対する制度的バックアップと民間企業の努力のたまものであると考えます。
 私たちは、精神障害者とその家族の権利擁護や支援体制の整備、精神障害者雇用や就労定着に努力してまいりました。今回の調査結果は私たちの予想をはるかに超えており、驚きと憤りを禁じ得ません。障害者雇用に真摯に取り組んできた民間企業としても、到底容認できることではありません。
 また、障害者にとっても人事担当者によって障害の有無を一方的に判断されてきたことでもあり、プライバシーや人権の侵害行為として糾弾されなければならないと考えております。
 平成十八年四月に精神障害者も雇用率の算定対象とされた際にこのようなプライバシー侵害の事案が予想されたため、厚労省ではプライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインを制定し、障害者を守る方策を示してきました。障害者手帳を所持していることは原則であると理解していたとか、理解が足りなかった、認識不足であったという説明は到底納得できるものではありません。
 今回の事態は、民間企業に対する信用失墜行為であり、障害者に対する偏見や蔑視の表れとも言えるでしょう。政府、行政機関は、虚偽報告の対象とされた職員、民間企業や障害者、国民に謝罪し、早急に信頼回復と再発防止策を取りまとめて改善策を講じるよう要望いたします。
 また、各省庁や地方自治体における雇用率の未達成状況をどのように解消するかも併せて計画を策定すべきですし、民間企業同様、罰則規定も盛り込むべきであると考えます。
 障害者の雇用の在り方は、法定雇用率のみに左右されるべきでありません。研究会報告書で触れられているように、障害者本人の希望や特性を生かしつつ、安心して働き続けられる環境を整備するという障害者の雇用の在り方が大切です。不足数の補充という拙速な対策にならないよう、十分な計画期間を確保の上、実施していただきたいと思います。
 精神障害者の雇用義務が障害者雇用促進法の改正によってうたわれ、本年四月より施行されているにもかかわらず、このような状態は、雇用率水増しという前代未聞の不祥事に真摯に向かい合うという姿勢がないと言っても過言ではないと思います。
 今後、厚労省としては、法改正をし、ハローワークが他省庁の調査もできるようにする方針のようですが、現在でも自省の調査はできますし、知事は知事部局以外の警察や教育委員会も調査できますから、法改正を待つのではなく、自主的にかつ定期的に調査を行うべきです。
 それと、この不祥事が発覚する直前の七月三十日に研究会報告書がまとまり、公表されています。まだこれから労働政策審議会で議論してまいるところではありますが、公務員の方におかれては、よく読んでいただき、現在でもできることがたくさんありますので、できるところから手掛けていけば、雇用率の改善のみならず、障害者雇用の質を高めることになると思います。
 例えば、四月一日の改正によって、精神障害者には限られておりますが、短時間雇用、週所定労働時間二十時間以上三十時間未満も、従来〇・五のところが一・〇にカウントできることになりました。精神障害者の方は疲れやすく、長時間労働が難しいところがあります。短時間であればかなり能力を発揮すると思いますので、決してマイナスではありません。
 精神障害者の雇用について申し上げますと、平成二十九年度の数値はおよそ五万人の雇用になっております。しかしながら、障害者全体の雇用障害者四十九・六万人からすれば一割にしかすぎないわけであります。精神障害者の雇用が一段と進む方策も手だてをしていただきたいと要望したいと思います。厚労省を始め関係機関が積極的に啓発していけば、かなり前進します。在宅就労などは今や常識になっているわけでありますから、障害者にもその制度を導入していただきたいと思います。
 また、公務部門においても、精神、知的はそもそも採用対象とされていないところも少なくありません。障害者枠での選考も検討していくべきではないかと思います。
 採用における差別をしないことも前提に、職場定着のためにも、公務部門における障害者雇用に関する基本方針でも触れられている、個々の障害者のサポートをする支援者の配置、委嘱についても柔軟な適用を求めたいと思います。また、担当者への教育、外部サポートの活用なども積極的に進めていただきたいと要望したいと思います。
 時間も余りありませんので、検証委員会について一言申し上げます。
 検証過程において、当事者参画が著しく不十分でした。検証委員会は障害者団体の参画はなく、関係省庁会議のヒアリングも、精神、知的の本人と難病団体が入っておりませんでした。水増し対象者には手帳を持たない精神障害者が多数いたと聞きますが、本人不在は誠に残念です。さらに、水増しの事実を知っていたはずの担当者が数十年にわたり沈黙し続けていたこと、さらに、平成二十六年に独立行政法人労働者健康福祉機構の不祥事の際の検証が不十分であった背景には、公務員には誤謬はないという一種のおごりのような気持ちがあったのではないかと思います。
 公務に当たるときは決して誤りを起こさないとする姿勢は非常に大切ですが、しかしながら、どんなに気を付けても人間というものは過ちを犯すものであります。その前提に立って議論をし、制度設計に当たり、運用に当たっていただくことを要望いたしたいと思います。
