斎藤嘉隆の発言 (本会議)
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○斎藤嘉隆君 立憲民主党・民友会の斎藤嘉隆です。
私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました農林水産委員長堂故茂君解任決議案について、賛成の立場から討論をさせていただきます。
討論をさせていただく前に一言申し上げたいと思います。
先ほど来、私ども、この良識の府において言論封殺とも思われるような動議を出し、そして、この神聖な、神聖な壇上において議院運営委員会理事会の皆さんが議論をしている中で、非常に高圧的で、大声を出したりですね、そのような言動が見受けられました。猛省を促したい、そのように思います。そして、大いに抗議をさせていただきたい、そのように思います。
堂故委員長、あなたの温厚で真面目なお人柄については、私自身よく存じておるつもりです。このことは、私の会派の幹事長である蓮舫幹事長も同様のことを申しておりました。あなたと私とは、参議院文教科学委員会与野党の筆頭理事として、委員会の審議を充実したものとするため、共に知恵を出し合った間柄です。以来、党派の枠を超えて親しくさせていただいてまいりました。人となりをよく知る者だからこそ、今回の解任決議案提出に至るまでの公正さを欠く委員会運営には大きな疑問を感じざるを得ず、信じられない、そのような気持ちであります。
まず、委員長を始め与党の皆さんに指摘をしたいのは、立法府は行政府の言いなりになって法律案を通す機関ではない、このことであります。このことは、立法府の構成員たる我々全てが共有すべき最も大切なことです。にもかかわらず、今の与党はそのことを完全に忘れているのではないですか。立法府がまさに音を立てて壊れつつある、そう申し上げても過言ではないでしょう。
今回、委員長解任決議を提出する前提となった漁業法等改正案は、その最たる例であります。
漁業法改正案は、七十年ぶりの改正であり、最も大切な理念である民主化の文言をなくし、一方で、大臣や都道府県知事の権限を大きくしようとする大幅な改悪であり、後世に大きな禍根を残しかねないものです。
戦後初めて漁業法を作る際には、三年もの時間を掛けて丁寧に丁寧に作ったと言われています。しかしながら、政府・与党は、この法案を会期の短い臨時国会で、しかも委員会では僅か二日間の審議で通そうとしています。この蛮行を認め、採決を強行することを先導しようとしているのが堂故農林水産委員長その人であります。まさに議会の自殺行為であり、委員長たる者の振る舞いとは到底言えません。
漁業法にはほかにも大きな問題があります。例えば、漁村や沿岸漁業の多面的機能の重要性の問題です。
今回の漁業法改正案では、漁業権を、漁協ではなく、外国資本も含めて、株主に利益を還元する営利企業に認めようとしており、この多面的機能を破壊しかねません。営利を優先した結果、突然の撤退や場所の移動により貴重な海が汚されたままになる懸念はないのでしょうか。一旦汚れた海をきれいに戻すには大変な時間と労力が掛かり、簡単には取り戻せないのです。命の源である水について、水道事業を外資系企業に売り渡すことにつながるコンセッション方式の導入を行おうとする水道法法案もそうでした。
企業の参入を認めるにもかかわらず、委員会質疑でその基準を問われると、水産庁長官は、都道府県によって判断基準が大きく異ならないように、法案成立後に国が技術的助言を改めて定めて示すという旨の答弁をしています。これでは、法案の重要な部分について法案成立後と恥ずかしげもなく言う入管法改正案と同じではないですか。我が党議員の言葉を借りれば、生煮えでなく生のまま提出をされた法案であると指摘せざるを得ません。
そもそも、今回の漁業法改正は、漁業に携わる皆さんからの要望を基に改正するのではありません。規制改革会議水産ワーキング・グループからの要望がスタートになっているのです。しかも、ワーキング・グループでの議論から法案提出までの時間も短く、十分な検討がされているとは言えません。これで本当に漁業者のための法改正だと、暑い中や寒い中頑張ってみえる一人一人の漁業者の目を見てあなたたちは言えるのでしょうか。そんなことはできるはずがありません。
私たちが行った野党合同ヒアリングでも、出席してくださった漁業者の方から、法案を先取りする形で行われている宮城県の水産特区での問題点を指摘する声など、自分たちのための改正ではないとの指摘が多くありました。
安倍総理は、岩盤規制にドリルで穴を開けるなどと、一見聞こえの良いせりふをおっしゃっていますけれども、もうこれ以上、規制改革の名の下に、国民の暮らしを破壊する行為そのものをやめていただきたいと思います。
もう一度申し上げます。このような法案を強引に通そうとしているのが、堂故委員長、あなたです。
そもそも議会は何のために存在するのか。単純な多数決を用いることで多数派の意見をそのまま認めるのではなく、議論を通して少数派の意見を酌み取り丁寧な合意形成を図ることで、議会が出した結論に正当性が生まれるのです。そのためには、議事運営に当たっては、各会派の合意に基づき、丁寧に進めることが重要なのではないでしょうか。良識の府としての役割を期待されている参議院ではなおのこと、このことが重要となります。そのため、委員長は、委員会の運営において、各会派の主張に耳を傾け、審議の充実を図るために公平公正を旨とする議事運営を行う重要な責任があります。
にもかかわらずです、十二月六日の委員会において大きな問題が生じました。与野党各会派の理事及びオブザーバーが出席する農林水産委員会の理事会において政府が従来は提出できないと答えていた資料が、昨日の委員会において水産庁長官が提出できると発言をしました。こんな簡単に政府の説明が変えられるのであれば、技能実習生の聴取票の公開の可否についての説明も変えていただきたかったと、そう思います。
当初、この件については、聴取票の結果を取りまとめて政府が発表した資料では、八六・九%の人がより高い賃金を求めて失踪したと、このように説明をしていました。最低賃金以下にチェックした人数は二十二人、〇・八%としていました。
政府の発表を信用できない我々野党が個票の公表を粘り強く求めたところ、コピーは、刑事訴追されるおそれがある、聴取票を記入した公務員の筆跡が分かると今後に関わるなどと詭弁を弄して認めず、個票の閲覧のみが認められました。我々が協力をし、重複分も含めて二千八百九十二人分の個票全てを手書きで書き写し、集計した結果、最低賃金割れが千九百二十七人、六七%と、政府の虚偽説明が明らかになりました。そもそも、選択肢にない、より賃金を求めてなど、どこから出てきたのでしょうか。あの森友問題を全く反省していない、新たな公文書の改ざんではないですか。
農水委員会での政府の説明が変わったことに話を戻します。委員長は、今回急に政府の説明が変わったことについて納得しない野党理事、オブザーバーが抗議しており、理事会協議が調わず、委員会を再開する環境にない中、何と野党が、野党委員が不在の中で委員会を再開し、大臣の発言を聴取することを認めました。
なぜ、野党不在の中で委員長がそのようなことを強行できるのでしょうか。なぜ、委員長には委員会の議事整理権が認められているとお考えでしょうか。委員長が委員会を勝手に運営してよい、そのような考え方なのでしょうか。委員会運営において私たち野党は不要だということでしょうか。このような運営は到底認められるものではなく、重大な瑕疵があると言わざるを得ません。このようなことを許せば、言論の府はまさに死んでしまいます。
以上、様々申し上げた理由により、堂故農林水産委員長解任決議に賛成することを申し上げ、本決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手)