山花郁夫の発言 (本会議)
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○山花郁夫君 立憲民主党・無所属フォーラムの山花郁夫でございます。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案等四法案につきまして、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案に賛成、その他の三の法律案については反対の立場から討論をいたします。(拍手)
本年十月に消費税率を一〇%に引き上げることが閣議決定されております。一月三十日の本会議で枝野代表の質問でも触れておりますけれども、今取り組むべき政治の課題は、暮らしの下支えと将来不安の緩和に向けた政策を進めることにより消費を回復させることであり、とても消費税を引き上げる環境にはないというのが私どもの認識です。
平成三十一年度地方財政計画は、消費税率一〇%への引上げを前提として策定されたものであり、今回の地方交付税法改正案は、このような地方財政計画に基づいて立案されたものであるから反対するものであります。
消費税の引上げには反対という前提を置かせていただきますけれども、そもそも、消費税を五%から一〇%に引き上げる際、国と地方の配分割合については、四回の分科会を開いた上で、平成二十三年十二月二十九日に、国と地方の協議の場における協議の結果、社会保障の充実分に係る国と地方の役割分担に応じて、国分を三・四六%、地方分を一・五四%としたという経緯がございます。
この役割分担を決定するに際しては、増収分に係る地方の取り分をできるだけ多くするというために、地方単独事業が広くその対象に加えられました。
地域主権のあり方、地方自治のあるべき方向性を国と自治体が対等な立場で議論し合い、結論を得るという極めて真っ当なプロセスが、総理が悪夢と呼ぶ時代にはしっかりと行われていたということを、ここで改めて確認をしたいと思います。
ところが、あろうことか、平成三十一年度地方財政計画には、消費税の引上げに合わせて実施される幼児教育の無償化のための財源措置が盛り込まれております。
この幼児教育の無償化は、地方への事前協議もないままに、政府が一方的に決定し、地方に押しつけたものであります。地方の側から求めたものではなく、国が決めたことですから、全額国費で賄われるのが本来の筋合いである、市長会はこのように主張しておりましたが、極めて当然のことではないでしょうか。
にもかかわらず、平成三十一年度分だけ国が全額負担しますが、平成三十二年度からは、おおむね都道府県が四分の一、市町村が四分の一を負担することとされました。
平成二十三年に国と地方が消費税の割合について合意をした時点では、当然、今回の無償化が前提とされているはずは全くありませんから、もともとは地方単独事業に使えるはずであった地方の増収分の多くは、幼児教育の無償化のための財源に消えることになってしまいます。
ところで、格差の是正ということは、ひとり国だけが行うものではありません。私が住んでいる調布市では、住民税非課税世帯を始め、保育料をゼロ円とする施策は既に実施をされております。
所得割税額の世帯の階層区分を細かく決めております。二十六の階層に料金を区分しておりまして、世帯の所得割税額が九十万円を超える、つまり一番所得が高い二十六番目の階層には、ゼロから二歳児クラスの標準時間で月額五万九千九百円の保育料と定めています。このような取組は決して珍しいことではなく、多くの自治体で取り組まれておりますので、議場にいる議員の皆様の御地元でも、多くの自治体で取り組まれているのではないでしょうか。
幼児教育の無償化は、担税力のある世帯には応分の負担を、なかなか生活が厳しいという御家庭には保育料を徴収しないという、いわば自治体による格差是正策でありますけれども、今回の無償化は、いわばこうした自治体による格差是正策を国が逆の方向に上書きをしてしまうという政策であるということも指摘をしなければならないと思います。
無償化よりも全入を優先すべきです。同じお金を使うのであれば、まずは待機児童問題に集中投資をし、これを解消することが先に行われなければならない政策のはずであると私どもは考えます。
さて、今回の特別法人事業税及び譲与税法案は、地方税を国税化する、つまり地方の取り分を国の取り分にしてしまいます。地方交付税や地方譲与税で配り直すものであります。このことは、地方の自主財源を縮小させることとなりますから、地方の自立と活性化を目指す地方分権には逆行するものではないでしょうか。
また、地方交付税の不交付団体への譲与額の七五%は譲与されない。つまり、不交付団体は国から取られた分の二五%しか返ってきません。これは、頑張って地方交付税の不交付団体になろうとしても、せっかく不交付団体になると大損をしてしまうことになります。これでは、みずからが地域経済を活性化させて税収をふやして、交付団体から不交付団体へと脱却しようとする自治体のインセンティブを阻害する仕組みと言わなければなりません。
さらには、法人事業税課税の根拠というのは、法人が事業活動を行うに当たって、都道府県の行政サービスの提供を受けていることから、これに必要な経費を分担すべきという、いわば応益負担の考え方によるものです。そして、これを税源の状況を示す客観的な基準によって配分するというのが制度本来のあり方のはずです。にもかかわらず、今回の特別地方譲与税は、法人の事業活動には対応しない、人口という基準によって配分するという、税法のセオリーからいっても極めて不自然なものと言わなければなりません。
偏在是正の取組は、このような小手先の見直しではなくて、消費税における地方分のさらなる見直しも含めて、税制の抜本的な改革によって行われるべきであります。
かつて地方公共団体は、国の下部機関としての位置づけ、すなわち、機関委任事務を担わされていた時代がありました。しかし、一九九九年、地方分権一括法によって機関委任事務は廃止をされて、国と地方は対等な関係として、法定受託事務というものが創設をされたのです。その際、地方分権推進委員会は、むやみに国が法定受託事務を創設することのないよう、法定受託事務についてはカテゴリーというものを示しています。
法定受託事務というのは、国が対等な立場である地方に対してお願いをする筋合いのものであります。自衛隊法九十七条、同法施行令百二十条は法定受託事務のはずです。自衛官のポスターを役場の告知板に張るのは、ここにいう事務の一つでありましょうし、募集対象年齢の住民人口が我が町にはこれだけいますというような統計的なものの提供は、資料の提供に当たると言えましょう。
しかし、条文上、明確に個人情報を紙か電子媒体にして名簿で提供しなければならないとは定められておりません。むしろ、個人情報保護条例に照らして、そのような形では提供できないという自治体の主張の方に分があると言わざるを得ません。
まさかとは思いますが、総理はいまだに地方公共団体は国の下部機関だと誤解されているのではないでしょうか。もし誤解していないということであれば、あたかも前世紀に既に廃止をされている機関委任事務をほうふつとさせるような、協力を拒否している悲しい実態があるなどという非難めいたせりふは、自治体に対して極めて失礼な発言であり、撤回されるべきだということを申し上げまして、私の討論といたします。(拍手)