法務委員会

2019-05-08 衆議院 全229発言

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会議録情報#0
令和元年五月八日(水曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 葉梨 康弘君
   理事 石原 宏高君 理事 田所 嘉徳君
   理事 平沢 勝栄君 理事 藤原  崇君
   理事 宮崎 政久君 理事 山尾志桜里君
   理事 浜地 雅一君
      赤澤 亮正君    井野 俊郎君
      奥野 信亮君    鬼木  誠君
      門山 宏哲君    上川 陽子君
      神谷  昇君    神田  裕君
      黄川田仁志君    国光あやの君
      小寺 裕雄君    小林 茂樹君
      高木  啓君    中曽根康隆君
      古川 禎久君    本田 太郎君
      和田 義明君    逢坂 誠二君
      黒岩 宇洋君    松田  功君
      松平 浩一君    山本和嘉子君
      源馬謙太郎君    津村 啓介君
      遠山 清彦君    藤野 保史君
      串田 誠一君    井出 庸生君
    …………………………………
   法務大臣         山下 貴司君
   法務副大臣        平口  洋君
   法務大臣政務官      門山 宏哲君
   衆議院庶務部長      花島 克臣君
   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      菅久 修一君
   政府参考人
   (個人情報保護委員会事務局次長)         福浦 裕介君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 赤澤 公省君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       西山 卓爾君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小野瀬 厚君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    小山 太士君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    名執 雅子君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    今福 章二君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁長官) 佐々木聖子君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 大鷹 正人君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 松浦 博司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           森  晃憲君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           小野  稔君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           成田 達治君
   政府参考人
   (観光庁審議官)     金井 昭彦君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    —————————————
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  門  博文君     小寺 裕雄君
  中曽根康隆君     本田 太郎君
  古川  康君     高木  啓君
  源馬謙太郎君     津村 啓介君
  串田 誠一君     杉本 和巳君
同日
 辞任         補欠選任
  小寺 裕雄君     神谷  昇君
  高木  啓君     古川  康君
  本田 太郎君     中曽根康隆君
  津村 啓介君     源馬謙太郎君
  杉本 和巳君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  神谷  昇君     門  博文君
    —————————————
五月七日
 戸籍法の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 戸籍法の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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葉梨康弘#1
