阿部知子の発言 (厚生労働委員会)
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○阿部議員 橋本委員からの御質問、まことにありがとうございます。
まず、本法案において、私ども野党案ですが、中核市及び特別区に児童相談所の設置を義務づけましたのは、近年、児童虐待対応件数が急激に増加をいたしておりまして、一つ一つの児童相談所がカバーする人口が、例えば柏市の百三十万のように、大変大きくなっております。それに伴って、児童相談所において広域な自治体に対してきめ細やかな対応が困難になっていること、また、児童と家庭に対する相談についての基礎自治体の役割が強化される中で、基礎自治体と児童相談所との密接な連携のもとに、子育て支援から児童虐待への対応まで一貫した児童福祉政策を実施することが求められていると考えるためであります。
平成二十八年度の児童福祉法等改正法の附則第三条においても、施行後五年間を目途として、中核市及び特別区が児童相談所を設置することができるよう、その設置に係る支援その他の必要な措置を講ずるものとすると規定されており、中核市及び特別区への児童相談所の設置を進めるという大きな方向性が示されたと考えております。
一方で、今、橋本委員御指摘の中核市における児童相談所の設置に関する緊急要請、市長会から上がりましたものについては、「義務化ありきではなく、設置の後押しとなる十分な財政措置や専門的人材の育成・確保にかかる支援の充実によるものとするよう強く要請する。」という意見が示されており、私どもも拝見をいたしております。
中核市がこのような要請をされた背景には、平成二十八年度改正において設置に向けた支援が規定されたにもかかわらず、国による財政面や人材面での支援が不十分であるという現実があるのではないかと考えます。実際に、委員御指摘の緊急要請においては、これまで中核市、市町村が行ってきた財政措置や専門的人材の育成、確保に関する具体的な提言に対しても十分な検討、対応がされてこなかったという指摘もございます。
そのために、本法案では、緊急要請で示されたような御懸念を受けとめつつ、改正後の児童福祉法第五十九条の四第七項において、国による児童相談所の職員の人材育成やその確保のための支援、財政上の措置等の規定を設けております。
したがって、本法案は、決して中核市など当事者の意見を無視したものではなく、むしろ、その要請の本来の支援を深く理解して、この私どもの案にあっても支援の強化を求めるという点を強調しておるものでございます。