 以上でございます。
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石田昌宏#8
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、増田参考人にお願いいたします。増田参考人。
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増田一世#9
○参考人(増田一世君) 本日は発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 私は、埼玉県さいたま市にありますやどかりの里で働いております。やどかりの里は精神障害のある人たちの生活支援や働くための支援を行って、今、三百七十人ぐらいの方が様々な形でやどかりの里を利用し、地域生活を送っています。
 精神障害は中途障害です。病気や障害を受け止める時間が必要で、その中で働くことへの意欲も生まれていきます。自分の病気や障害に向き合いながら、長く働き続けることを目指している人たちがたくさんいます。
 障害のある人たちはどんな思いで働いているのか、私が代表を務めるやどかり出版で出しているこの本があるんですけど、そこから、「働きたいあなたへのQ&A」という本の中から御紹介をします。
 今回の障害者雇用水増し問題ですけれども、働きたい、働いて生計を立てたいと願う人たちの働く機会を四十年余りにもわたって奪ってきたというふうに私は思っています。
 さて、当事者の声ですけれども、この方はフルタイムで、開示といって、障害があることを会社に伝えて働いている方です。この人は浪人中に幻聴が聞こえるようになりました。大学入学後も幻聴に悩まされ、精神科に入院することになります。そして、退院後、体力も衰えてしまったのでコンビニでのアルバイトも非常につらくて、精神障害者の作業所で体力的、精神的に充電しながら就労準備の訓練を経て、同じ病気の仲間との交流もあって、実習先だった企業に就職をしました。そして、彼は細かいことにこだわる傾向があるので、余計なことを考えないように、無理しないように気を付けて働き続けよう、そんなふうに思って働き続けています。
 もう一人、Bさんの働く上での工夫もとても大事です。朝、精神薬を飲んでいるので薬が抜けなくて困っていると。少し早く出てコンビニでコーヒーを飲んでゆっくりして、職場に三十分前に着くようにしている。あるいは、不眠や、物事を関連付けてしまうことが、それから猜疑心が強くなることが調子の悪くなり始めだから、早めに休養を取るようにする。
 こんなふうに、多くの精神障害の人たちは働きながら自分の生活を整えて頑張っています。
 今回、この水増し問題について、私が関わっている日本障害者協議会、JDというふうに呼んでいますけれども、この問題を非常に深刻に捉えてきました。声明や要望書も提出し、今日の私の資料の中にも入れさせていただいております。
 そして、この障害者雇用水増し問題の検証に障害当事者や関係者の参画を求めてきました。でも、それはかないませんでした。国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会が始まり、四十年以上にわたる違法行為を検証するのに、たった二か月という短期間で報告書が発表されました。その報告書には、亡くなった人や退職者、うつ状態や不安障害を身体障害として算定する、びっくりするような対応がまかり通っていたことを知りました。
 しかし、それらの不適切な対応は、厚生労働省の障害者雇用の実態についての関心の薄さ、対象障害者の計上方法についての正しい理解の欠如、法の理念に対する意識の低さというふうに報告をされました。これでは、長年にわたる法律違反がなぜ続いてきたのか、全く解明されていないというふうに感じています。私たちが知りたいのは、なぜ関心が低かったのか、なぜ正しい理解が欠如していたのか、なぜ意識が低かったのか、このなぜなんです。恣意的だが意図的ではないとなぜ言えるのか、疑問が残ったままです。
 平成二十六年の独立行政法人労働者健康福祉機構による障害者雇用の虚偽報告については、元理事の人たちが罰金刑の刑事処分を受けています。しかし、検証報告では法律違反の事実を曖昧にし、十一月十二日には厚生労働省の違法行為はなかったとの表明があり、そして、他の省庁も職員の処分を見送るとしています。
 しかし、今回の水増し問題は、長年にわたる違法状態であり、障害者排除であったことは紛れもない事実です。雇用されるべき人が雇用されなかった不利益被っています。固有名詞なき被害者がいるのです。その立場に立った政治責任が問われなくてはなりません。この違法状態を長年放置してきた各省庁の大臣や幹部の監督責任も問われるのではないでしょうか。
 改めて、今日を契機に、国会での徹底解明と障害当事者、関係者が参画する徹底的な再検証の場を設けることを求めたいと思います。