○葉梨委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一君、個人情報保護委員会事務局次長福浦裕介君、総務省大臣官房審議官赤澤公省君、法務省大臣官房政策立案総括審議官西山卓爾君、法務省民事局長小野瀬厚君、法務省刑事局長小山太士君、法務省矯正局長名執雅子君、法務省保護局長今福章二君、出入国在留管理庁長官佐々木聖子君、外務省大臣官房審議官大鷹正人君、外務省大臣官房審議官松浦博司君、文部科学省大臣官房審議官森晃憲君、農林水産省大臣官房審議官小野稔君、経済産業省大臣官房審議官成田達治君及び観光庁審議官金井昭彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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葉梨康弘#2
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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葉梨康弘#3
○葉梨委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局人事局長堀田眞哉君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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葉梨康弘#4
○葉梨委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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葉梨康弘#5
○葉梨委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田所嘉徳君。
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田所嘉徳#6
○田所委員 茨城一区の田所嘉徳でございます。
 質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 まず、サービサー法につきまして、弁護士法の特例として制度が発足してから二十年が経過をして、さまざま与野党において改正の論議がされているということなので、質問をしようと思いましたが、大臣がまだ来ませんので、法曹養成制度についてまずお聞きをしたいと思っております。
 新制度につきましては他委員会に譲るといたしましても、法務委員会に適合するような、法曹養成制度について今聞いておかなくちゃならない、また発言しておかなくてはならないということで、質問をしていきたいと思います。
 これまで十五年間の経過を踏まえたわけでありますけれども、私は、そういう中で、法科大学院におけるプロセス教育というものは大変重要だろうというふうに思っております。その視点から質問をしていきたいと思っております。
 しかしながら、この法科大学院制度についてはさまざま批判もありまして、それはなぜそういう状況なのかということをまず聞いていきたいというふうに思っております。
 非常に志願者が減少している、激減しているということであります。これは、法科大学院、大きく法曹の需要が伸びるだろうということを見込んで、年間三千人の司法試験合格者を出し、法科大学院においては七、八割の合格ということを見込んで、そういったふれ込みでスタートしたわけであります。
 法科大学院は、年間百万円以上の学費を必要とするところも多く、また、既修者でも二年間を余分に必要とする。大きな負担がありますけれども、それを考慮してもなお魅力的に映ったんでしょう、たくさん応募者も殺到したわけであります。
 しかしながら、途中から、法曹の需要見込みは思ったほど伸びない、想定したほど伸びない、さらに弁護士も収入が低くて、三千人もの司法試験合格者を出すべきではないとの意見が台頭をしてきました。
 この目標は撤回をされ、そして合格率も当初と違って低迷をしている、入学者は千六百二十一人まで減少してしまったということであります。
 しかし、これはもう当初からわかったことだろう。七十四校で五千八百人も入れたわけでありますから、そもそもつくり過ぎたわけでありまして、目標の三千人も撤回したということで、公約は破綻したわけで、これでは若者が法曹への道を敬遠するのは当然だろうというふうに思っております。
 最初から制度設計、運用に問題があったのではないか、こういうふうに思いますが、これについてまず聞いておきたいと思います。
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西
西山卓爾#7
○西山政府参考人 まず、御指摘がございました法曹人口の関係でございますけれども、御指摘がございましたように、これは平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書でございますけれども、国民生活のさまざまな場面における法曹需要の高まりへの対応として法曹人口増大の必要性が指摘されまして、平成十四年三月の閣議決定において、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることが目標とされたところでございます。
 ところが、司法試験の合格者数は、平成二十二年以降も二千人程度にとどまりまして、年間合格者数三千人の目標が未達成であったことや、法曹有資格者の活動領域拡大はいまだ限定的であり、司法修習終了直後の弁護士未登録者数が増加傾向にあり、法律事務所への就職が困難な状況がうかがわれたことから、平成二十五年七月の法曹養成制度関係閣僚会議決定におきまして、司法試験の年間合格者数を三千人程度とするという目標は現実を欠くものとして、事実上撤回されたところでございます。
