五百旗頭真の発言 (情報監視審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○五百旗頭参考人 ありがとうございます。
 してはならないリストをつくり始めると、これは広範にわたるということになると思うんですね。大概のことは全部公開、秘匿してはならない。
 逆に、秘密にすべきことは、民主主義各国で大きく言えば二原則だと思うんですね。一つは、国家安全保障にかかわる。日本の場合には、日米安保条約にかかわるアメリカ側が秘密とすることについて、それを漏らしてはいけないというのが非常に多いですね。先ほどのイージス艦情報というのも、それの端っこにある、先端部分の問題です。そのほか、南スーダンのとき、部隊の安全とともに、国際関係上の配慮というんですか、迷惑をかけない、そういうことが必要だ。これは、国の安全保障に広く言えばかかわりますが、国益。国益と言い出すとこれは非常に広くなりますので、現在進行中のものについて、外交交渉でカードを全部テーブルの上に出してゲームは成り立たないように、当面は。
 しかし、しばらくしたらあけなきゃいけない。それは、今、米村さんがおっしゃったように、国民にとって極めて重要な問題、日本の運命を左右するような重要なことである。あればあるほど、それは必ずあけなきゃいけないんですね。
 そのことを、かかわった政治家、行政官は、誇りを持って、自分は精いっぱいあの時点で、もちろん全部はできない、誰も全能ではない、スペードのエースではあり得ないですから、できることに限界はあるけれども、与えられた状況の中で最善を尽くした、そのことのあかしとして、誇りを持って開くことを受け入れなきゃいけないと思うんですね。それを闇に葬るというのは非常によくない。
 吉田茂は、例えば、ダレス国務長官になる予定の特使との間で、日本が再軍備する、五万の国防軍をつくることを内々に約束して、それでダレスの理解を得たわけですね。それをやるから今は無理をしないでくれ、しかし、今、日本国民の中で再軍備するというと大問題になるから伏せてくれというふうにお願いして、了承されて、アメリカは別に漏らさなかった。知る人は知るというふうになっちゃって、やがてこれは堂場資料というので吉田とダレスの交渉なんかが明るみになって、三十年ぐらい前ですか、国民の共有の知識になりましたけれども、それまでの間は一応伏せていたわけですね。
 だけれども、このような重要な問題を永遠に伏せることを、吉田さんはワンマンですから、永遠にと言いたがる。吉田さんだけじゃなくて、アメリカだって、ルーズベルトは記録を残すことを非常に嫌ったんですね。マッカーサーもそうです。強い強力な指導者というのは概してそういうふうになって、インフォーマル。ジョンソン大統領ですら、閣議だとか、国家安全保障会議、NSCの会議での、議事録の残るところでの話を嫌がって、火曜日の夕方に気の置けない数名の者で重要なことを決めたいと。そこは議事録を残さないんですね。そういう傾向があります。
 だけれども、正規の、英米の政府はみんな記録をとりますので、大統領もそこでかかわってやったことは残るわけですね。そういうのからだんだん今は、まあ、ニクソンも、だけれどもテープが残っていて大変なことになっちゃったですね。
 というので、重要な問題を記録を残さずに決定するということの余地というのはどんどん減っていくし、我々は、それを大いに、記録を残すように、誇りを持って、重大なことにかかわったことをしっかり記録していく、それをいずれ国民で共有するというふうにやるべきだと思っております。
 したがって、その二原則をとめどなく拡張するのではなくて、限定的に妥当に抑えるということが大事であって、秘匿しないことをやたらふやさないことの方が結局はよろしいと思っております。

発言情報

speech_id: 119804541X00420190520_011

発言者: 五百旗頭真

speaker_id: 31051

日付: 2019-05-20

院: 衆議院

会議名: 情報監視審査会