 お手元の資料の中に、障害者権利条約の全文があります。日本も締約国です。第三条の一般原則、第四条の一般義務、第五条の平等及び無差別、そして、第二十七条の労働、雇用に記されている「公的部門において障害者を雇用すること。」、これを重く受け止めながら、障害のある人の労働及び雇用制度を抜本的に見直す機会にするべきだと感じています。
 国家公務員障害者選考試験が始まりますけれども、第一次選考の試験には高等学校卒業程度の問題と作文があります。こうした選考方法も一つの方法ではありますけれども、これが全てではないはずです。知的障害のある人、精神障害のある人、中央省庁で雇用されているのはごく少数です。それぞれの障害特性に応じた採用方法や働き方が工夫されなくてはならないでしょう。そして、障害のある人が健康を守って働き続けるには、多様で継続的な支援が必要です。アクセシビリティーの観点での省庁全体の環境整備が求められます。
 もう一つが、個々に応じた支援としての合理的配慮の提供です。通勤時の支援、職場でもジョブサポーターの配置、定期通院時の休暇の保障、障害に合わせた仕事の確保や作業手順の改善、休憩の取り方、また、通勤や長時間労働が困難な人に対しては在宅勤務やテレワークなども視野に入れるべきではないでしょうか。また、障害者雇用と国家公務員定数法の関係も検討が必要でしょう。
 採用を進める、そして同時に職場環境が進まなくては、障害者の雇用は進まないというふうに感じます。そういう準備がどのように進められているのか、数合わせの障害者雇用にならないように細心の注意と準備が必要です。
 今後の障害者の労働及び雇用について抜本的に考えていただきたいことがあります。
 私の資料の三ページ目から四ページ目に詳細がありますが、幾つかポイントを絞って申し上げたいと思います。
 一つは、法定雇用率です。ドイツは五%、フランスは六%です。日本の公的部門の二・五%は余りに低過ぎませんか。そして、重度の障害者をダブルカウントする制度は廃止するべきです。これは事業者側の論理でしかないのです。
 二つ目は、労働及び雇用政策における障害者の捉え方です。現在の障害者手帳に基づく障害等級の判定は医学モデルです。障害の社会モデルの視点を踏まえた障害の判定方法が求められています。
 三つ目には、公的部門にも障害者雇用納付金制度や何らかのペナルティー制度を検討する必要があると考えます。
 最後に、政策審議システムの抜本的な改革を求めたいと思います。障害者の労働及び雇用政策の発展のためには、労働分野と福祉分野を重ねた検討が必要です。現在の労政審の障害者雇用分科会に相当数の福祉分野関係者を加えることや、審議会のメンバーに障害当事者代表の枠を強化するなど、政策審議システム改革も求められることを述べ、私の意見とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
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石田昌宏#10
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、戸田参考人にお願いいたします。戸田参考人。
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戸田重央#11
○参考人(戸田重央君) 本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。株式会社ゼネラルパートナーズ障がい者総合研究所、戸田と申します。
 本日は、お手元にお配りいたしましたパワーポイントを基にお話をさせていただければと思います。
 では、次のページを御覧ください。個人のプロフィールにつきましては割愛させていただきます。
 次のページを御覧ください。まず、簡単に弊社の紹介をさせていただきます。ゼネラルパートナーズは、民間初の障害者専門人材紹介として二〇〇三年に創業した会社となります。
 次ページを御覧ください。設立から今期で十六年目となります。現在は転職実績等で業界ナンバーワンとして御信頼をいただきまして、障害者雇用サービスを取り組んでおります。
 次ページを御覧ください。職業紹介事業以外にも、就労移行支援事業所の運営ですとか求人メディア、定着サービス、それから障がい者総合研究所など、障害者雇用のプラットフォームとしてワンストップの支援を目指しているところです。
 これまで、障害のある方の雇用推進を始めとして、精神疾患の方の教育研修、うつ病からの社会復帰、障害者の就労に関する調査を行う総合研究所、障害のある方たちへの差別、偏見のない社会づくりのためにいろんな事業、サービス事業を広げてまいりました。
 次ページを御覧ください。今回は弊社の取組事例を二つ御紹介させていただきます。それにおきまして、公務部門の障害者雇用に関して何かヒントになることがあれば幸いかと存じます。
 まず一つ目の事業が、アスタネという施設の取組になります。次のページを御覧ください。七ページ目です。
 アスタネは、うつ、統合失調を患った方が働きながら一般企業への就職や復職を実現することを目的につくられた事業所、就労継続支援A型となります。菌床シイタケの生産、販売を行う農業従事者として働きながら、経済的自立と安定した就業ができるようサポートするリハビリテーションの場となります。