 次に、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度につきましては、制度発足時に法科大学院の参入を広く認めた結果、数多くの法科大学院が設置されて過大な定員規模となり、司法試験合格者数についても当初の目標が実現できない中、法科大学院修了者の合格率が全体として低迷する事態になったものと認識しております。
 そして、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定においては、「法科大学院全体としての司法試験合格率や、弁護士を含む法曹有資格者の活動の場の拡がりなどが、制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなり、法曹志望者の減少を招来する事態に陥っている。」というふうにされたところでございます。
 このように、司法試験の合格者数や弁護士の活動の場の広がりなどが結果として当初予想されていました状況と異なったものとなったということについては、非常に残念であるというふうには認識をしております。
 法務省といたしましては、これまでの経緯もしっかり受けとめつつ、法曹養成制度改革推進会議決定の内容を踏まえまして、関係機関等と連携して、現在国会に提出中の法案に加え、法曹有資格者の活動領域の拡大に向けた取組など、法曹志望者の回復に向けて必要な取組を引き続きしっかり進めていきたい、このように考えてございます。
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田所嘉徳#8
○田所委員 法曹の需要見込みにつきましても、精緻な積み上げがされたわけではなくて、外国、全く土壌が違うところとの比較とか、そういった点で曖昧でありましたし、そもそも設置認可等について不適切な数だったということで、当然の帰結ということは今表明されたとおりだと思います。
 そういう中で、法科大学院の教育あるいは運用でも、これは反省すべき点が多いというふうに思っております。学校自体に司法試験に合格させるような教育のノウハウがなかったということだろうと思いますし、この法科大学院の急増に対応して、指導教員を裁判官や検察官の派遣によって充足させたということであります。
 さらに、司法試験対策になるような勉強を教えてはならないともとれるような、そういう指導を文科省もしておりました。そういったことから、司法試験合格者が低迷するのも当然だったということであります。
 そして、合格低迷さらには志願者の激減で批判されたことから、文科省では、途中から、合格率による公的支援の見直しを行いました。現実的な法科大学院の淘汰を始めたということになるわけであります。定員五千八百人だったものが二千二百人まで、七十四校が半分以下の三十六校ということにしてきたわけでありますけれども、これは非常に設置者に対しても、大変損害を与えるようなものだったろうというふうに思います。
 さらに、学生に対してでありますが、GPAの導入などによって進級判定や修了認定の要件を厳格化しました。最近では、標準修了年限を超えても三分の一が修了できないという大変厳しい状況です。このような実施が法科大学院離れに更に拍車をかけたということだろうというふうに思っております。
 このような未熟な指導体制、急激な方針変更、迷走が、法科大学院設置者とそこに在籍した学生に大きな損害、迷惑を及ぼしたわけでありますが、それらを踏まえて、法曹養成に特化した専門職大学院の教育の充実について、また、このように原級留置や退学者の割合が増大している状況をどのように捉えているのか、お聞きをしたいと思います。
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森晃憲#9
○森政府参考人 法科大学院の教育についてのお尋ねでございますけれども、法科大学院におきましては、平成十六年度に制度が創設された当初から、厳格な成績評価及び修了の認定を行うことが法律上規定され、平成二十一年には中央教育審議会において厳格な成績評価や修了認定の徹底が打ち出されたこともあり、御指摘のように、原級留置や退学等の理由で標準修業年限で修了できない者の割合は増加傾向となってございます。
 プロセスとしての法曹養成の中核である法科大学院におきましては、その教育の課程において厳格な成績評価や修了認定が行われることは必要であると考えておりますけれども、学生の状況に応じたきめ細やかな指導が重要でございまして、適切な運用を担保するため、現在国会で御審議いただいております法科大学院改革に係る法案におきましては、成績評価や修了認定の基準やその実施状況の公表を義務づけることとしております。
 また、法科大学院は法曹養成に特化した専門職大学院でございまして、その課程の修了者等に司法試験の受験資格が与えられるという特別な役割を有しています。このような位置づけを踏まえ、司法試験で問われる学識等を身につけさせることは法科大学院の本来的な役割でございまして、先ほど申し上げた法案においては、法科大学院においてそのような学識等を涵養すべきことを明確化することとしております。
 こうした法改正を踏まえた法科大学院のカリキュラムのあり方については、今後さらに、中央教育審議会においてしっかりと検討してまいりたいと考えております。
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田所嘉徳#10
