重徳和彦の発言 (本会議)
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○重徳和彦君 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。(拍手)
連日、登壇の機会をいただき、ありがとうございます。
我が国は、国土の七割を森林が占めており、日本人は古来より、山の神々をあがめ、畏敬の念を抱きながら、山林、川、里、そして海へと連なる自然の恵みを享受し、木材を燃料や建材に使いながら農耕を営み、国土の隅々まで村落を発展させてきました。
森林は日本の成り立ちそのものです。森林資源を適切に管理し利用するのは日本人の英知そのものであります。
しかし、戦後の経済成長に伴う人口移動と都市型のライフスタイルの定着に伴い、私たちは、そうした成り立ちや、国土を守り継ぐ重要性を忘れつつあるのではないかと危惧しております。
森林環境税は、森林資源管理の財源であるだけでなく、税を通じて、都市住民も含む全ての国民に森林の恩恵と国土の保全への理解を広げるものであり、日本の国益に資する重要な施策だと考えますが、安倍総理の認識を伺います。
国土の保全といえば、我が国の土地所有の現状も危惧されます。
我が国の国境離島や北海道の過疎地、山林、農地、水源地などが外国資本に買収されています。国家の基本である国土に係る権利を、自由に外国人や外国資本に委ねることを容認し続けざるを得ない原因は、法律の不備と、長年積み重ねてきた各種の国際協定における土地取得に関する内国民待遇義務にあると言われています。
このままでは、国防はもちろん、食料や水資源といった日本人の生存にもかかわる安全保障上の致命的な問題になりかねません。
法的な課題を乗り越え、国際交渉においても強い意思を持って取り組む必要があります。この問題に対する安倍総理の認識をお尋ねいたします。
冒頭に申し上げたとおり、森林環境税は、我が国の国益に資する重要な制度と認識していますが、その制度設計については、幾つか疑問点や確認しておかなければならない点があります。
まず、森林環境税の導入時期についてです。
この四月から、市町村による新たな森林経営管理制度が始まります。本来、森林環境税は、この制度とセットでスタートさせ、国民の皆様に受益と負担の納得感ある制度とすべきなのに、何の関係もない個人住民税均等割千円上乗せの終了時期まで五年待ち、その間は税収を前借りする形で財源調達する方式をとることには疑問を感じます。余計な金利もかかるでしょう。国民の理解をいただき、少しでも早く森林環境税をスタートさせるのが筋ではないでしょうか。安倍総理の見解を問います。
次に、森林環境税の徴収方法についてお尋ねします。
国税を市町村が徴収する仕組みをとる税目は、森林環境税と、同じく本議題に上がっている特別法人事業税の二つだけです。税務上の効率性は上がるかもしれませんが、納税者にとって納税先が不分明となります。
このように国税を国にかわって市町村が徴収することをどのように合理的に説明するのですか。お答えください。
次に、森林環境税の交付基準についてお尋ねします。
森林環境税の市区町村への交付基準は、私有林人工林面積五〇%、林業就業者数二〇%のほか、人口三〇%とされています。
このため、例えば、東京二十三区の森林はゼロですが、人口が九百二十七万人もありますので、試算したところ、計三億六千万円ほど交付されることになります。
私の地元、森林が市域の六割を占め、私有林人工林が一万二千ヘクタールの愛知県岡崎市は三千二百万円ほどになり、人口九十万人の世田谷区は三千四百万円となり、こちらの方が多くなる計算になります。
今回の森林環境税は、都市住民にも森林保全への御負担を理解いただくものであり、地元への財源の還元をもって理解を得るものではないはずです。だからこそ、地方税でなく国税と位置づけているのでしょう。
人口割を三〇%とする趣旨を御説明ください。
次に、森林環境税の使途についてお尋ねします。
川下の都市部の自治体であっても、森林環境税の使途は、森林整備を目的とする事業に充てられることになります。
川上の木材供給地域からすれば、都市部で木材利用が促進され、販路が拡大することは重要なことですが、県と比べてエリアの狭い市区町村が川上、川下でうまく連携できるか心配です。
政策目的に沿った使途をどう担保するのでしょうか。また、外国産の木材利用に充てることは明確に禁ずるべきではないですか。答弁をお願いします。
また、森林環境税は市町村譲与税として各市町村に交付されますが、譲与税は一般財源であっても、森林経営管理法による新たな財政需要に充てるものであって、譲与税が入ってきても、その分地方交付税は減らされることにはならないと考えてよろしいか、確認を求めます。
次に、ふるさと納税について質問します。
今回の改正により、過度に高額な返礼品競争を避けるため、返礼品は、返礼割合を三割以下とし、地場産品とすることが要件とされます。
私は、今回の要件厳格化を通じ、ふるさと納税の本来の制度目的に合致した地域の創意工夫が生まれることを期待しています。
今後は、どこでも使える単なる金券は返礼品として認められなくなりますが、例えば、当該地元の地場産品購入に限定した地域通貨や、当該地元のおもてなしを含む体験型周遊ツアーの旅行券などは、返礼割合が三割以下であれば認められるべきと考えますが、具体的なルール運用をどのように検討しているのでしょうか。
最後に、地方法人課税による新たな偏在是正措置について質問します。
今回の改正により、法人事業税の三割を特別法人事業税へと国税化し、国が一旦吸い上げて、県内総生産の分布に合うように配分するルールとなります。
企業の本社機能が都内に集中している上に、企業組織の分社化や電子商取引の進展等により、地方法人税収の東京一極集中は強まる傾向にあり、地方が企業を誘致しても税収がなかなか増加しないという背景はわかりますが、地方税を国税化して国が再分配するやり方は、いかにも中央集権的です。
現行の分割基準を変更し、例えば、小売業チェーンについては利益でなく売上げに着目した基準にするとか、IT企業へのデジタル国際課税の議論を参考に、都道府県ごとのIPアドレス利用や付加価値を積算するなど、新たな課税の仕組みを検討してはどうでしょうか。
また、法人事業税の三割を恒久的に国税とするならば、これを特別法人事業税としてではなく、正規の国税の法人税とし、その分、消費税を地方税源とする税源交換を進めるべきではないでしょうか。地方税源の強化こそ、地方自治の体制強化につながります。総理の見解を伺います。
以上で質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