岡本三成の発言 (内閣委員会)

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○岡本(三)委員 その上で、税金を使うわけですから、どのぐらい効果があるかという視点は私は重要だと思っているんです。
 そして、次の質問で、幼児教育や保育に対してお金を投入することの経済効果が、何よりも、他の政策よりも大きいということを明らかにしたいというふうに思うんですけれども、子供への教育を投資という言葉に置きかえると、ちょっと抵抗のある方もいらっしゃると思います。けれども、実際に、経済的な側面から見ればどれぐらいの値打ちがあるかという観点というのは私は重要だと思っているんですね。
 これは、OECDの調査によりますと、予算を公共投資に充てた場合の、公共投資、いろいろありますけれども、OECD先進国で充てた場合の経済効果は投資額に対して一・五倍です。それに比べまして、幼児教育、保育の経済効果は投資額に対して二・三倍です。物すごくリターンが高いんです、このセクターは。
 これは、先日、野党のある議員の方も御紹介されていた、私も大好きな、ノーベル経済学賞をとったヘックマンという教授がいらっしゃるんですが、この方がおっしゃっているポイントというのは先日の野党の方がおっしゃっていたのと若干違いまして、この人は何て言っているかというと、人的資本投資の収益率は子供の年齢が低ければ低いほど高いと言っているんですね。二十歳より十歳、十歳より五歳、五歳より二歳に投資した方が投資リターンは高いというのが、ノーベル経済学賞ヘックマン教授の結論です。
 この方はすごく有名な検討をいろいろなことをされているわけですけれども、この方の検証によりますと、社会的収益率は約一〇%だったそうです。これは何を意味しているかというと、四歳のお子さんに百円渡したら、その四歳のお子さんが六十五歳になったときに三万円返してくれるということなんですね。そして、この方のこの収益率というのは、いろいろな研究が世界じゅうでなされている中で一番低いリターンがこれです。つまり、ノーベル経済学賞がやっている一番低いリターンでも社会的収益率は一〇%なんです。物すごく高いんですね。
 ここにOECDの統計があるんですが、にもかかわらず、OECD加盟国で、GDP対比で教育支出が最も少ない国が日本です。よく言われているとおりです。ただ、セグメント、年齢別に分けていきますと、実はちょっと違っていまして、初等中等教育、義務教育から高校生ぐらいまで、ここはGDPに対して日本の公的支出というのは二四・八%、OECD平均と全く一緒なんですね。何が低いかというと、就学前段階に対する公的支援が低いんです。これは、OECD、このときの統計で二十七国中二十七位です。八・二%。OECD平均一九%です。あと、高等教育、大学も低いんです。これは二六%。OECD平均三八%ですから。
 要は、物すごくちっちゃい、小学校に入る前の子供と大学生以上に、特に小学生に入るまでに最も公的支出をしない国が日本なんですね。そこが日本の成長に大きく影響してきているというふうなデータが、先ほどのさまざまな研究者の結論なんです。
 じゃ、何でこの就学前に公的投資、お金をかけるとリターンが高いかというと、一言で言うと、機会の不平等をなくすからです。やはり、ちっちゃいときに、家庭の状況次第で、さまざまなことを学べる機会、これは教育だけではなくて、例えば、幼稚園や保育園では、いわゆる非認知型の教育、判断力であったり、そのときの自分の表情のつくり方であったり、雰囲気を認識することであったり、さまざま、教育と直接結びつかないような、いわゆる人格といいますか、そういうところも十分に学べるところが多くて、その水準次第で小学校、中学校の学びの水準も違うんですね。
 ここに、大阪府箕面市という市が行った調査結果があります。これは二〇〇九年にやったんですが、この調査結果はすごくて、これは人口十五万人ぐらいの市なんですが、OECDのレポートぐらい、子供の貧困対策支援のシステムのあり方と運用方法に関する実証研究報告書がまとまっています。
 この報告書の内容というのは、OECD報告書とほぼほぼ一緒です。これは箕面市の中の全ての子供たちを対象にやった調査なんですね。それは、就学前までにしっかりした保育や幼稚のサービスを提供すると、小学校四年生、五年生ぐらいで学力が大きく変わってくると。つまり、機会の不平等というのは何かというと、幼稚園、保育園で十分にそういう機会を得られないと、小学校、中学校の自分の成績にかかわってくるんですね。小学校、中学校にかかわってくると、大学に進学するという比率にかかわってきます。
 ちなみに、自分が行かないと決めて高校に行かなかったような中卒の方、例えば大工さんになりたいというような方、この方々というのは生涯年収が高いんですね。大卒の方に比べてもすごく高く持っています。ただ、本当は行きたかったのに、いろいろな理由で行かない方々というのはやはり生涯年収が低いんですよ。事実として、大学を卒業した方の男性の生涯年収二億七千万円、高卒の男性二億一千万円、六千万円違うんですね。そうすると、その方々の所得も違う、消費も違う、納税も違いますから、社会的なリターンが高いのは、機会の不平等をなくして、より学ぶような機会をして、自分の思った職業選択をすれば、当然社会的なリターンも高くなるというのは、予想できるとおりであります。
 であるがゆえに、この小学校に入る前の段階で、国がリーダーシップをとって、この方々に十分な保育と幼児教育の機会を与えるというのは、経済合理性の面からいっても十二分に意義があるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 岡本三成

speaker_id: 5365

日付: 2019-03-22

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会