糸数慶子の発言 (法務委員会)

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○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 横山委員長、私は、二十二日の法務委員会の冒頭で、この委員会運営においては野党の意見を尊重し、誠実に対応していただくようお願いをいたしました。残念ながら、誠実どころか余りの乱暴なこの委員会の設置に怒りを禁じ得ません。恐らく、参議院の職員も役所の職員も議員事務所も、多くがほとんど徹夜の作業を強いられたのではないかというふうに思われます。中立公平な立場であるべき委員長が、野党の意見に耳を貸すことなく、理性を失い常軌を逸した委員会の運営をされていること、そのことに強く抗議をし、質問いたします。
 まず、徴用工をめぐる最高裁判決について伺います。
 日本における朝鮮半島統治下で日本の製鉄所で労働を強いられたとし、元徴用工の韓国人四人が損害賠償を求めた訴訟で、韓国の最高裁は十月三十日、元徴用工のその請求を認めて、新日鉄住金に損害賠償の支払を命じる判決を言い渡しました。
 韓国の最高裁は二〇一二年五月、上告審で、植民地支配の合法性について日韓両国が合意しないまま協定を結んだ状態で、日本の国家権力が関与した不法行為による損害賠償請求権が請求権協定で解決されたと見るのは難しいとして個人請求は消滅していないと判断、二審判決を破棄し、差し戻しました。ソウル高裁は、二〇一三年七月の差戻し審で新日鉄住金に約四千万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。しかし、被告の新日鉄住金は請求権は消滅したとする日本政府の見解に基づき上告し、朴槿恵政権は判決を先延ばしにし、文在寅政権となって今回の判決が出されたわけです。
 この判決直後から、日本政府は、既に解決済みや、あり得ない判断などと抗議し、韓国政府を批判しています。河野外務大臣は即日、韓国の李洙勲駐日大使を外務省に呼び、日韓請求権協定に明らかに違反し、国際社会の常識では考えられないことが起きていると抗議をいたしました。日本の企業や日本国民に不利益が生じないよう、直ちに必要な措置を厳格にとってもらいたいと強く求めたと報じられています。
 他国の独立した司法の判断が出たからといって、日本政府がこのような抗議を行い、メディアの多くが解決済みなどと報道し、ネット上ではすさまじい韓国批判が行われていることに、正直戸惑い、違和感を覚えました。
 一九一〇年、大日本帝国と大韓帝国は日韓併合条約を締結し、日本が朝鮮半島を統治下に置き、三十六年に及ぶ植民地支配が始まりました。韓国は武力を背景に不法に締結させられたと主張し、日本は国際法に基づいて合法的に締結されたと主張したことから、認識の違いを超えることはできず、いわゆる玉虫色の決着をしたため、植民地支配に対する賠償は行われませんでした。
 そこで、外務省にお伺いいたします。
 日本政府は、請求権は完全かつ最終的に解決されたという立場を取っていますが、一九九一年八月二十七日の参議院の予算委員会で清水澄子議員の、請求権は解決済みとされてまいりましたが、今後も民間の請求権は一切認めない方針を貫くおつもりですかとの質問に対し、当時の外務省の柳井俊二条約局長は、日韓請求権協定におきまして両国間の請求権の問題は最終的かつ完全に解決したわけでございますと答弁した上で、その意味するところについては何と答弁されているのでしょうか、外務省の方にお尋ねいたします。

発言情報

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発言者: 糸数慶子

speaker_id: 5615

日付: 2018-11-29

院: 参議院

会議名: 法務委員会