阿部知子の発言 (厚生労働委員会)
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○阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。
このたびの医療保険制度にかかわる審議は、私は、そもそも時代が、大きく令和という時代を迎えようとしていて、医療並びに介護の持続可能性、保険制度の持続可能性もそうですが、必要な人に必要な医療が、あるいは介護が行き渡るかどうかということで、冒頭はちょっと骨太な議論をお願いいたしたいと思い、きょう、厚生労働省の医政局の統括調査官の江崎さんにも御出席をお願いいたしました。お時間を都合していただいて、ありがとうございます。
さて、質問に入らせていただきます。
未来投資会議が、これは安倍総理の肝いりですが、三月二十日に開催をされて、「全世代型社会保障における疾病・介護の予防・健康インセンティブ」ということをテーマに議論が行われました。簡単に言うと、健康寿命を延ばして、昔から言うぴんぴんころりですね、それでその方の幸せと、医療費をあわせて抑制したいということも背景におありなのかもしれませんが、私は、ここに二つの大きな問題があると思います。
一つは、もう三十年も昔からアメリカのラッセルが指摘したように、予防医療にお金をつぎ込むことが医療費の抑制、トータルに見てどうなんだろうか、これはずっと議論のあるところでございます。
もう一点は、予防、健康、ここを強調することによって御病気や障害のある方を逆に排除しかねない。スウェーデンなどでもかつて、きょう午後、問題になりますかもしれません、優生手術などは、そうした健康ということを前面に打ち立てた中で、不良な子孫を残さないという形で取り組まれてきた政策であります。
二つの面においてきっちり総括をしないと、私は、これからの時代、持続可能性あるいは人々の幸せということで問題が起こると思います。
まず、昨年の十月二十五日、私は、江崎さんや、この前御紹介した遠藤先生が御出席になるシンポジウムに出席をいたしまして、そのときの江崎さんの御発言がお手元のコピーでございます。
これは、社会保険旬報という雑誌に、このシンポジウムの後、載せられたもので、当日の御発言、そのとおりだと思いますが、ここには、いわゆる医療費が人生の中で、六十五歳以降急速に増加し、八十歳以降は入院に係る費用の割合が高くなるとして、下のようなチャート図が示されております。そして、これの御説明、「現状1人当たりの年間医療費をみると、人生の終盤でその大半が使われていることが分かる(図13)。医療現場の実感としても人生の最終盤になってあらゆる医療資源が投入されるが、本当に患者のためになっているのか疑問視する声も多い。」というふうに江崎さんは発言しておられますが、私たち大半の医療者はある意味こういう疑問視はしておりませんで、その方の一番お幸せを願って命を支え、またお見送りをするということをやっております。
江崎さんには次のページをあけていただきまして、これは医療費の三要素でございます。一人の方がどのくらい受診するか、一件当たりの日数がどのくらいか、これは入院ですから、入院の日数がどのくらいか、そして一日当たりの医療費がどれくらいかを三要素に分解したものがございます。
これを見ると、人生八十歳以上の方に多額な入院費が毎日使われているということではございませんで、ごらんいただきましたらわかりますが、六十五歳から七十五歳くらいまでのところは、やはり、ある意味高度先進医療も含めて、がんの治療も含めていたしますので、一日入院費は高くなってまいります。
御高齢者は医療費が高い高いと言われますのは、その頻度ですね。人間も古くなってまいりますとというか年を重ねますと、あちこちいろいろな障害というか御病気を抱えます。でも、それはきちんとケアされるべき生存権のお話であって、江崎さんがこの一枚目の図で示され、なおかつ御説明されたことは、私はちょっとミスリードになると思うんです。
人生最終盤にたくさんの医療資源が投入されて、それが患者にも医療者にも不幸になっているというような言い方は、この二枚目を正しく評価していただければちょっと違う表現になるのではないかと思いますが、いかがでしょう。