藤野保史の発言 (法務委員会)
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○藤野委員 いや、大臣、いろいろおっしゃいましたけれども、そうやって実際に定めたものが、裁量によって運用されているんですよ。実際に、それが裁量逸脱でおかしいじゃないかと争ったら、裁判の実務では、今言った以外の判例では、それはマクリーンを盾に、極めてもう丸投げのような、司法審査を放棄するようなことも一方ではまだあるんですね。ですから、これを取り上げたわけであります。
これは、一論文ではなくて、やはり、司法界、あるいは憲法学界、あるいは弁護士実務という観点からでも、このマクリーン判決はもうやはり乗り越えるべき対象だという認識が広がっているんですね。四十年以上たって、その事件が起きたときからいえば、もう半世紀たっているわけですね。全く国際環境も変わっている、日本の裁判実務の積み重ねも変わってきている。これを踏まえないで、現実に合った司法活動もできないし、人権保障もできないという認識が広がっているわけです。
例えば、配付資料の二を見ていただきたいんですが、これは、判例百選一の、外国人、マクリーン事件の解説なんですが、愛敬浩二名古屋大学教授による解説の最後にこう書いてあります。「マクリーン基準は、」、飛ばしますが、「現在も、国際人権法の観点からみて問題のある退去強制を正当化する役割を果たしている。よって、国際人権法の発展と行政裁量論の深化を踏まえて、「マクリーン判決を超える」ことは、憲法学にとっても喫緊の課題である。」という指摘なんですね。
判例百選でここまで言われている、そういう位置づけであり、かつ、資料の一でも紹介しましたように、この課題を、現場では、一個一個の判例の積み重ねによって、ゆっくりとした足取りではありますけれども、やはり、こうして乗り越えようとしている。国際的な水準を目指して、人権保障の水準を目指して、実質的な審査、裁量権に逸脱しているかどうかという判断を、やはり裁判も頑張ってやっているわけですね。
だから、もう、マクリーンが変更されていませんとか先ほど大臣おっしゃいましたけれども、そういう発想じゃだめなんですよ。最高裁が動くかどうか、これは大事ですよ、それは司法の判断ですから。しかし、行政として、これから外国人の受入れの司令塔として大臣が働かれるわけですから、その司令塔として、やはり、マクリーンが変更されていないからそれでいいんですでは困るんです。今の国際の人権水準や、あるいは、まさに求められている水準にやはり大臣が立っていただかないと、半世紀前の古色蒼然とした裁量論から抜け出していただかないといけないと思うんですが、もう一度、大臣、この決意を。