 アスタネの特徴は、シイタケ工場の運営の全体を障害者スタッフに委ねているということです。シイタケの生産、パッキングはもとより、販売、生産管理、温度管理、品質管理、収穫計画等も全て任せております。
 次のページを御覧ください。三年前の四月にアスタネが設立されましたが、設立当初は赤字経営となっておりました。シイタケ栽培のノウハウもなく、温度変化や湿度変化への適切な対応ができず、菌床を全部枯らせてしまったりといった失敗もありました。八ページ目を御覧いただくとおり、二年目までは赤字五千万円を続けているというような状況でございまして、継続の危機も危ぶまれるようなことがございました。
 次ページを御覧ください。三年目に入りまして、一般市場で売れるためには味や質でやはり市場で認められないといけないと、運営体制そのものから見直しを図りました。その一環で、業務分掌に制約を設けることなく、障害者スタッフにいろんな業務を任せることにしてみました。そうしたところ、パッケージのデザインならできるとか、シイタケのレシピをお客さんに伝えて売ることができるとか、データ管理が得意であるとか、これまでに経験してきた仕事とかできる仕事で適性を発揮できるスタッフが徐々に増えてまいりました。
 元々経験や能力ある人たちのため、信頼し仕事を任されることが自信につながって、結果的に体調が良くなり、徐々に働く時間も長くなってきたスタッフもおりました。主体的にスタッフが活躍してくれた結果、業績も上向きまして、二〇一七年度の売上げが約四千八百万円、今年度は目標とする七千万円に届こうかという勢いになっております。
 では、次のページを御覧ください。十一月十八日付けの東京新聞におきましてもアスタネの取組について記事となっておりますので、御参照いただけますと幸いでございます。
 次のページを御覧ください。次に、渋谷区と提携いたしました超短時間雇用の創出事業について御紹介したいと思います。こちら、先ほど久保様よりお話もございました超短時間雇用の取組となります。
 この超短時間雇用なんですけど、十二ページ目を御覧ください。この超短時間雇用とは、東京大学先端科学技術研究センター准教授である近藤武夫先生が提唱する新しい働き方のモデルとなります。
 今の障害者雇用が、障害者手帳を持つ人、かつ週二十時間以上勤務できる人を雇用することをいいます。これが法定雇用率にカウントするための最低条件となってくるわけです。そうすると、企業は週二十時間以上で求人を検討することになります。そうすると、結果として、働きたいのに二十時間働けない障害者にとっては機会格差となってしまいます。
 一方、この超短時間雇用では、職場の業務分析を行って、十五分から超短時間で業務内容を切り出して就労の機会を生み出すというモデルになっています。業務内容は多岐にわたります。例えばデータ入力、あるいはシュレッダーの処理とか清掃、印刷補助などといったオフィス業務ですね、それから営業が契約してきた顧客の例えば契約書をPDFにするといった電子化作業とか、あと、事務作業のみならず農作業とか、あと、翻訳とかプログラミングといった専門職等にも適用することが可能です。
 日本の働き方が、これまで一様に週四十時間、そして契約期間も半年とか一年など長期間を前提とした、言わば健康な成人男性を前提としたモデルとも言えますが、こうした労働を当たり前としてきた働き方を見直すプロジェクトとも言えます。将来的には雇用率の考え方にも影響を与えられたらというふうに考えております。すなわち、三十時間、四十時間働ける人を雇用して一ポイントとするだけではなくて、超短時間雇用の人を合算して三十時間になれば同じく一ポイントといったような積算型の法定雇用率の考え方でございます。
 次のページを御覧ください。この超短時間雇用プロジェクトというのは、既に一部の企業や自治体との共同研究が始まっておりまして、先ほど久保様よりもお話がございましたが、先駆けが民間企業であるソフトバンク様、その後、川崎市、神戸市といった政令指定都市で研究事業が始まっております。そして、今年の七月、渋谷区で本プロジェクトが始まりまして、企業と人を結び付けるコーディネート事業部門を弊社が引き受けるということになりました。
 次のページを御覧ください。この事業の関係性を図にしたものを資料には添付してございますが、こちらの説明につきましては時間の関係上割愛させていただきたいと思います。
 最後のページとなります。今後の予定ということもこちらに付けさせていただきました。
 以上が、弊社における二つの取組を御紹介させていただきました。
 ここで、公務部門における障害者雇用について申し上げたいと思います。
 まず、今年度中に約四千名の雇用を達成するという計画で本庁が動かれております。しかし、今急に障害者雇用をして本当に受け入れることができるのかという点を殊更に心配しております。まず職場環境は整っているのか、それから働きがいややりがいを考慮した仕事を提供できるのか、キャリアを積む機会が提供できるのか、一緒に働く健常職員の心構えが準備できているのかどうかということです。急場しのぎの大量採用によって、せっかく入庁しても仕事なし、居場所なしとなることも予想されます。そうなると、職場に入っても長期安定就労が難しいのではないかと考えます。
