畑野君枝の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)
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○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
各委員からも御発言がありましたけれども、私も、五月二十日、当委員会で京都大学高等研究院に一緒に伺いまして、本庶佑副院長・特別教授からお話を伺ってまいりました。基礎研究への政府への支援を強く求めておられました。
きょう資料に配付させていただきました二〇一九年版科学技術白書でございますけれども、この基礎研究の重要性に光を当てて、ノーベル賞を受賞した四人の研究者のコメントを紹介しております。少し御紹介させていただきます。
免疫反応にブレーキをかけるタンパク質であるPD—1を発見し、二〇一八年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑氏は「生命科学はどういうデザインになっているかを、まだ私たちは十分理解していない。
生命科学はデザインを組むこと自体が難しい。応用だけをやると大きな問題が生じると思う」と指摘している。
登山に例えて、
多くの人がたくさんの山を踏破して、そこに何があるか理解して、どの山が重要か調べる段階だ」と基礎研究における多様性と広がりの重要性を訴えた。
「オートファジー」という細胞に備えられた分解機構の中心の一つを分子レベルで解明し、二〇一六年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏も、政府の助成対象として産業や医療への応用研究が重視されている現状について「とても危惧している」と指摘し
「技術のためではなく、知的好奇心で研究を進められる大事な芽を大学に残してほしい」と訴えている。
「基礎研究だけで良いわけではないが、基礎研究がないと新しい進歩はない」
国の研究開発の方向性が実用化を想定した出口戦略重視へと移りつつある中で「基礎研究は応用研究と同じ価値判断で評価されるべきではないし、先が分からないから面白い」と強調した。
世界で初めてニュートリノに質量があることを発見し、二〇一五年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏も「当初の実験目的とは違って予期せぬものが見えたことも、科学研究の醍醐味。この研究は何かすぐ役に立つものではないが、人類の知の地平線を拡大するようなもの」
「基礎研究は、今すぐ私たちの生活に役立つ性格のものではない。やがて人々の生活に役立つという側面と、物事の真理、自然界のより深い理解に近づくことを通して、人類全体の共通の知的財産を構築する側面、その二つがある」と言及している。
それまで不可能とされていた「タンパク質を壊さないでイオン化すること」に世界で初めて成功し、二〇〇二年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏は、「何かを初めて実験する場合、失敗が多いが、その中に大変新しい展開が隠れている場合がある。百人中九十九人は落胆してしまうだけの失敗も、自分が何をやったかをきちんと解釈すると、ほかの人が見過ごしてしまうような、百に一つ万に一つの発見に結びつけられるチャンスが転がっている」と、失敗を繰り返しても実験を続ける基礎研究の重要性を述べている。
少し御紹介をさせていただきました。
政府は、日本の研究力が低下している現状を踏まえ、この間、取組をいろいろ行ってこられたと思います。より根本的には、白書も指摘しているとおり、基礎研究による新たな知の創造や蓄積が長期的な社会課題の解決や新産業の創出にも結びついていくのであって、研究者の内在的動機に基づく独創的な研究を支援することが重要なのではないかと思います。
平井大臣の基礎研究の重要性に関する御見解はいかがでしょうか。