山本太郎の発言 (文教科学委員会)

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○山本太郎君 ありがとうございます。
 資料の二、二〇一一年改正の際、衆参で決議された附帯決議では共に、おおむねの損害賠償額などを見つつ、改めて検討することとされていますね。資料の三、東京電力ホームページ内、賠償金のお支払状況、東電は被害者に対して二〇一八年十月末現在で約八・六兆円の支払をしている。資料の四、こちらも東電ホームページから、新々総合特別事業計画作成時点で、可能な範囲において合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額として東電は今年の四月時点で十兆四千億円の賠償見積額を公表。
 附帯決議には、おおむねの損害賠償額を見つつ、改めて検討することとありますが、改めて検討した結果、掛かる費用がべらぼうに高いと、電力会社の都合のいいように賠償措置額は一千二百億円のまま十年延長に着地したのがこの法案なんじゃないですか。事実上、附帯決議などは無視、電力会社の負担を減らすための現実を見ない法改正と言っていいと思います。先ほどの附帯決議を考え、現実を鑑みれば、今回の見直しで、まず東電が合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額としている十・四兆円を最低限賠償措置額とすることが求められると思います。
 本法案では、あくまで賠償の主体は事業者、でも、責任を負わせる必要があるのは事業者だけでしょうか。東電原発では原子力格納容器の設計の段階で不備があったとも言われています。
 資料の五の一、福島第一原発の一から五号機で使われているマークⅠ型原子炉の原設計をしたGE、ゼネラル・エレクトリック元エンジニア、デール・ブライデンボー氏は、マークⅠは、地震や津波などの大きな災害によって冷却機能を喪失すると、格納容器に想定された以上の負荷が掛かり、破裂する可能性がある、そのことが明らかになったのだ、つまり私たちの間で語られているデザインベースの事故、つまり設計ミスから事故が起こるかもしれないということがはっきりしたのであると語っています。普通にこんな商品売ったらアウトでしょって。リコールですよ、回収ですよ、普通。
 資料の六の一、一九六八年から七七年まで日立製作所の関連会社バブコック日立に勤務、福島第一原発四号機の圧力容器などの設計に関わり、国会事故調の委員を務めた田中三彦さん。マークⅠが欠陥を抱えているとの米国での指摘は当時から知られていました、格納容器全体の容積が小さいため、炉心部を冷却できなくなって、圧力容器内の蒸気が格納容器に抜けると格納容器がすぐに蒸気でぱんぱんになってしまう、最悪の場合は格納容器が破裂してしまう心配がありましたと説明。欠陥商品によって事故が過酷化した、その可能性があるならば、その賠償についてメーカーなども賠償責任を負うというのは当たり前の話ですよ。
 しかし、事業者以外のステークホルダーにも責任を負わせるのは無理だと主張するものの根拠の一つが条約です。平成二十六年十一月国会承認、翌年四月発効、CSC条約は原子力損害に関する国際的な賠償制度の構築などがうたわれていますが、この条約が足かせになるのが事業者以外への求償の部分。
 資料の七、上がCSC条約の附属書十条、下が原賠法の五条二項。条約の条文を要約すれば、メーカーへの求償は、必要な事業者は事前にどうぞ、御自由に特約を結んでくださいというスタンス。やりたきゃやれ、邪魔はしないと。国内法よりも上位にある条約がこのような形なので、国内法である原賠法も、求償権に関し書面による特約をすることを妨げないとあります。何より、賠償について、最終的には国がお尻を拭いてくれるんだから、事業者がわざわざメーカーを巻き込むような特約、事前に結ぶはずもありませんよ。
 未曽有の原発事故を経験した、莫大な被害とその賠償が発生することが分かった今、メーカーなどステークホルダーに対する求償、法律上で担保するべきじゃないですか。自国の被害者への満足な賠償ができていない現実を鑑みれば、被害者救済の足かせになる条約からの離脱も致し方ないんじゃないですか。
 少し先走った話になってしまいましたが、条約云々の前に、メーカーなどに対する責任についての議論、もっと必要と考えます。今回、二十一回開かれた専門部会の議事録見ましたけれども、この課題について話し合われたのは第六回においてほんの少しだけ。どう読んでも初めから改善しようとする気持ちが全くない議論なんですよ。
 先ほどの参議院の附帯決議、平成二十三年八月のものの中にもちゃんと書かれています。東京電力株式会社の経営者の責任及び株主その他の利害関係者の負担の在り方を早期に検討することという趣旨ですよ。事実上、また附帯決議、これ無視されたまま今回も改正されようとしているんですね。これ、おかしくないですかって。
 大臣、メーカーなどの責任についての検討を、これ以上議論必要ないと思われますか、それとも議論は進めるべきだ、これから深めていくべきだとお考えになりますか、どちらでしょうか。

発言情報

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発言者: 山本太郎

speaker_id: 8436

日付: 2018-12-04

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会