 今回の施策がこうした数合わせであってほしくないなというふうに考えております。もし目下の問題の火消しだけが目的ということであれば、大量採用後に実はもっと大きな余波が押し寄せるだけだと思われます。
 そこで、まず申し上げたいことが、しっかり基盤づくりをお願いしたいということです。基盤づくりというのは、ハード面の整備でもあり、制度の見直しでもあり、そういったソフト面の整備でもあり、あと、一緒に働く職員のハート面の整備でもあります。
 さきのアスタネのケースでは、障害スタッフを駒としてではなく、どんな仕事が向いているのか、どんな強みを持っているのか、どんな志向性があるのか、どうしてここで働こうと思ったのか、そうした点に運営が向き合うことで初めて障害スタッフが力を発揮して、職場環境も大いに改善され、経営体質の強化につながりました。アスタネ以上に業務も複雑で任せる仕事が多岐にわたる省庁であればなおのこと、障害職員が活躍できる場を創造することは難しくないというふうに考えます。
 その次に申し上げたいことは、少々チャレンジングなタスクかもしれないんですけれども、公務員の勤務条件とか法定雇用率といった制約に縛られずに、例えば二十時間未満での障害者採用を御検討いただくといったことはいかがでしょうか。こうした改革には一定程度の期間が必要だと思いますが、思い切って五年、十年というスパンで根本的に働き方を見直すことが良いのではないかと考えます。
 あと、今回の水増し問題を受けて、民間への納付金制度、罰則対象が五十人以上の企業への拡大を厚労省は断念されておりますけれども、この制度自体が継続するということは対象企業にとっては不公平感を感じさせるものであります。であるならば、本庁が障害者雇用を適切に達成するまではこの納付金制度も中断していいのではないかというふうにも考えます。
 痛みを伴うプロセスにはなるかもしれませんが、真に全ての人が働ける、活躍できる社会の実現に向けて御検討いただけますと幸いです。
 私からは以上です。
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石田昌宏#12
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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島村大#13
○島村大君 自民党の島村大でございます。
 本日は、参考人の五人の皆様方、当参議院厚生労働委員会に貴重な御意見をいただき、本当にありがとうございます。私からも感謝をさせていただきます。
 時間が短いので、少しちょっと私の意見と、それから皆様方全員に、少しずつだと思いますが、御意見をいただきたいと思います。
 我々も、与党としましても、今般の行政機関による障害者雇用人数の不適切計上につきましては誠に遺憾だと思っておりますと同時に、各機関に関しまして再発防止に向けて基本方針に基づいて適切な対応をするように、我々からも指示をさせていただいております。
 その上で、障害者の方と健常者の方々が共に働く社会をつくるという原点を、皆様方の今日お話も聞きまして、私も立ち返らなくちゃいけないということと同時に、御意見をちょっともう一度聞かせていただきたいと思っております。
 それは、一つは、やはり健常者の皆様方の考えで、我々、障害者の方々にも、時間に関しまして、例えば二十時間以下は働くカウントにしないよとか、そういうふうな今状況になっていますことは、私も非常に、今日聞かせていただき、また現場に入らせていただきまして、非常にこれは考えなくちゃいけないなという一つの大きな論点になると思っております。
 そして、また今回は、民間ではなくて公的機関がこのような状況に、雇用率の水増しとかをやっていたわけですから、まずは民間企業に対して公的機関がやはり先頭に立ってやらなくちゃいけないと私も思っていますので、まずは原点に返りまして、公的機関がまず行うべきことは何か、いろんな今もお話ありましたが、再度一つ挙げていただければ何かということと、公的機関だからこそできるということを、短い時間なので一つずつ教えていただければと思います。
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久保厚子#14
○参考人(久保厚子君) 先ほどお話し申し上げましたけれども、私どもも超短時間労働を推進していただきたいというふうに思っております。
 時間は掛かりますけれども、そこが、障害のある人の働き方というのを何かどのように考えていただいているのかということが基本になるなと思って、中央省庁だから又は地方の自治体だから難しいだろうというふうに最初から思っておられないかなという、物の考え方ですね、障害者の働くということに対する物の考え方を一つ明確にしていただきたいなというふうに思っています。
 障害特性によっていろんな特技もありますし、そして、先ほど意見でも申し上げましたように、本当に短い時間だったら集中して一生懸命仕事できるというのがありますので、そういう人たちの働き方、障害のある人の働くということをもう一度考え直していただいて、そして仕事の切り出しの考え方を持っていただけたら有り難いなというふうに思っていますけれども。