○田所委員 法科大学院の志願者が減少している背景には、予備試験から司法試験を受け、合格する者が増加しているということがあります。これが、法科大学院の合格者低迷と志願者減少に直結しているわけであります。
 予備試験は、経済的に恵まれない者にも司法試験受験の機会を与えるべきであるという発想のもとに設置されましたけれども、しかし、所得証明等で判断するなんということでもなく、単なる法科大学院ルート以外の、費用と時間を回避できる別ルートとしての位置づけになってしまったのではないかというふうに思っております。
 それに対して、難関である予備試験を通ることにはそれだけで意味があって必要性が高いと評価する意見がありますが、それは私は、法科大学院のプロセス教育の重要性を理解しないものであるというふうに思っております。予備試験に行く人こそ、しっかりそのままプロセス教育を受けるべき人材であるというふうに思っております。法科大学院から途中に、そちらに移っていく人も多いわけであります。
 そういうことを考えれば、この予備試験というものが、まさにしっかりとした、すぐれた法曹をつくるために、別ルートとして大きくなったところに、この一貫教育を阻害する要因があったと思うんですが、それに対する意見をお聞きしたいというふうに思います。
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西
西山卓爾#11
○西山政府参考人 委員御指摘のとおり、現行の法曹養成制度は法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成を理念とするものでございまして、質、量ともに豊かな法曹を養成するため、このようなプロセスとしての法曹養成制度を引き続き実施していくことは重要であるということは認識してございます。
 他方、予備試験制度につきましては、法曹養成制度改革推進会議決定でも述べられているとおり、経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための道を確保するためのものと位置づけられておりまして、現在においても、そのような法曹資格取得のための道を確保する必要があり、予備試験制度は必要であると考えております。
 もっとも、推進会議決定におきましては、予備試験につきまして、出願時の申告によれば毎年の予備試験受験者の過半数を占める無職、会社員、公務員等といった者については、予備試験が本来の制度趣旨に沿った機能を果たしていると考えられるとする一方で、予備試験受験者の半数近くを法科大学院生や大学生が占める上、予備試験合格者の多くが法科大学院在学中の者や大学在学中の者であるといった状況から、制度創設の趣旨と現在の利用状況が乖離しているとの指摘があるというふうにされたところでございます。
 これらを踏まえ、推進会議決定におきましては、法科大学院集中改革の進捗状況に合わせて、法務省において必要な制度的措置を講ずることを検討することとされております。
 法務省としましては、まず、今般の法科大学院改革を、文部科学省と十分に連携しつつ、しっかりと進めることが最優先と考えておりまして、予備試験につきましては、かかる改革の実施状況等を踏まえ、また、文部科学省を始めとする関係機関の意見も聞きながら必要な検討を行ってまいりたい、このように考えてございます。
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田所嘉徳#12
○田所委員 よろしくお願いいたします。
 山下大臣、お戻りになりましたので、サービサーについて質問したいと思います。
 この委員会でも、先日、民事執行法の改正について審議をされました。可決されたところであります。同様に、適切な債権回収というものは大きな意味を持っております。
 そういう中で、サービサー法が、弁護士法の特例として発足以来二十年が経過して、さらなる充実を期して法改正がされようとしております。心配した債権回収という大変難しいことにおいて、非常に大きな役割を果たしてきました。
 そういう中で、今後、金融機関貸付債権の回収が中心だったものを、電気やガスなどの公共料金の滞納も対象とするなどの案が検討され、議員立法という形で提案されると聞いています。このような機能拡大には、取立てに当たっての弊害が生じないような新たな規律を定めるなど、いろいろな対応も必要だろうと思っております。
 与野党において手続を進めていることについてどのように考えているのか、あわせて、これまでの債権回収の状況の評価についても山下大臣にお伺いをしたいと思います。
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山下貴司#13
○山下国務大臣 まず、参議院本会議のため、この委員会に遅参いたしましたこと、委員長、そして田所委員、そして委員の皆様におわび申し上げます。
 そして、お尋ねですが、サービサー法改正の動きについては承知しておるところでございます。もっとも、御指摘のサービサー法改正案は議員立法によって検討が進められるところでございまして、現在、与野党において、法改正に向けて具体的内容等についての協議、調整が行われている状況と承知しておりまして、法務省としては、議員立法による検討状況をまずは見守りたいと考えております。
