戸田重央の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(戸田重央君) 本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。株式会社ゼネラルパートナーズ障がい者総合研究所、戸田と申します。
 本日は、お手元にお配りいたしましたパワーポイントを基にお話をさせていただければと思います。
 では、次のページを御覧ください。個人のプロフィールにつきましては割愛させていただきます。
 次のページを御覧ください。まず、簡単に弊社の紹介をさせていただきます。ゼネラルパートナーズは、民間初の障害者専門人材紹介として二〇〇三年に創業した会社となります。
 次ページを御覧ください。設立から今期で十六年目となります。現在は転職実績等で業界ナンバーワンとして御信頼をいただきまして、障害者雇用サービスを取り組んでおります。
 次ページを御覧ください。職業紹介事業以外にも、就労移行支援事業所の運営ですとか求人メディア、定着サービス、それから障がい者総合研究所など、障害者雇用のプラットフォームとしてワンストップの支援を目指しているところです。
 これまで、障害のある方の雇用推進を始めとして、精神疾患の方の教育研修、うつ病からの社会復帰、障害者の就労に関する調査を行う総合研究所、障害のある方たちへの差別、偏見のない社会づくりのためにいろんな事業、サービス事業を広げてまいりました。
 次ページを御覧ください。今回は弊社の取組事例を二つ御紹介させていただきます。それにおきまして、公務部門の障害者雇用に関して何かヒントになることがあれば幸いかと存じます。
 まず一つ目の事業が、アスタネという施設の取組になります。次のページを御覧ください。七ページ目です。
 アスタネは、うつ、統合失調を患った方が働きながら一般企業への就職や復職を実現することを目的につくられた事業所、就労継続支援A型となります。菌床シイタケの生産、販売を行う農業従事者として働きながら、経済的自立と安定した就業ができるようサポートするリハビリテーションの場となります。
 アスタネの特徴は、シイタケ工場の運営の全体を障害者スタッフに委ねているということです。シイタケの生産、パッキングはもとより、販売、生産管理、温度管理、品質管理、収穫計画等も全て任せております。
 次のページを御覧ください。三年前の四月にアスタネが設立されましたが、設立当初は赤字経営となっておりました。シイタケ栽培のノウハウもなく、温度変化や湿度変化への適切な対応ができず、菌床を全部枯らせてしまったりといった失敗もありました。八ページ目を御覧いただくとおり、二年目までは赤字五千万円を続けているというような状況でございまして、継続の危機も危ぶまれるようなことがございました。
 次ページを御覧ください。三年目に入りまして、一般市場で売れるためには味や質でやはり市場で認められないといけないと、運営体制そのものから見直しを図りました。その一環で、業務分掌に制約を設けることなく、障害者スタッフにいろんな業務を任せることにしてみました。そうしたところ、パッケージのデザインならできるとか、シイタケのレシピをお客さんに伝えて売ることができるとか、データ管理が得意であるとか、これまでに経験してきた仕事とかできる仕事で適性を発揮できるスタッフが徐々に増えてまいりました。
 元々経験や能力ある人たちのため、信頼し仕事を任されることが自信につながって、結果的に体調が良くなり、徐々に働く時間も長くなってきたスタッフもおりました。主体的にスタッフが活躍してくれた結果、業績も上向きまして、二〇一七年度の売上げが約四千八百万円、今年度は目標とする七千万円に届こうかという勢いになっております。
 では、次のページを御覧ください。十一月十八日付けの東京新聞におきましてもアスタネの取組について記事となっておりますので、御参照いただけますと幸いでございます。
 次のページを御覧ください。次に、渋谷区と提携いたしました超短時間雇用の創出事業について御紹介したいと思います。こちら、先ほど久保様よりお話もございました超短時間雇用の取組となります。
 この超短時間雇用なんですけど、十二ページ目を御覧ください。この超短時間雇用とは、東京大学先端科学技術研究センター准教授である近藤武夫先生が提唱する新しい働き方のモデルとなります。
 今の障害者雇用が、障害者手帳を持つ人、かつ週二十時間以上勤務できる人を雇用することをいいます。これが法定雇用率にカウントするための最低条件となってくるわけです。そうすると、企業は週二十時間以上で求人を検討することになります。そうすると、結果として、働きたいのに二十時間働けない障害者にとっては機会格差となってしまいます。