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竹下義樹#15
○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
 二つだけ申し上げます。
 まず一点目ですけれども、是非、障害のある人が、私で言えば視覚障害のある人がどういう仕事ができるかということを各現場で是非組み立てていただきたい。すなわち、それまで例えば一人の就労者がやっていることをそのまま視覚障害者はできないとしても、拡大読書器やあるいは音声パソコンを使ったらどういう仕事ができるかということを、仕事の組立てといいますか組み直しといいますか、そういうことをやっていただけると視覚障害の人ができる仕事はたくさん見付かってくるのではないかと思うわけであります。それが一点です。
 もう一点は、役所だからこそ率先していただきたいというのは、視覚障害者のことが例になることをお許し願いますけど、視覚障害のある人が、一つの工夫をしたことによって、配慮したことによってどういう仕事ができたかということを、是非国としてというか役所として発表していただきたい。そのことが障害者をも励ましますし、民間への大きな影響をもたらすのではないかと思っております。
 以上でございます。
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本條義和#16
○参考人(本條義和君) 短時間就労については、是非進めていただきたいと思っております。
 それから、公務だからこそできるということにつきましては、やはり今までの障害者施策というのは、仕事とかそういうものがあって、それを、障害者を訓練して適合するようにという政策ばかりであったわけですが、逆の発想で、障害者の働きやすいように環境を整えていく。例えば在宅就労とか、そうなりますと、通勤にも、時間も節約されますし、そういう環境を整えるということを是非工夫して考えていただきたいと、こういう具合に思います。
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増田一世#17
○参考人(増田一世君) 先ほど私は、三つのなぜが残っているというふうに申し上げました。前提は、そのやっぱり三つのなぜを解明していただくというのがあります。
 そして、やはりこの水増し問題が長年、四十年以上にわたって続いてきたその背景には、障害のある人がいると手間が掛かるとか、あるいはお金が掛かるとか、そういうやはり意識が横たわっていたのではないかというふうに思うんですね。排除ということも含めてです。公務員の皆さんが働く現場の中で、やっぱり障害者に対する意識を大きく変えていく、排除、無関心を排除していくということが求められているというふうに思います。
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戸田重央#18
○参考人(戸田重央君) まずは、しっかり基盤づくりをしていただければというふうに考えております。省庁で長く安定して働く環境というものが民間への障害者雇用モデルとした形で浸透していくことが大事かと思いますので、そこをしっかりやっていただければと思います。
 あと、障害者雇用の価値というところについてしっかり見詰めていただければなと思います。単なる数合わせではなくて、障害者雇用をしたからこういったメリットがあったといったものが打ち出せるような雇用モデルをつくっていただければというふうに考えております。それが公務であればできるんではないかというふうに考えています。
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島村大#19
○島村大君 ありがとうございます。
 時間も押しているんで、私もちょっと障害を持っている方とこの前お話しして、この言葉だけは忘れないんですが、自分も日本人として生まれてきた、そして、残念ながら障害を持っているけど、健常者の人たちと同じように仕事をしたいんだと。もう一つは、最後に言われたことが、仕事だけじゃなくて、自分は納税者の一人としてもなりたいんだということを言われました。
 私は、その言葉を忘れずに、やっぱり日本の今後の在り方を、共生社会をどうつくっていくかということを、原点に返って今回のこともしっかりと対応させていただきたいと思いますので、本当に今日は貴重な御意見ありがとうございました。
 以上でございます。
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山本香苗#20
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 本日は、大変貴重な御意見ありがとうございました。
 今回の水増し問題を受けまして、皆様方の怒り、また憤りと失望というものは計り知れないものだと思っております。私も、なぜこのようなことが長きにわたって続いたのかと、本当に悔やまれて悔やまれて仕方がないという無念の思いでいっぱいでございます。