 サービサーによる債権回収の現状に関する評価でございますが、サービサー制度は、金融機関の不良債権処理のための特例的制度として平成十一年に運用がスタートしたところ、当時の金融危機の状況下における不良債権処理の担い手として重要な役割を果たしてきたと認識しております。近年でも、全国で八十社近いサービサーが営業を継続し、サービサー全体の取扱債権数は増加傾向にあるなど、新たな不良債権の発生も依然として相当規模で続いている中では、今後も当分の間は、不良債権処理の分野においてサービサーに期待される役割の重要性は変わらないものと考えております。
 また、サービサーによる債権回収については、サービサー法によって行為規制が厳格になされており、これまでサービサーが違法な方法により債権回収を行った事例は法務省において把握しておりませず、サービサーの業務の適正さは引き続き確保されているものと認識しております。
 サービサー制度を所管する法務省の立場からは、今後とも、不良債権処理の分野で培われてきたサービサーの経験や信頼が適切に活用されることが望ましいものと考えております。
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田所嘉徳#14
○田所委員 大臣、ありがとうございました。
 経営難に陥った企業の再建を支援するなどの新たな分野での活躍というものも求められております。そういったことに対するしっかりとした対応も考慮していただきたいということで、サービサーの質問はこれで終わりたいと思います。
 次に、国際司法。
 我が国は、物づくり技術において世界をリードして外貨を稼いで、経済を支えてきました。しかし、司法の分野においては国際競争力は高いとは言えないのであって、ここ十数年に日本企業がアメリカや欧州、中国で科された制裁金や集団訴訟で支払った和解金は数千億にも上るという数字もあります。また、日本企業のリーガルサービスへの支払いも巨額であります。
 企業の国際取引における紛争の解決手段として国際仲裁制度も活用されておりますが、これらもシンガポールや香港の十分の一にも満たないという状況で、国際舞台で活躍できるような法曹の養成が急務でありますが、これらについてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
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山下貴司#15
○山下国務大臣 御指摘の観点から、今後、外国法や外国語にも精通し、国際的な分野に幅広く対応できる多様かつ専門的な法曹人材を養成し、その専門性が有効に活用されていくことは重要であると認識しております。
 取組につきましては、法科大学院において、例えば、実際の国際仲裁の紛争事例を題材に用いた授業を開講することであるとか、司法試験において国際関係法を論文式試験の選択科目として設けているほか、司法修習において、選択型実務修習の中で国際的視座を身につける一助となるプログラムを組まれているということでございます。
 また、この法曹養成課程にある者各自の自己研さんや経験の蓄積等を行っていくことも重要であると考えておりますが、法務省としては、日本企業の海外展開を支援し、国際的法曹人材の活躍にも資する観点から、東南アジア諸国に法曹あるいは弁護士を派遣し、現地の法律の運用や法的問題の実情等の調査を行い、その結果を公表するなどしているところであります。
 法務省としては、国際的な紛争の解決にかかわる人材も含め、優秀かつ多様な法曹人材を数多く輩出できるよう、文部科学省等と連携して必要な取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
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田所嘉徳#16
○田所委員 わかりました。
 続けて、経済取引のグローバル化や対日投資を呼び込むために司法の国際化が必要でありまして、そういう中にあって日本法令の外国語訳整備が大変重要であります。将来ビジョンを議論する有識者会議もできたと聞いておりますが、これらをしっかりと推進してもらいたいというふうに思っております。
 最後に一つ述べて終わります。
 法科大学院修了生をどう活用していくかということであります。
 専門職の法務博士の学位が与えられることは大変私は大きな意味があると思っておりますが、これが広く理解されて評価されるような状況にはなっておりません。
 国会議員の政策秘書の選考採用審査認定の要件として各種国家資格の取得者が該当しておりますが、法務博士、専門職は含まれておりません。まさに立法府にあって大きな役割を果たす政策秘書であることから、法務博士をその要件として積極的に活用することが大変重要であると思っておりますので、今後の課題として、皆さんもよく理解をしてもらいたいというふうに思っています。
 以上です。
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葉梨康弘#17
○葉梨委員長 以上で田所嘉徳君の質疑は終了いたしました。
 次に、遠山清彦君。
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遠山清彦#18
○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。
 山下法務大臣、きょうは、小出しではなくてまとめて、持ち時間を全部使って、死刑制度の存廃問題について質疑をさせていただきたいと思います。答えづらい質問もあろうかと思いますが、よろしくお願いをいたします。
