吉川貴盛の発言 (本会議)

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○国務大臣(吉川貴盛君) 紙議員の御質問にお答えいたします。
 水産政策の改革案の議論についてのお尋ねがありました。
 水産改革については、現場で漁業を営む漁業者の理解を得ながら進めていくことが必要不可欠であります。
 今回の改革は、水産行政の実施に責任を有する農林水産省が、これまでの政策の実施を通じて漁業者からいただいた様々な意見を踏まえて主体的に検討したものであります。その際、節目節目で全国の説明会等において検討状況をお示ししながら、漁協や漁業者等と意見交換を行うとともに、水産政策審議会で議論をいただき、改革案を検討してきたところでございます。
 漁業法の目的の改正についてのお尋ねがありました。
 現行漁業法の制定当時、自ら漁業を営まない羽織漁師と言われた者による漁場利用の固定化といった漁業慣行の解消が大きな課題となっていたことから、漁業者を主体とする漁業調整委員会を創設し、目的規定にも、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用し、漁業の民主化を図ることが定められたところです。
 一方、漁業法の制定から約七十年の間の運用によって、当時の課題となっていた慣行は解消され、当初の目的である民主的な漁場の利用形態の構築は既に実現されております。
 このため、現時点でなお漁業の民主化を法の目的とする必要はなく、漁業調整委員会制度が漁業法における基本的な仕組みとして既に定着していることも考慮し、目的規定の改正を行ったところであります。
 都道府県の責務の規定についてのお尋ねがありました。
 御指摘の規定は、漁業生産力の発展を図るため、国及び都道府県が、水産資源の保存及び管理を適切に行うとともに、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決に取り組む責務を有することを確認的にそう規定したものです。国や都道府県に新たな権限を与えるものではありません。
 漁業権の優先順位の廃止についてのお尋ねがありました。
 本法案においては、法律で詳細かつ一律に漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改め、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については優先して免許する仕組みとし、現に地域の漁業を支えている漁業者の経営安定につなげていくとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 また、知事が免許する際は、地域の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聴くこととしており、知事が恣意的に使用できない仕組みとしています。
 さらに、免許を受けた後も、現行法と同様に漁業権の存続期間を法定するとともに、漁業権者が適切に漁業を行っていないと認められる場合には、知事が漁業権の取消しを含む是正措置を講ずることとしております。このように、一たび漁業権の免許を受けた者が、無条件に漁業権を長期的に独占することはできない仕組みとしております。
 水産特区の取組についてのお尋ねがありました。
 平成二十五年に適用された宮城県の特区については、本年三月、県において有識者による検証が行われたところです。
 この検証においては、復興推進計画の数値目標は達成していないが、新たな技術の導入による製品の差別化等の取組成果は確実に現れてきており、事業を継続することが重要であるとされています。
 農林水産省としても、被災後、漁村としての機能を失っていた可能性のある桃浦地区において、復興特区制度を契機として、企業と連携して漁業生産を回復させ、若い方々の雇用の場が創出されるなど、一定の成果が見られているものと認識しています。
 今後とも、宮城県の指導の下、桃浦地区の復興が進展することを期待をしていきたいと思います。
 海区漁業調整委員の公選制廃止についてのお尋ねがありました。
 今回の選出方法の見直しについては、海区漁業調整委員会が一層適切に漁業調整の役割を果たすことができるよう、漁業者を主体とする委員会の組織、機能をしっかりと残しつつ、地域の実情に柔軟に対応できるよう、公選制から知事の選任制に移行するものです。
 また、知事の選任に当たっては、漁業種類や漁業区域等のバランスに配慮しなければならないこと、漁業者団体等による推薦、募集を行い、その情報を公表するとともに、その結果を尊重すること、都道府県議会の同意を得なければならないこととすることで、現場の意見の反映や手続の透明性を確保しつつ、独立した行政委員会としての機能を維持することとしております。
 今回の改正により、浜に混乱が生じるのではないかとのお尋ねがありました。
 本法案における目的規定や漁業権、漁業調整委員会の見直しの趣旨については、これまでお答えしたとおりです。
 今回の法改正は、現在漁業に携わっている方が引き続き安心して漁業に取り組めるよう将来への展望を示し、地域の創意工夫を生かした浜の活性化につながるものであり、御指摘のような状況は生じないものと考えております。
 漁船の大型化についてのお尋ねがありました。
 漁船の大型化については、生産コストの削減や安全性、居住性、作業性を向上させるため、これを進めていくことは必要と考えております。
 大型化に当たっては、これまでも、適切な資源管理措置により資源への悪影響がないことを確認した上で進めてきているところです。
 本法案では、漁獲量の相当部分に漁獲割当てが導入された漁船についてはトン数規制等の規模の制限を定めないこととしていますが、操業期間や区域、体長制限などの措置を講じていくこととしています。
 また、漁獲成績報告書やTAC報告の提出を義務付けるとともに、衛星船位測定送信機の設置などにより操業状況を監視できるようにしていくことにしています。
 TACの設定に沿岸漁業者の意見を反映することについてお尋ねがありました。
 TACの設定につきましては、本法案の規定による水産政策審議会での諮問やパブリックコメントにより、沿岸漁業者の意見を反映できる仕組みとなっております。実際の運用に当たっては、これらの手続を丁寧に進めていきたいと考えています。
 なりわい漁業、沿岸小規模漁業に関する国際約束の見解についてのお尋ねがありました。
 議員御指摘の規定は、いずれも漁業者、とりわけ小規模漁業者への配慮の重要性を規定したものであると承知しています。我が国は、これらの国際的な枠組みに対し、いずれも合意した上で真摯に対応してきているところであります。
 今後とも、沿岸漁業を中心とする小規模漁業者の安定的な操業や経営安定が確保されるよう、資源管理を含め、水産政策全般にわたって配慮してまいります。(拍手)
   〔国務大臣渡辺博道君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119715254X00620181130_017

発言者: 吉川貴盛

speaker_id: 8487

日付: 2018-11-30

院: 参議院

会議名: 本会議