 そうした中で、先ほど竹下会長からもございましたけれども、この問題で怒っているだけじゃ駄目なんだと、これを契機にして、是非、先ほど来皆様方から御提案のあるような、多様な働き方であったり、障害のある方々が、一人一人が働きやすい環境づくりをぐっと進めていくんだと、そういう方向に持っていきたいと思っております。
 そうした中で、ちょっと二点ほどお伺いしたいと思っておりますが、私は、障害者の方を受け入れるに当たって、基盤が大事というお話がありましたが、職場実習と定着支援というのは不可欠だと思っております。言葉だけはいろいろ出てくるんですが、具体的にそれぞれのお立場から、望ましい職場実習の形、また職場定着支援といったものの内容、そういったところをそれぞれのお立場からお話しいただけないでしょうか。
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久保厚子#21
○参考人(久保厚子君) 職場実習も、基本的にその職場でその方を雇用したというような意識でもって、ただ実習だからというので受け入れるのではなくて、本当に雇用してここで働いていただくというような意識でもって、どうすればその方がここで働き続けられるのかというところの視点を持っていただくことが大事かなというふうに思っています。
 それから、就労定着支援ですね。就労定着支援は、事業所の方から就労定着支援に入ります。そこは最大で三年半ぐらい活用することはできるんですけれども、その後が問題なんですね。その後は御自分のところで自立したサポートができるようになっていただかないと駄目なので、就労定着支援が入ってくれているからいいわというのではなくて、そこのやっているノウハウとか、そういうものを職場の中でどう生かしていくかということを見ながら就労定着支援を活用していただきたいと思っています。
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竹下義樹#22
○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
 一点目は、職場実習というのは、当の障害者自身も自分がどういう仕事に能力を発揮できるかというのを分かっていない場合が多いと思うんです。それだけに、具体的な業務を遂行させて、してみて、その中で見えてくる問題点を一つ一つ解決する策を事業者側と本人との会話の中で是非見付け出す、これが職場実習として実現していただきたいというのが一点目です。
 定着支援の関係では、やはりそういう継続する中で様々な問題が出てくると思います。時には人間関係であったり、あるいは障害に対する理解不足から出てくるハレーションであったりすると思うんです。また、業務を遂行したくてもうまくいかなくて、それを上司に伝え切れない場合もあると思うんです。そういうことを解決するためには、その障害の特性を理解した外部の方を是非関わらせるというのか、支援をいただいて、その障害者自身が相談もできる、事業者側も相談できる、そういう形での問題解決を継続的にしていけば定着がうまくいくのではないかと思っております。
 以上でございます。
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本條義和#23
○参考人(本條義和君) 当会ではIPSモデルというのを提唱しております。今までは障害者の方を訓練して徐々に能力を上げていくということでありましたが、障害者もいろいろそれぞれ多様であります。また、雇う側も必要とする能力とか技能がそれぞれ違いますので、そうではなくて、事前にいろいろ企業を訪問して、どういう能力のある方、できることがある方だったらふさわしいということを事前に察知しておき、それから、障害者の方も、どういう御希望であるか、どういう能力があるかということを事前に十分把握しておいて、それをマッチングして、更に大事なことは、就労をしても、むしろそれから支援をしていくのだと、支援付きの雇用というのがIPSモデルでございます。そうすれば、かなり定着率、就職率も高まると思いますし、精神疾患については、驚くことにそれによって再入院率、再発率も低下するという実証結果もあります。それで私たちはIPSモデルというのを提唱しております。
 以上です。
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増田一世#24
○参考人(増田一世君) 実習、とても大事だと思います。雇用を前提として、実習が長期にわたってずっと実習というのは問題だと思うので、やはり雇用が前提での実習で、それを経て多くの障害者の人たちが各省庁で働き始めたら、各省庁の景色が変わるのではないか、空気が変わるのではないかと。彼らの持っている職務能力だけでなく、人間としての力が省庁の中の様々なストレスを少し和らげていくような、そういうことにつながるのではないかと期待できるところです。
