佐々木茂の発言 (文教科学委員会)
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○参考人(佐々木茂君) 私は、福島原発訴訟津島被害者原告団の副団長をさせていただいております。
私は、常日頃から、国は国民の生命や財産を守ることが大きな責任の一つだと考えております。現在、七年九か月ほど福島原発事故からたちました。今、福島県は二本松市の方に災害復興公営住宅を皆さんのお力でお造りいただきましたので、そこで生活をさせていただいております。
私のふるさとは、浪江町から西側三十キロ、四十キロ圏内にある中山間地域に位置しております。面積は九千五百五十ヘクタールございます。現在、そこに住んでいた人は千四百人、約四百戸です、今回の原発で全て避難を強いられ、全国各地に散り散りとなりました。私たちが住んでいたふるさとは、そんなに豊かな村ではありませんが、自然の恵みを受け、そしてそこで、小さな幸せかもしれませんが、生活を営んでおりました。私たちは、よもや原発事故が起こるなどという、そういう思いはありませんでした。国の皆さんも東京電力の皆さんも、原発は安全であるという神話を私たちに植え付けたはずであります。私たちはそれを信じて生活をしてきたわけでありまして、現在、今置かれている立場からすると、非常に理不尽さを感じる毎日を過ごしております。
現在、私たちは、原発訴訟ということで東京電力と国を訴えております。原告団員数は六百六十九名です。私たちは、国に対しても東京電力に対しても金銭的な要求はしておりません。一日も早い除染をして平穏な生活に戻してほしい、こういうことを念じております。しかし、私たちの村は高濃度の放射線で汚染されておりますから、帰れるめどが立ちません。どうしたら帰れるのか。それは、国の皆様方が、高線量といえどもそこに突撃をするべきだろうと。そして、東京オリンピック、全ての帰還困難区域を解除するというのであれば、私たちの身になってもう少し急いで除染作業に入るべきだろうと思います。
今、浪江町では、第一ステージといいまして、復興拠点地域の復興事業が整備が始まりました。今年の四月からです。皆様方から大変大切な税金をいただいて復興、除染が始まりましたけれども、津島の面積九千五百五十ヘクタールのうち百五十三ヘクタールというものです。一・六%です。これを五年を掛けてやる。さらに、町は第二、第三ステージということで住民に対して説明をしておりますが、国の皆さんは私たちの前に出てこようといたしません。私たちはそうした中から財源のそうした措置があるのかという質問をしますと、全くないのが現状であります。
第三ステージまで含めますと十五年掛かります。今、私たちは避難をしておりますから、高齢化が激しく、どんどん亡くなっているんです。私も六十五でありますから、うちの場合は八十ぐらいで亡くなっておりますから、あと十五年といったら私の命の年限だろうと思っております。それまでこの放射能災害というのは時間が掛かるものであろうと思っております。
私の家は、除染計画すら示されておりません。私は、国に対しても、町に対しても、県に対しても、村全体のロードマップを作ってほしい、そして私たちに示してほしい、帰れる希望があるなら与えてほしいというお話をさせていただいております。しかし、いまだに回答がありません。こんな理不尽なことが現場で行われているということを先生の皆様にはよく理解をしていただきたいのであります。
私は、今回の原賠法について知ったのは新聞の記事であります。まあ、無過失責任、無限の責任、これはよいとします。しかし、皆さん、原子力の放射能災害というものは、最初に私たちは国から何も指示もされたわけでもありません。銘々にただ逃げただけ。避難計画すらない中で私たちは銘々に逃げたから、全国各地に放射能が怖いから散り散りになってしまったわけです。あそこに行け、ここに行けと言われたわけではありません。
そこで、私は、原発というのは放射能をどうしたらいいのか。まず避難をする、そしてその次には避難先での住宅を確保する、そして慰謝料を考える、さらに財物の賠償を考える、除染を考える、さらに廃炉を考える。今言われているのは、この過程の中で二十一兆円が掛かるのではないのかと、こういうふうに言われております。
今回の千二百億円の据置きは、平成二十二年に六百億から倍にしただけではありませんか。千二百億円ぐらいで免責されるようなこうした原子力事業というのは、私は、覚悟がない業者に対してはこれを認めない、そのぐらいの覚悟のない人、業者は認めないという、国が考えていけばよろしいんじゃないかと、このように考えております。ですから、私の原告団からも町民の方々からも、今の百倍である十二兆円ぐらいのお金が担保されなければならないんだろうと思います。
改定改定と申しますけれども、いつの間にか、この無過失責任、そういう問題がなくなってしまうんではないんだろうかという不安を抱いております。ですから、電気事業の方々には国が債務保証をすれば、私たちはすぐに安心していけるのかと思っております。
先ほども、ADR、浪江の問題がございました。五年前に、私どもの亡くなられた馬場有町長を先頭に、一万五千有余名の方々が一斉に提訴をさせていただきました。いつも東京電力は私たちに対して、誠意を持ってお答えします。国の皆さんに陳情やお話をすると、東京電力に言っておきます。四度の仲裁の委員の方々が東京電力に言っても拒否されるという東京電力は暴挙に出ました。それで、今回改めて一万五千有余人の中から第一次提訴として百九名が、昨日、おとといですか、提訴をさせていただきました。
原子力災害というのは、一日も早く私たちの生活を取り戻す、元の生活を取り戻すために、皆さんに御協力いただいて、早く賠償を済ませてほしい、これが私の願いであります。
このADRについては、私もADRに提訴をしておりますけれども、東京電力が拒否をし続ける限り、この制度はなくてもいいわけです。強制力のないこういう制度を皆さんが知っているにもかかわらず、なぜ国会で議論をされないのか。こういうADR、片務的な、東京電力が拒否した場合の、私たちは誰に頼ればいいんですか。法律や国会の先生方に頼るしかないんですよ。何としてでも仲裁委員の方々の御労苦に報いるためには、私は、皆さんがしっかりと東京電力に強制力を持たせる。金銭的な問題じゃないんです。和解案を尊重しろ、そのとおりにしなさいということだけなんであります。
最後に、今回の私たちの裁判で、国は長期戦を目指しております、そういう節がうかがえます。私たちは、国に助けてほしいから国を訴えているのであります。しかし、裁判では、国は責任がなかった、こういうことばかり言っております。高裁、最高裁まで行くぞという方針を私たちに示しております。
私は、国というものは裁判で負ける権利も与えるべきだろうと、そうでなければこうした問題はいつまでも続くんだろうと思っております。ですから、官僚主権の国ではありません、国民主権の国であります。国民が助けてほしいから訴えるわけでありますから、国は裁判で負けること、これは一番大切なことだろうと思います。そうしますと、先生方の皆さんも、政策の追加や新しい政策、政策の変更、いろいろな形で御活躍できるのではないのかなと、こういうふうに私は考えております。
どうか皆さん、福島の現状を見に来てください。そして、役人の話を聞くんじゃなくて、住民と対話をして、それを是非とも私たちの救いとして国政で反映させていただくことをお願いを申し上げて、私のお話とさせていただきます。
ありがとうございました。