 一方、この超短時間雇用では、職場の業務分析を行って、十五分から超短時間で業務内容を切り出して就労の機会を生み出すというモデルになっています。業務内容は多岐にわたります。例えばデータ入力、あるいはシュレッダーの処理とか清掃、印刷補助などといったオフィス業務ですね、それから営業が契約してきた顧客の例えば契約書をPDFにするといった電子化作業とか、あと、事務作業のみならず農作業とか、あと、翻訳とかプログラミングといった専門職等にも適用することが可能です。
 日本の働き方が、これまで一様に週四十時間、そして契約期間も半年とか一年など長期間を前提とした、言わば健康な成人男性を前提としたモデルとも言えますが、こうした労働を当たり前としてきた働き方を見直すプロジェクトとも言えます。将来的には雇用率の考え方にも影響を与えられたらというふうに考えております。すなわち、三十時間、四十時間働ける人を雇用して一ポイントとするだけではなくて、超短時間雇用の人を合算して三十時間になれば同じく一ポイントといったような積算型の法定雇用率の考え方でございます。
 次のページを御覧ください。この超短時間雇用プロジェクトというのは、既に一部の企業や自治体との共同研究が始まっておりまして、先ほど久保様よりもお話がございましたが、先駆けが民間企業であるソフトバンク様、その後、川崎市、神戸市といった政令指定都市で研究事業が始まっております。そして、今年の七月、渋谷区で本プロジェクトが始まりまして、企業と人を結び付けるコーディネート事業部門を弊社が引き受けるということになりました。
 次のページを御覧ください。この事業の関係性を図にしたものを資料には添付してございますが、こちらの説明につきましては時間の関係上割愛させていただきたいと思います。
 最後のページとなります。今後の予定ということもこちらに付けさせていただきました。
 以上が、弊社における二つの取組を御紹介させていただきました。
 ここで、公務部門における障害者雇用について申し上げたいと思います。
 まず、今年度中に約四千名の雇用を達成するという計画で本庁が動かれております。しかし、今急に障害者雇用をして本当に受け入れることができるのかという点を殊更に心配しております。まず職場環境は整っているのか、それから働きがいややりがいを考慮した仕事を提供できるのか、キャリアを積む機会が提供できるのか、一緒に働く健常職員の心構えが準備できているのかどうかということです。急場しのぎの大量採用によって、せっかく入庁しても仕事なし、居場所なしとなることも予想されます。そうなると、職場に入っても長期安定就労が難しいのではないかと考えます。
 今回の施策がこうした数合わせであってほしくないなというふうに考えております。もし目下の問題の火消しだけが目的ということであれば、大量採用後に実はもっと大きな余波が押し寄せるだけだと思われます。
 そこで、まず申し上げたいことが、しっかり基盤づくりをお願いしたいということです。基盤づくりというのは、ハード面の整備でもあり、制度の見直しでもあり、そういったソフト面の整備でもあり、あと、一緒に働く職員のハート面の整備でもあります。
 さきのアスタネのケースでは、障害スタッフを駒としてではなく、どんな仕事が向いているのか、どんな強みを持っているのか、どんな志向性があるのか、どうしてここで働こうと思ったのか、そうした点に運営が向き合うことで初めて障害スタッフが力を発揮して、職場環境も大いに改善され、経営体質の強化につながりました。アスタネ以上に業務も複雑で任せる仕事が多岐にわたる省庁であればなおのこと、障害職員が活躍できる場を創造することは難しくないというふうに考えます。
 その次に申し上げたいことは、少々チャレンジングなタスクかもしれないんですけれども、公務員の勤務条件とか法定雇用率といった制約に縛られずに、例えば二十時間未満での障害者採用を御検討いただくといったことはいかがでしょうか。こうした改革には一定程度の期間が必要だと思いますが、思い切って五年、十年というスパンで根本的に働き方を見直すことが良いのではないかと考えます。
 あと、今回の水増し問題を受けて、民間への納付金制度、罰則対象が五十人以上の企業への拡大を厚労省は断念されておりますけれども、この制度自体が継続するということは対象企業にとっては不公平感を感じさせるものであります。であるならば、本庁が障害者雇用を適切に達成するまではこの納付金制度も中断していいのではないかというふうにも考えます。
 痛みを伴うプロセスにはなるかもしれませんが、真に全ての人が働ける、活躍できる社会の実現に向けて御検討いただけますと幸いです。
 私からは以上です。

発言情報

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発言者: 戸田重央

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日付: 2018-11-20

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会