石井晴夫の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(石井晴夫君) 皆さん、おはようございます。御紹介いただきました東洋大学の石井晴夫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、このような機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、この改正水道法案に対する私の考え方を述べさせていただきたいと思います。私も賛成の立場でこれから述べさせていただきたいと思います。
 多くの報道機関は既にこの改正水道法案を水道の民営化法案というふうに言われておりますが、それはかなり誤解があるというふうに思っております。
 我が国の水道は、水質、供給量、設備、価格など、どれを取っても公益事業の優等生であります。蛇口から直接水を飲める国は、世界の中でも御存じのようにそう多くはありません。また、水道事業を運営する地方公共団体や水道事業体の市民サービスへの意識は極めて高く、職員は日夜水道サービスの安定供給のために邁進しております。
 その一方で、我が国の水道事業が世界のトップクラスを長い間維持できていますのは、早くから民間企業の協力と支援があったからであります。水道事業や下水道事業では長い間官民が協力し合って、安心で安全かつ良質な水を供給し、さらに、それらをきれいな水にして海に帰すという、極めて崇高な目標に全力投球しているからであります。
 水道サービスは、水資源開発から始まって、取水、導水、浄水、配水、給水という様々な段階を経て末端の給水栓に送られています。今日、官民は、これをネットワークとして最適な形で日本の全国の隅々まで提供しておるわけであります。したがって、水道事業は他の産業と同様に優れたサプライチェーンが構築されており、今新たに官民連携ということが出てきたわけではありません。
 平成十四年、二〇〇二年四月に施行されました水道法の一部改正により技術の第三者委託が可能となり、多くの浄水場や下水処理場で運転や維持管理が民間に委託されました。また、水道料金の徴収業務等々に関しましても、ほとんど民間企業の努力によって収納率が極めて大きく向上しているのも事実であります。
 その後、地方自治法の一部改正、平成十五年九月二日施行でありますけど、これにより二百四十四条の二の公の施設の管理についての指定管理者制度の導入、既に多くの公共施設で指定管理者始め様々な包括委託というものが実施されております。
 今回話題になっております官民連携の中でのコンセッションは民間活力を活用する選択肢の一つでありまして、これはあくまでも手挙げ方式の一つであります。今回のコンセッションは、施設の所有は、先ほど村井知事さんの方からもお話がありましたように、宮城県も所有は最後まで県が所有する、つまり公共が所有するということでありまして、水道事業は完全民営化にはそぐわない、これはもう紛れもない事実でございます。所有は公共が持ち、今回の法律改正案でもそういうふうに明記されております。
 そういう中で、今この日本の水道事業が抱えている厳しい現状というのは、かつて我々が経験したことがない経営状態に直面しております。御存じのように、既にこの委員会でも様々な審議が行われておりますけど、老朽化問題であります。本当に今どこで断水が起こってもおかしくないような、そういう状況にある水道管路もたくさんあります。
 第二は、耐震化の遅れであります。
 いち早く基幹管路、これは重要施設でありますけど、基幹管路の耐震化、これはもう待ったなしであります。しかし、それに対してもまだまだ六割、七割、進んでいるところでも七割程度でありまして、東京の場合にはもっと進んでおりますけど、大地震があったときに一番重要施設の水道の供給というのが最優先しなければならないわけでありますけど、そういったところもいち早く耐震化しなければならない。しかし、その財源がありません。
 第三は、多くの水道事業体が小規模で、この経営基盤が極めて脆弱であることであります。
 職員数が本当に小さいところでは二、三人しかいない。そして、適切な資産管理、危機対応、様々なところで支障を来しております。本格的な人口減少社会を迎えて経営状況が更に悪化する中で、水道サービスを継続できないおそれもこれから本当に現実問題として現れてまいります。
 第四は、計画的な更新のための備えが不十分であります。
 そういう中で、十分計画的な更新をして、これからも未来永劫持続可能な水道事業を、基盤強化を図ることが何よりも重要であります。
 それからまた、今回の法律改正案でも、指定給水工事事業者の無届け工事や不良工事の解消、こういったものも今回の改正法案の中でも盛り込まれておりますので、様々な観点から私はこの改正水道法案に対して是非成立をしてもらいたいというふうに思っております。
 最初の私の冒頭の発言は以上であります。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 石井晴夫

speaker_id: 2976

日付: 2018-11-29

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会