岩屋毅の発言 (本会議)
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○国務大臣(岩屋毅君) 下条みつ議員にお答えいたします。
長期契約による縮減効果の比較や公表の仕方についてお尋ねがありました。
自衛隊が使用する装備品につきましては、各装備品ごとに製造に要する期間が異なることから、長期契約を適用する場合の縮減額の算定に当たりまして、一律に五年の製造期間の場合と比較することは困難だと考えております。
このため、長期契約の縮減効果の比較対象としては、各装備品を従来どおりのやり方で調達する場合の経費と比較することが最も明瞭な算定方法であると考えているところであります。
また、長期契約の対象となる個々の事業につきましては、長期契約法第三条の規定の趣旨を踏まえ、長期契約によらずして調達した場合に見込まれる経費の額と長期契約により調達することによって縮減される経費の額などを適切に公表しているところでありまして、引き続き、長期契約の効果について国民の皆様の理解が得られるよう努力してまいりたいと存じます。
次に、長期契約による縮減額の算出根拠についてお尋ねがありました。
長期契約の対象となる装備品等の調達に要する経費の縮減額につきましては、過去の契約実績や企業見積りを含む各種のデータを考慮の上、適切に算定を行っております。
なお、コストデータに関するシステムは、長期契約の縮減額の算定に用いていたものではありませんけれども、会計検査院からの指摘は大変重たく受けとめておりまして、現在、防衛装備庁において改善に向けた検討を行っております。しっかり改善をしてまいりたいと思います。
次に、F35の取得方法の変更についてお尋ねがありました。
我が国の厳しい財政状況のもとで、効率的に防衛力の強化を図るためには、装備品等の価格の低減が重要であることから、必要な機数を速やかに取得するとの観点を踏まえ、平成三十一年度以降のF35Aの取得は、より安価な完成機輸入によることといたしました。
これまで国内企業がF35Aの製造等に参画してきたことで、F35の運用、整備基盤の確保や、最先端の戦闘機技術、ノウハウに接することによる戦闘機関連の技術基盤の維持、育成、高度化が図られてきたものと考えております。
また、今後につきましては、リージョナルデポにおけるF35Aの整備や将来戦闘機関連の研究開発事業の実施によりまして、国内の戦闘機関連の技術基盤の維持、育成、高度化を図ってまいりたいと考えております。
次に、FMS調達の増加と中小企業を含む我が国の防衛産業への影響及び対策についてお尋ねがありました。
装備品の調達は、国内であれ国外であれ、我が国として主体的に決めているものでありますけれども、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を受け、高性能な装備品について、早期導入が求められる傾向にあるため、その結果として、近年、FMS調達が増加傾向にあることは事実でございます。
また、厳しい財政状況の中、限られた予算の中で必要な装備品の取得を効率よく進めていかなければならないところ、防衛産業にとっては、主要装備品の国内調達がふえず、厳しい状況にあるということも認識をいたしております。
一方で、この点につきましては、単にFMS調達がふえた結果というわけではなくて、背景として、高コスト構造や安全保障環境に適応した高性能な装備品を十分に開発することができていないといった防衛産業が抱える課題があることも事実でございます。
防衛産業は、装備品の生産、運用、維持整備に必要不可欠な基盤でありますが、こうした課題に対応するため、新たな防衛大綱、中期防において、防衛産業が有する重要技術に重点的に投資を行うとともに、契約制度の見直しや、中小企業を中心としたサプライチェーンのリスク管理の強化などの施策を通じ、防衛産業全体の競争力の強化に優先事項として取り組むこととしております。
次に、FMSの未精算金についてのお尋ねがありました。
防衛省では、従来から、装備品の出荷完了から二年を超えても精算が完了していない支払い金額を未精算額としており、平成二十九年度末における未精算額は約五百二十億円となっております。
これまで改善に向けて取り組んできた結果、平成二十九年度末の未精算額が平成二十八年度末に比べ約百三億円減少するなど、改善が進展しつつあります。また、米国政府に対して、優先的に精算処理すべき案件を共有し、早期かつ効率的な精算の促進を要請したことで、米国政府が速やかな精算処理を行い、防衛省としても、米側の精算処理が着実に進んでいることを確認しております。
今後も、引き続き、日米間でより緊密に連携を図りながら、未精算額の縮減に向けて積極的に対応してまいります。
次に、F35のパイロットの育成、整備のための体制構築についてお尋ねがありました。
F35Aの増勢は近代化改修に適さないF15の代替であることから、必要となるパイロットの数は大幅に増加するということはありません。高度な訓練用シミュレーターを用いることで、これまでよりも効率的に人材を育成することが可能であると考えております。
機体整備につきましては、F35Aは、自動的にふぐあいを特定の上、速やかな部品供給と修理が受けられる包括的な後方支援システムを導入しております。また、我が国において、機体、エンジンの維持整備の拠点を設置することとしており、必要な維持整備を行っていけるものと考えております。
最後に、F35の追加導入の必要性についてお尋ねがありました。
我が国の周辺国における航空戦力の近代化の進展は著しく、また、我が国周辺空域における活動を急速に拡大させております。あらゆる事態に切れ目なく必要な対処を行うためには、質、量の両面において強化を図る必要がございます。
F35Aは、現在において最新鋭の戦闘機であるだけでなく、その能力を逐次向上することが可能な、いわば進化する戦闘機です。米国におきましては、今後五十年以上にわたり継続的に運用する計画があるなど、長期間にわたる運用が期待されます。
こうしたことから、近代化改修に適さないF15九十九機の代替として、追加的な取得数を訓練機も含めて百五機としたものでありまして、我が国の防衛に万全を期す上で必要不可欠と考えております。
なお、先生御指摘のステルス性能に関しましては、いわゆる第五世代機の開発、生産が進む中で、空対空戦闘において大きな影響を与え得る性能であり、また、赤外線センサーによる熱源探知につきましても、探知範囲、安定性等、現時点でさまざまな課題があることから、将来、ステルス性能が意味のないものになるとは言えないと認識をしております。
なお、カナダ政府の判断についてコメントすることは控えたいと存じます。
セキュリティー対策につきましては、関係省庁と緊密に調整を図り、適切に対応してまいりたいと存じます。(拍手)
〔国務大臣櫻田義孝君登壇〕