 山下法務大臣の死刑制度に対する公式見解というか答弁は、既に本年三月八日の当委員会での私への答弁で理解をしております。念のために当時の答弁を引用させていただきたいと思いますが、大臣はこうおっしゃっております。「死刑制度について、国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たないという状況等に鑑みると、その罪責が著しく重大であって凶悪な犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないというふうに考えておりますし、死刑を廃止するということは適当ではない」という御答弁でございました。
 きょうは配付資料を二枚だけ配らせていただいておりますが、資料の一を見ていただきたいと思います。
 これは一種の目次となっておりますけれども、これは、今、超党派で、特に立憲民主党の先生方に多数入っていただいている死刑制度の今後を考える議連で、私は幹事長をしておりますが、そこの勉強会で国立国会図書館に依頼をして、わかりやすくまとめていただいたものでございます。
 1が「死刑廃止論の主な論拠」ということで、七項目挙がっております。2が「死刑存置論の主な論拠」ということで、六つの論点が紹介をされているわけでございます。
 この2の死刑存置論、日本の政府はこの立場をとっているわけでございますが、この論拠を見ていただきますと、大臣の、先ほど引用させていただいた答弁は、この資料一のペーパーに即して申し上げれば、(1)、(2)、(4)の論点に言及をして、それを根拠として形成されている答弁だというふうに理解をしております。
 つまり、日本の政府あるいは法務省としては、世論調査を尊重している、そこで示されている国民の一般的な法確信として死刑制度を支持しているということを根拠とし、また、死刑でしか償えない著しく重大な凶悪犯罪が、残念ながらと言った方がいいかもしれませんが、日本で起こっているというところから存置するのだと言っていると理解をしておりますが、これでまず、間違いないでしょうか。大臣に確認をいたしたいと思います。
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山下貴司#19
○山下国務大臣 私の死刑制度についての見解につきましては、先ほど委員が読み上げられた見解に尽きておるところでございます。
 他方で、委員お示しの国立国会図書館取りまとめによる資料につきましては、国立国会図書館はこういう論点で取りまとめをしているということであろうというふうに認識いたしましたが、内容の詳細が記載されていないため、これこれこれに限るのかというお尋ねに対しては、ちょっと一概にお答えすることは困難であるということで御理解賜れればと思います。
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遠山清彦#20
○遠山委員 大臣、わかりました。
 それで、次の質問は、この配付資料の一の2のところで、(3)のところを見ていただきたいと思います。「最高裁判所は、死刑は合憲であると判断している」と端的に書かれているところでございますが、この中身については、一応、資料の二ということでつけさせていただいております。
 もちろん、判決文のこれは抜粋になっているわけでございますが、死刑制度の存廃の議論を勉強しておりますと必ず、この昭和二十三年三月十二日大法廷判決、最高裁の、死刑は合憲であると判断した判決が出てくるわけでございますが、法務大臣の先ほど私が引用させていただいた答弁、これは過去の法務大臣の答弁もほぼ一緒だと思いますが、ここにはこの昭和二十三年の最高裁の判決は言及されていないわけでございますが、なぜこの最高裁判決を死刑制度存置の根拠として大臣は挙げられていないのか、その理由があればお示しをいただければと思います。
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山下貴司#21
○山下国務大臣 お答えいたします。
 恐縮でございますが、先般の法務委員会での御質問が死刑制度の合憲性について直接尋ねられたものではなかったため、御指摘の最高裁大法廷判決を明示しなかったものでございますけれども、死刑を廃止することは適切ではないと判断する上で、そもそも死刑制度が合憲であるということは当然の前提であるということで認識しておるところでございます。
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遠山清彦#22
○遠山委員 わかりました。
 それでは、この配付資料の二をちょっと見ていただきたいと思いますが、私の方で下線をつけたところが二カ所ございます。最初の下線のところをちょっと見ていただきたいと思います。読ませていただきます。「憲法第三十一条によれば、国民個人の生命の尊貴といえども、法律の定める適理の手続によつて、これを奪う刑罰を科せられることが、明かに定められている。」。
 ちょっとここで一回切りますが、これはもう大臣御承知のとおり、憲法第三十一条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」という憲法規定があるわけでございまして、これを逆から読めば、法律で定められた手続があれば死刑は合憲であると読めるわけでございまして、ここを言っているわけでございます。
 その後、またこちらの下線に戻りますが、「すなわち憲法は、現代多数の文化国家におけると同様に、刑罰として死刑の存置を想定し、これを是認したものと解すべきである。」、こういう昭和二十三年の判決文になっております。