 それから、定着についてなんですけれども、私たちは、やっぱり支え手というのが多ければ多いほど安定するというふうに考えています。もちろん、職場の中での相談できる場所や人、あるいは職場では言えないことがたくさんあるので、職場の外で相談できる体制、しかも、期限を付けるというのが今の制度に本当に多いので、期限がなく、必要であって、その人が必要と望むのであれば常に継続的に様々な支援を、働くときには生活のことも当然出てくるので、生活も暮らしも併せて相談できるようなところにずっとつながっていかれるということが大事だというふうに思っています。
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戸田重央#25
○参考人(戸田重央君) 望ましい職場実習ということなんですけれども、単なる単純作業でのお仕事というよりは、その職場で来てくれたら助かるんだけれどなという仕事を切り出して、それで実習をするということが大変望ましいのかなというふうに思います。入った後もそういった仕事を変えないで、そのお仕事をお任せするといったようなやり方もとても大事なんではないかと思います。
 まあ、その人の適性とかもあると思いますけれども、キャリアを志向される方であれば、じゃ、どういった仕事に広げていこうかという考え方もしなければいけませんし、今のこの仕事で精いっぱいだということであれば、その仕事で頑張ってもらうといったことがよいかと思います。
 定着支援事業に関してなんですけれども、支援者任せではなくて、いずれは自分たちのところで受け入れて育てていくというようなやはり姿勢が必要だと思いますので、そういった、職場が育てるという意識で受け入れるという形で御利用いただければというふうに感じております。
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山本香苗#26
○山本香苗君 本当はもっとお伺いしたいんですが、ちょうど時間が参りましたので。
 ありがとうございました。
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石橋通宏#27
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏でございます。
 今日は、参考人の皆様、本当に貴重な御意見賜りまして、大変ありがとうございました。
 いろいろお伺いしたいことがございますが、時間が限られておりますので、若干質問させていただく向きが偏るかもしれませんが、冒頭、御容赦をいただければと思います。
 最初に、増田参考人に改めてお伺いをします。
 今日いただいた御意見、そもそも今回の検証自体に対する疑問を強く訴えておられたし、改めての徹底的な再検証が必要だという御意見もいただきました。
 私たちも、改めて、今回障害当事者の方々がそもそも検証プロセスに参加、参画をしていただけなかったこと、それが全てのボタンの掛け違い、もうスタートラインの間違いだというふうに強く思っておりますが、もし、増田参考人、じゃ、改めて再検証を徹底的にするといったときに、どのような形で検証を進めれば皆さんにも納得いただける、国民の皆さんにもきちんと納得いただける、先ほど言っていただいたような三つのなぜがきちんと解明できる検証ができるというふうにお考えか、我々に御示唆があればいただければと思います。
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増田一世#28
○参考人(増田一世君) 今回は厚労省の内部に検討委員会が置かれました。私は、独立した検証機関というものを、私は専門家ではないのでどうやったら設置できるかというのは分からないんですけれども、いろんな利害の働かない独立したものを設けるべきだというふうに一つは考えます。
 そして、障害の当事者あるいは関係者たくさんいて、この問題に関心を持って、このままにしてはいけないというふうに思っておりますので、やはり当事者、家族、我々のような支援者がかなり多く参加できるような、以前、五十五人委員会といって、すごく大勢の当事者、家族、いろんな人たちが参加した会議がありましたけれども、そのくらい力を入れてやってもいいような事柄が起こってしまっているので、思い切った検証体制をつくっていただきたいというふうに思います。
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石橋通宏#29
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 その上で、久保参考人と竹下参考人にそれぞれ簡潔に伺いたいのですが、先ほど戸田参考人から、この四千人を一年間で一気に採用することについての課題認識が示されたと思っています。先ほどの陳述で、お二方とも一定期間内に採用を示されたことを積極的に肯定した御意見だったというふうに理解をしておりますが、私も実は戸田参考人と同じ懸念を持っておりまして、むしろ短期間に一気にこれだけの数を採用することで混乱するのではないか、かえってマイナス面の方が多いのではないかという懸念がありますが、この点について、改めて、お二方、この一年間で四千人ということの採用計画、これどうお考えになるか、お聞かせいただければと思います。
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