山本和彦の発言 (法務委員会)
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○山本参考人 御質問ありがとうございます。
今のお尋ねは、第三者に対する情報取得の制度で、第三者を定める際にどのような点を考慮すべきか、それが今後どういうように拡大していく可能性があるかという御質問であったかと思います。
部会の審議等で恐らく前提とされたものは、まず第一に、債権者側から見た必要性という点がやはりあるんだろうと思います。
今の現状では、第三者から情報を取得できないと、なかなか執行ができない。今お話があった預金情報というのはその典型的なもので、最高裁判所の判例は、金融機関だけを特定するのではなくて、更にその支店まで特定しなければならないと言っているわけですので、これはまさに莫大な数の申立てをしないとなかなかヒットしないという状況になる。そこで、事前に金融機関から口座情報を取得するということが、執行制度を実効化するには必然的なもの、不可欠なものということが認識された、そういう債権者側から見た必要性というのが一方である。
他方では、第三債務者のやはり負担という問題があるんだろうと思います。
第三債務者というのは、民事執行法の泰斗である中野貞一郎先生の教科書には、世界の中で最も不幸な人たちである、債権者と債務者の争いに巻き込まれて、自分は何の責任もないのにいろいろな負担を押しつけられる存在であるという御指摘がございます。
そうであるとすれば、やはり第三債務者にできるだけ負担をかけないような形で執行制度、特に債権執行制度をつくっていく必要がある。
そういう観点から見れば、今の預金のような場合には、当然、金融機関の社会的責任という問題もありますし、それから、何よりも、口座情報というのは既に金融機関の中でコンピューターで把握されており、ほとんど一挙手一投足で、その債務者の口座があるかどうかということが把握できる。そういう意味では、第三債務者にかける負担というのが非常に小さいという観点を踏まえてこのような制度がつくられたということです。
したがって、今後、この制度をもし拡大していくのであれば、今のような点、債権者からどの程度この制度によることが必要なのかという点と、それから第三債務者に対する負担が過度なものにならないのかどうかという点を考慮しながら、制度の拡大の必要性、対象について考えていくべきものと考えております。
私からのお答えは以上でございます。