 私は立法府の一員として当然に最高裁の判決を尊重する姿勢を持っているわけでございますが、ただ、この判決文を今改めて読み直しますと、憲法制定から七十一年が経過する中で、特にこの、今引用したところの後段のところにあります「現代多数の文化国家におけると同様に、」というところは、これは大きく変化をしているわけでございます。私、その昭和二十三年の段階で、世界各国どれぐらいの数が死刑を存置していて、廃止しているのか、データを持っておりませんが、ヨーロッパ諸国等の歴史を少し見てみても、昭和二十三年以降に死刑制度を廃止したところが多いわけでございます。
 単刀直入に申し上げれば、先般の私と大臣のやりとりでも申し上げましたように、現在、二十一世紀の今日では、現代多数の文化国家が死刑制度を廃止又は停止しているのが現状でございます。
 アムネスティ・インターナショナルの調べでは、世界百九十四カ国・地域のうち百四十二カ国・地域で、死刑制度は廃止あるいは停止をされているわけでございまして、そうしますと、私ごとき者が最高裁の判決を批判する立場にないことは重々承知の上で申し上げますが、少なくとも、この二十三年の判決で結論を補強するためとして引用されていることだと思いますが、今日では現代多数の文化国家は死刑を廃止しているわけでございますから、これを引用して補強することはできない考え方だというふうに私は思っておりますが、この点について大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
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山下貴司#23
○山下国務大臣 お答えいたします。
 まず、御指摘の判決以降も死刑制度の合憲性が争われた事件がございますが、近時の最高裁判所判決においても、死刑制度は憲法の規定に違反しないと判示されているところでございます。
 例えば、最高裁判所、平成三十一年二月十二日、第三小法廷判決におきまして、「死刑制度に関して憲法十三条、三十一条、三十六条違反をいう点は、死刑制度が憲法のこれらの規定に違反しないことは当裁判所の判例とするところであるから、理由がなく、」ということで判断が示されておるところでございまして、依然、そういった最高裁判所の合憲判断というものは維持されているというふうに考えております。
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遠山清彦#24
○遠山委員 大臣のお立場でそういう御答弁をされたことは理解をいたしますが、私の問題意識というのは、時代の変遷に伴って国際社会とか国内社会の環境が変化をしたり、思想、思潮も変わってくるわけでございまして、それに応じて日本においても司法の判断あるいは法律も変えてきた歴史が、裁判所の歴史にもありますし、立法府の歴史にもあるわけでございまして、そういった観点から、今、一部指摘をさせていただきました。
 次に、資料二の二番目に下線を引いたところをちょっと見ていただきたいと思います。答弁は、政府参考人、矯正局長からいただきたいと思います。
 今大臣の御答弁にありました憲法の第三十六条、これは、ちょっと読みますと、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」というのが憲法第三十六条の規定でございます。
 そこで、日本において死刑制度を議論すると必ず問題になるのは、今、日本で死刑執行の方法として行われている絞首刑が、憲法第三十六条が絶対的に禁じている残虐な刑罰に当たるのか当たらないかというところでございます。
 昭和二十三年の判決の二つ目の下線部をちょっと読みたいと思いますが、「刑罰としての死刑そのものが、一般に直ちに同条にいわゆる残虐な刑罰に該当するとは考えられない。ただ死刑といえども、他の刑罰の場合におけると同様に、その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、勿論これを残虐な刑罰といわねばならぬから、将来若し死刑について火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑のごとき残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそは、まさに憲法第三十六条に違反するものというべきである。」、こういう判決になっているわけでございます。
 これは、一般論としては、死刑は直ちに憲法が禁ずる残虐な刑罰に該当しないとしつつも、火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでなどの方法による死刑は憲法が禁ずる残虐な刑罰に当たるという司法判断を示しているということでございます。
 そうすると、言いかえると、現在の日本の死刑の執行方法として規定されている絞首刑は残虐な刑罰に当たらないと司法が判断していると解釈できるわけでございますが、そこで、矯正局長に伺いますが、この現在の日本の絞首刑、死刑の執行方法としての絞首刑を規定した法律はどういうものなのか、また、その法律の概要についても御説明をいただきたいと思います。
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名執雅子#25
○名執政府参考人 絞首刑の執行方法につきましては、法律と同一の効力を有するものとして存続しております明治六年太政官布告第六十五号、絞罪器械図式で定められております。
