泉房穂の発言 (厚生労働委員会)

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○泉参考人 このような機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は、中核市の市長の立場から意見を申し述べたいと思います。
 お手元の方のレジュメに沿ってお話をいたしますので、御参照いただければ幸いです。
 一ページ目の下の方に写真があります。明石市は、ことしの四月に、自治体としては九年ぶりに児童相談所を設置いたしました。一カ月前のことでございます。
 一時保護所も同時に整備をいたしまして、定員は三十名。明石市は人口三十万人ですので、人口一万人当たり一人です。この後お話しいただく東京都は、人口千三百数十万で定員二百十三、六・五万人に一人で、一〇〇%入れません。一時保護所に入れないから保護できないのは間違いです。明石市では、人口一万人に一人の定員とし、原則個室、全員が自分のお風呂に入れるように、一人一人がほかの友達から体を見られないような状況もつくり、しっかりとした一時保護所を整備いたしました。
 次のページをごらんください。つくった場所は、明石市内の一番真ん中のJRの駅前につくりました。
 児童相談所は、迷惑施設ではありません。子供を本気で守ろうとする明石市民の誇りです。市議会は全会一致で賛成、地域の反対などありません。町のみんなで子供を守る、そういった町こそが発展する、そういった思いで明石市は取組を続けています。
 つくった場所は保健所の隣、連携が必要です。来年四月には、全国二カ所目となる研修センターも整備する予定にしております。まさに、これらを含めてしっかりやっていく予定にしております。
 開設までには三年かかりましたが、三年でできます。中核市が児童相談所をつくれないわけがありません。やっていないだけです。やろうと思ったら、三年、五年で全部できるのは当たり前です。子供が死んでいくのを放置し続ける、そんなことが許されていいわけがありません。中核市は、保健所は全部つくっています。保健所がつくれて児童相談所がつくれない理由などあるわけがありません。人がいなければ育てればいいだけだと私は思っております。
 次のページ。明石市は、本気で子供を応援する、全ての子供たちを、誰一人見捨てることなく、地域と一緒に本気で取り組む、こういった町です。明石の児相の基本的な方針は、子供最優先であります。
 次のページをごらんください。中核市だからこそ必要なんです。
 都道府県のよさもありますが、都道府県の限界もあります。中核市の場合、早い段階の子育て相談から、その後、自宅に帰った後のフォローまでできます。ここが大事なことです。都道府県だけでは足らないところを市町村がしっかりやれるというふうに思っております。
 組織といたしましては、明石市では、緊急支援課に六名、さとおや課五名と、独立した課を設けたのが特徴です。
 右上の方をごらんください。ここが最大のポイントです。
 明石市の児相の職員数は、国の基準の倍です。国の基準だと、原則、人口四万人に一人、明石の場合、人口三十万ですから七、八人ですが、そんな人数で子供は守れるわけがありません。野党案とて不十分です。明石は倍の十八人の人員を配置し、心理司も倍の八名、保健師は一人でなく四倍の四名、弁護士も、常駐で男女一名ずつ、弁護士二人が常駐している体制をとり、更に拡充を図ります。なぜか。子供の立場から考えたら、これぐらい必要だということです。
 なお、国基準を上回る人件費は全て明石市民の負担です。それでも明石市はやっている状況をお伝えしたいと申し上げます。
 次のページをごらんください。めくります。中核市児相のいい点です。
 大きくポイントを三つ言います。
 中核市、基礎自治体だからこそ、妊娠届の受取をするのは市町村です。明石では、妊娠届の受取のときに、一時間程度、相談に応じます。おなかの中の子供と相談するつもりで相談をします。そして、その後、いわゆる四カ月健診などの際に、一〇〇%、子供と会っています。きょうはチラシも入れておりますが、明石の場合、子供に会えなかったら、児童手当につきましては銀行振り込みを停止します。幸いにして、土曜、日曜に保健師が家庭訪問することにより、一〇〇%の子供に会えています。会うことは可能なんです。家庭訪問をし、家庭にいなければスーパーで待ち構えてでも子供に会う、そういったことを明石市は現にしています。
 そして、二つ目です。
 学校現場と連携ができますので、明石は四月に一時保護所をスタートしましたが、小学生、中学生は、一時保護所からもとの学校に通っています。そんなところ、ほかはほとんどありません。都道府県の児相でそれができますか。
 身近なところで学校と連携をして、親と離れ離れになっても、せめてクラスメートの友達とはこれからも話し合える環境をつくる、これは政治、行政の責任だと私は思い、そのためには、送り迎えを職員がしています。職員を配置すれば、送り迎えをすれば、学校と連携をすれば、子供の環境を大きく変えなくても保護することは可能であります。一時保護所は不幸な場所ではありません。一時保護所は子供たちの安らぎの場所であるべきだと考えております。
 そしてさらに、地域との連携です。
 明石では、子供食堂が小学校区二十八全てにもう立ち上がり、現在三十八カ所で、一つも潰れることなく子供食堂が運営されており、更にふえています。子供食堂に来る子だけではありません。子供食堂に来た方がいいのに来ない子供の情報も共有化し、行政が家庭訪問し、必要な子供には食事を届けています。そこまで明石は既にやっている状況で、難しいことではありません。子供たちに近い基礎自治体であればできるというのが私の考えです。
 次のページをごらんください。里親にも本気で取り組んでいます。
 明石は、未就学の子は、一〇〇%、里親にします。やり切ります。
 これまで明石市では、都道府県任せで、一年に一人ぐらいしか登録がふえませんが、明石市は昨年度、一気に十四人の里親家庭の登録になりました。本気でやれば、里親をリクルートすることは可能です。市であれば、地域のボランティアさんの顔も浮かびます。地域の方を口説いていく、そうせずに里親がふえるわけがありません。単なる啓発活動やキャンペーンをやっていて里親がふえるわけはないんです。本気で市町村が里親のまさに確保に取り組めば、子供たちの環境を大きく変えないことは可能だと思っております。
 そして、右側に行きます。人がいないと言います。いなければ育てるんです。
 明石では、この七月からは全国二カ所目としての研修センターを立ち上げ、来年四月には箱物もつくります。明石で育てて全国の子供たちも守りたい、そういった思いで明石市は全国二カ所目となる研修センターをつくる形にしました。
 人材がいないのは言いわけです。いなければ育てればいい、私はそう思っております。弁護士や市町村の職員についても、児相職員以外も研修対象に入れております。
 次のページをごらんください。こういったことをするのは町のためです。子供たちのためだけではありません。
 明石市では、実際、決意だけではなく、私が市長になってから、子供関連予算は二倍にふやしました。市長就任前百二十六億円だったものを、現在は二百四十四億円のお金を使っています。お金は要るんです。人についても、子供部門の職員数を三十九名から百二十六名にふやしました。三倍増です。そうすれば子供の送り迎えは可能です。そうすれば家庭訪問は可能です。金と人が要る、これが私の考えであります。
 右側をごらんください。その結果、明石はどんどん元気になってきました。人口減を脱し、六年連続人口増、転入割合は関西第一位になりました。赤ちゃんもどんどん生まれています。地域経済も活性しています。まさに、子供に本気の町こそが発展すると私は考えております。
 最後になりました。きょうお伝えしたいことは、まさに基礎自治体こそが重要です。中核市には児相を、そして中核市以外にもしっかりと子供に寄り添える人材確保を、このことを最後にお願い申し上げ、私の意見といたします。
 どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 泉房穂

speaker_id: 22855

日付: 2019-05-21

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会