森ゆうこの発言 (本会議)

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○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこです。
 私は、立憲民主党・民友会、国民民主党・新緑風会、日本共産党、希望の会(自由・社民)の各会派を代表して、ただいま議題となりました農林水産委員長堂故茂君解任決議案の趣旨を御説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
  本院は、農林水産委員長堂故茂君を解任する。
   右決議する。
 趣旨説明をさせていただく前に、まず申し上げたいことがございます。
 私は、本院における戦後最長演説記録、三時間一分の記録を持っております。年金国会、百年安心の年金改革、国井正幸厚生労働委員長の解任決議案をこの場で趣旨説明をさせていただいたときに、三時間一分の趣旨説明をさせていただきました。
 当時の自民党は、当時の与党は非常に懐が深かった。言論の府、立法府、この我々の責務の重要性、言論封殺をすることなどなく、発言を認められました。
 当時は、青木幹雄先生が会長であったということであります。当時の参議院はミキオハウスと言われておりました。まあ、新人の私から見ても、水を漏らさぬ国会運営、少数意見を尊重し、間違っても、手続に瑕疵がある、言論封殺、民主主義の崩壊、そんなことを言われるような議会運営をしたということは見たことがありません。強行採決もいろいろされましたけれども、そのときには手続に瑕疵があったと言われないように細心の注意を払って行っていた、それが当時の自由民主党であったというふうに思います。
 しかるに、残念ですね。何ですか、言論封殺をされている野党の議員の趣旨説明に対して、ルールを守れ、ルールを守れ、必死に叫んでいますけど、その元気があるなら、民主主義のルールの根幹である公文書を改ざんで民主主義の根幹のルールを壊した安倍政権そのものに対してルールを守れと言うべきではないですか。
 しかも、くだらないこの発言制限動議に何で一時間も使っているんですか。言論の府の自由を取り戻せ。何やっているんですか。
 今だけ、金だけ、自分だけ、安倍総理のお友達だけ。強欲の市場原理万能主義の荒波に国民を放り込む法案が問答無用で次々に成立する中、本院農林水産委員会では、七十年ぶりの大改正となる漁業法改正案の審議が臨時国会の最終盤である今週から始まりました。
 漁業を生業として浜で暮らしながら、資源を守り、我が国の水産業の発展と食料安全保障に貢献するだけではなく、三万三千八百八十九キロメートルに及ぶ海岸線に存在する集落を維持することで国境を監視するという重要な役割を担う漁業者と水産業を支えてきた漁業法を全く別の新しい法律に作り替える法案であり、全国の漁業協同組合や現場の漁師さんたちから、現場を視察して漁業者の意見を聞いてほしい、少なくとも地方公聴会を開くべきだ、臨時国会での拙速な改正に反対などの意見書が次々に送られてきております。
 この短い臨時国会で成立させようなどということは、そもそも無理な話なんですよ。その無理を押し通そうとしたために、誰が見ても瑕疵があると言わざるを得ない委員会運営が昨日行われたのであります。
 堂故委員長、私は、委員長解任決議案を本当に本当に残念な気持ちで読み上げました。堂故委員長のことは、失礼ながら、この臨時国会で農林水産委員長に就任されるまで全く存じ上げませんでしたが、去る十月二十四日の本会議で農林水産委員長に指名されたときには、野党議員の間に拍手が沸き起こると同時に、堂故さん、頑張ってという声まで上がり、私は、大変驚くとともに、党派を超えて人望を集める委員長に少し期待してしまいました。その期待どおり、堂故委員長は、臨時国会の序盤でいきなり対決法案でもない給与法の採決を委員長職権で強行するという、これまで聞いたこともないむちゃくちゃな議事運営を行った内閣、外交防衛、法務の委員長たちとは一線を画し、丁寧な委員会を行ってこられたと私は思っております。
 理事会においては、理事オブザーバーである私に対しても非常に寛大な姿勢で発言を許可するなど、国民から良識の府としての役割が期待されている本院の常任委員長として、各会派の主張に耳を傾け、審議の充実を図るために公平公正に議事を整理するという重責を果たしていらっしゃる、そう思っておりました、昨日のあの事件までは。
 堂故委員長、昨日、十二月六日の委員会運営は、幾ら何でも、幾ら何でもひど過ぎました。理事会で与党の理事が、出席した民間企業に非公開と約束したので提出できないという説明をしていた漁業権の民間開放などを議論した国家戦略特区ワーキンググループの議事録について、委員会終盤になって水産庁長官が、検討中のガイドラインに関する内容を含むため当時は非公開を希望したが提出できると、全く異なる説明をしたため、委員会は紛糾し、私の質問の途中にもかかわらず、委員長は暫時休憩を宣言され、理事会が再開されました。