 絞罪器械図式には、死刑執行に関する事項といたしまして、被執行者の首に縄を巻き、その縄を上方に固定し、本人が立っている場所の床面を開くことにより、本人の体の重みにより絞首するといった執行方法が定められております。
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遠山清彦#26
○遠山委員 今局長の御答弁にありましたように、現在、二十一世紀に入って約二十年近い今日で、日本における死刑の執行方法の根拠になっている、法律と同一の効力を有する文書ということで、今示されたのが、明治六年太政官布告第六十五号、絞罪器械図式というものだということでございます。
 非常に古い、法律ではなくて、法律と同一の効力を持つ文書ということなわけでございますが、当然、この太政官布告が布告された明治六年には大日本帝国憲法も未制定でありました。これが現在の戦後の日本国憲法下でも有効な法律と同一の効力を有する文書と認められている理由について、局長、御説明をいただきたいと思います。
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名執雅子#27
○名執政府参考人 絞罪器械図式が現行憲法下においても法律と同一の効力を有するものとして存続しておりますことは、昭和三十六年の最高裁大法廷判決において示されております。
 同判決によれば、まず、旧憲法下におきましても死刑のような重大な刑の執行方法に関する基本的事項は法律事項に該当すると解するのが相当であり、絞罪器械図式は旧憲法下において既に法律としての効力を有していたものと解するのが相当であるとされております。その上で、現行憲法下においても死刑の執行方法に関する基本的事項は法律事項に該当するものと言うべきであり、絞罪器械図式が廃止され又は失効したと認めるべき法的根拠は何ら存在しないことから、絞罪器械図式は現行憲法下においても法律と同一の効力を有するものとして存続しているとされております。
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遠山清彦#28
○遠山委員 そうすると、この絞罪器械図式というのが明治六年に布告されて、その後、きのう法務省の方からちょっと教えていただきましたが、明治十三年に一番古い近代刑法が日本で制定された。その明治十三年以降の旧刑法のもとでもこのやり方で絞首刑が執行され、その後、明治四十一年に今の刑法ができて、今の刑法の第十一条一項で死刑の方法として絞首が定められていて執行されてきた。それは前の大日本帝国憲法下で有効であって、それが有効でないという法的根拠が戦後もないので今も有効だというふうにしているということでございます。
 そうすると、いずれにしても司法の判断としては、繰り返しになりますが、火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでなどは憲法第三十六条が絶対的に禁じている残虐な刑罰になるけれども、この明治六年に定められた方法で行う絞首刑は合憲だという区別がされているということなんですが、これは実は先ほど冒頭に私が引用した昭和二十三年の判決の後段の下線部にも書いてあるんですが、「その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、」云々と言われているんですね。
 だから、私は二十一世紀に生きておりますので、二十一世紀に生きている時代と環境と考え方の目から見て、先ほど局長が御説明になった絞首刑が憲法が禁じている残虐な刑罰に本当に当たらないのかどうかというのは再考する余地があるんではないかと個人的には思っております。
 そこで、ちょっときょうはもう時間がないので最後の質問になろうかと思いますが、残りはまた来週やりますが、これは、火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでは残虐な死刑のやり方で、絞首刑はそうではないという区別がされているんですが、これについて法務省として医学的根拠は明確にあると考えられているのか。つまり、言いかえると、医学的に見て残虐かどうかということについて検証されたことはあるんでしょうか、絞首刑が。
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名執雅子#29
○名執政府参考人 現在の絞首刑の執行方法につきましては、昭和三十年の最高裁判決におきまして、「現在わが国の採用している絞首方法が他の方法に比して特に人道上残虐であるとする理由は認められない。」として、残虐な刑罰を禁止する憲法三十六条には反しないとされております。
 また、平成二十五年の大阪高裁判決におきましては、法医学者の証言、鑑定書を踏まえ、手順が適切になされた場合には、受刑者は、死刑の執行開始から意識を消失するまでの間に、一定程度の精神的、肉体的苦痛を感じることは避けがたいとしても、その時間は比較的短時間にとどまり、頭部離脱等の重大な身体損傷は生じないものと考えられることから、刑の執行方法として、残虐と評価できるほどに、受刑者に不必要な精神的、肉体的苦痛を与え、あるいは、重大な身体損傷を生じさせる危険性が高い執行方法であるということはできないとされていると承知しております。
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