 漁業権の民間開放についての議事録は、七十年ぶりの漁業法大改正案提出の経緯や立法事実そのものを議論する前提となるものであり、事前の資料提出を求めるのは当然のことであります。出すべき資料を出さないのは、審議の妨害、質問権の侵害です。
 しかし、本当はすぐにでも出せる、実際その議事録はその後三十分もたたずに提出されました。出せばよかったじゃないですか。出すべき資料である国家戦略特区議事録の提出を待つこともなく、委員会再開と質疑終局、採決を求める与党側の一方的な要求に従った堂故委員長は、野党理事の納得を得ることもなく委員会を再開してしまいました。
 そして、驚いたことに、田名部匡代、紙智子両理事がまだ着席もしていないのに、いきなり議事を進行して、質問者である私が入室に手間取っている間に吉川農林水産大臣を指名し、答弁させてしまったのです。私は、温厚な紙智子理事が激怒するのを初めて見ました。それほどひどい運営だったと思います。明らかに議事整理に瑕疵があると言わざるを得ず、断じて容認することはできません。
 言論の府において決して侵してならないのは、議員の質問権であります。私は、与野党双方の先輩議員たちからこのことを事あるごとに厳しく教えられてまいりました。なぜ三十分、資料の提出を待てなかったんでしょうか。
 そういえば、いつの間にか理事会室に、農林水産委員会に所属していない自民党の国対関係と思われる三人の議員が入り込んでおりました。早く終わらせろと指示を出しているように私には見えました。そして、外国人技能実習生実態調査のプロジェクトチームリーダーを務めている法務大臣政務官が、委員長から退室許可が出てもいないのに、法務委員会に戻らせてくれと私にそういえば頼んできていました。
 堂故委員長、まさか、法務委員会で安倍総理の言うややこしい質問を早く切り上げ、入管法改正の強行採決ができるように、法務大臣政務官を戻らせるべく、焦って無理なことをしたのではないでしょうね。
 私はこれまでも何度も強行採決などを経験しましたが、先ほども申し上げましたように、かつての自民党は、手続に瑕疵があったと絶対言われないように細心の注意を払ってやっていましたよ。何ですか、さっきからのぶざまな姿は。このようにあからさまに質問権を剥奪されたのは私にとっては初めてのことであり、驚きと同時に、強い憤りを禁じ得ません。
 漁業法改正の最大の問題点は、何といっても漁業権です。
 漁業による利益を地域に広く行き渡らせるという基本理念の下、現行法では、漁業権は地元漁民や漁業組合を免許の優先順位第一位と条文に規定しています。五年あるいは十年に一度更新されて、知事の許可を受けるものです。漁業権付与の優先順位が法定化されていることによって、農地と違い所有権がなく不安定な漁業権であっても、なりわいとして漁業を営み、浜と資源を管理し、漁村共同体を長らく守ることができました。
 その優先順位を既得権と決め付け、条文から削除して、条件の更新には漁場を適切かつ有効に活用していることという、何回質問しても、これは与野党共に質問しましたけれども、明確な答弁のない、新しい曖昧な判断基準で漁場を適切かつ有効に活用する、知事の恣意的判断で免許される疑念が高まり、地元漁業者からは、先行きが不安で、二〇一七年には約十五万人となり、半世紀前の四分の一に減っている後継者不足に更に拍車が掛かると強い反対意見が寄せられています。
 また、海区の非常に複雑な利害関係や資源の管理などに力を注ぎ、浜の秩序を守ってきた海区漁業調整委員の公選制を廃止して都道府県知事の任命制に転換することも、知事の恣意的な運用が強まるとして大きな批判を呼んでいます。
 現行漁業法は、浜の民主化を重要な目的として、その第一条に、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって漁民の民主化を図ると明文化していましたが、今回その文言が削除されることは、民主的なプロセスではなく権力者によって、もうかる漁業になればいいという、無責任な安倍政権の体質そのものを示していると訴えたいと思います。
 しかも、漁業権優先順位の廃止や海区漁業調整委員の公選制廃止については、要望や意見書もなく、さらには、水産庁が水産制度改革の経緯として国会議員へ配付した資料に示された会議のどの議事録を探しても議論が行われていませんでした。

発言情報

speech_id: 119715254X00920181207_043

発言者: 森ゆうこ

speaker_id: 4105

日付: 2018-12-07

院: 参議院

会議名: 本会議