岩屋毅の発言 (本会議)

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○国務大臣(岩屋毅君) 重徳和彦議員にお答えいたします。
 まず、平和安全法制の整備に伴う防衛装備品の取得についてのお尋ねがありました。
 国民の命と平和な暮らしを守り、国際社会の平和と安全に貢献することは、自衛隊の重要な責務であります。平和安全法制は、このような任務を切れ目なく、より効果的に果たすことを主眼とするものであります。
 平和安全法制の整備によりまして、さまざまな事態への対処が新たな任務として付与されましたが、こうした事態への対処は、我が国の防衛などの従来の任務に必要な装備品によって基本的に対応できるものでありまして、平和安全法制の整備に直接的に起因して導入を決定した新たな装備品はございません。
 防衛省としては、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、新たな防衛大綱及び中期防のもとに、着実に防衛力の強化を図ってまいりたいと存じます。
 次に、防衛関係費の制約要因についてお尋ねがありました。
 防衛省・自衛隊としては、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、これに対応するために必要な防衛力の強化のための取組を検討し、必要となる経費を積み上げております。
 他方、格段に厳しさを増す財政状況と国民生活にかかわる他の予算の重要性等を勘案し、防衛力整備の一層の効率化、合理化を図り、経費の抑制に努めるとともに、国の他の諸施策との調和を図ることも重要だと考えております。
 この点につきまして、中期防において期間中の所要経費を定めるとともに、各年度の予算編成においては、概算要求を行い、その後、財政当局の査定を受けるという一連の予算編成プロセスを通じて、政府として適正な防衛関係費のあり方が形づくられていくものと考えております。
 なお、御指摘のいわゆるGDP比一%枠については、昭和六十一年に撤廃をされているところでありまして、GDPと関連づけた数値目標を設定することは適切ではないと考えております。
 次に、日米安保体制下の防衛関係費のあり方についてお尋ねがありました。
 我が国は、民主主義などの基本的価値を共有する米国との間で同盟関係を継続し、その抑止力と我が国みずからの防衛力によって、すきのない体制を構築して、我が国の安全を確保することを防衛の基本としております。
 このため、我が国の防衛関係費は、日米安保体制を前提としたものになっておりますが、その上で、一般論として申し上げれば、仮に米軍が有するような装備品などを全て我が国自身で整備するとなった場合には、所要の防衛関係費は大幅に増加することになると考えます。
 また、米国は、国防政策上、我が国を含む同盟国の防衛も考慮しつつ、自国の国防費のあり方を検討しているものと認識しておりますが、御指摘の日本の防衛費から除かれたコストについて、一概にお答えすることは困難だと思っております。
 次に、長期契約による縮減額についてお尋ねがありました。
 平成三十一年度予算案におきましては、PAC3ミサイル用部品の一括取得及びE2D早期警戒機の九機調達によりまして、約三百五十六億円の縮減額を見込んでおります。
 その具体的内容と積算根拠について申し上げれば、PAC3ミサイル用部品については、今後の修理で必要となる部品を、米国等も調達する時期に合わせて十年間の包括契約で一括調達することによって、約三十一億円の縮減を見込んでおります。また、E2Dにつきましては、米海軍の調達にあわせて発注し、七年間の契約で九機を調達することによって、約三百二十五億円の縮減を見込んでおります。
 いずれの縮減額につきましても、過去の契約実績、企業見積りを含む各種のデータを考慮の上、適切に算定をしたところでございます。
 次に、長期契約による縮減額の意義についてお尋ねがありました。
 厳しい財政事情のもとで防衛力の計画的かつ確実な整備を行っていくためには、装備品取得や維持整備の効率化を推進し、コスト縮減を図ることにより、限られた予算を有効に活用するとともに、安定的な調達を実現していくことが不可欠です。
 こうした基本的な考え方のもとに、平成三十一年度予算案におきましては、PAC3ミサイル用部品及びE2Dの調達を長期契約の対象とするとともに、引き続き、国内の技術基盤の維持等にも資する研究開発を始めとした我が国の防衛に必要なさまざまな事業を計上しているところでございます。今後とも注力をしてまいりたいと存じます。
 次に、中期防の主要装備品の単価についてお尋ねがありました。
 中期防におきましては、従来から、その期間中の所要経費全体をお示ししており、中期防別表に掲げている主要装備品の単価については、これまで一般に広く公表したことはありませんが、必要に応じ、個別に説明してきたものでございます。
 今回の中期防策定に当たりましては、装備品の効果的、効率的な取得について国民の皆様の関心が高まっていることを踏まえ、説明責任を果たすために公表をしたところでございます。
 この単価は、過去の調達価格や企業等による見積価格等を参考に、中期防の決定年度の価格に置きかえるなどの措置をした上で設定をしております。このような設定方法は従来と変更はございません。
 次に、FMS調達の増加による影響についてお尋ねがありました。
 FMSは、一般では調達できない機密性の高い装備品や、米国においてしか製造できない能力の高い装備品を調達できる点で、我が国の防衛力を強化するために非常に重要だと考えております。
 一方で、維持整備費等の経費も、自衛隊の活動の持続性、強靱性を強化するために重要でございまして、自衛隊の活動に支障が生じないよう措置するとの観点から、平成三十一年度予算案において、維持整備費は、契約ベースで対前年度約四百一億円増の八千九百五十三億円を計上しているところであります。
 今後とも、安全保障環境が厳しさを増す中、全体としてバランスのとれた防衛力を構築すべく、維持整備費を含め、必要な経費を確保してまいります。
 次に、FMSで調達する航空機の米軍との価格差についてお尋ねがありました。
 FMSは、米国の経済的な利益を目的とした装備品の販売ではなく、我が国と米国との間では、FMS調達に当たって、米国政府が、米軍自身が使用する装備品等に適用するのと同じ契約条項、契約管理及び品質、監査検査手続をFMS購入国が使用する装備品にも適用する旨を確認しておりまして、米国の調達制度と同等の公正性が担保されているものと考えております。
 その上で申し上げれば、FMSによって防衛省が米軍と同機種の装備品を調達する場合であっても、例えば、我が国の独自仕様に基づく価格差や、米国政府の管理等に係る費用、米国政府との価格算定方法の相違など、さまざまな要因がございまして、米軍の調達価格と必ずしも同一の価格になるわけではないと認識をしているところでございます。
 次に、会計検査院によるF35Aの価格上昇に関する指摘についてお尋ねがございました。
 平成二十九年九月の会計検査院の随時報告において、本体価格が変動した場合には、引き続き適時適切に合衆国政府に要因を確認することとされております。
 我が国が取得するF35Aについては、大幅な円安となった為替の影響や、平成二十五年度以降、国内企業が製造に参画し、少数しか製造しないといったことから、製造作業に習熟するペースが遅いこと等の理由によって価格が上昇していることを確認いたしました。
 平成三十一年度以降は、F35Aの取得は完成機輸入に切りかえることといたしましたが、防衛省としては、引き続き、我が国が取得するF35Aの価格の変動について、その要因を米国政府に確認をしてまいりたいと存じます。
 次に、防衛産業の再編による装備品の対米依存の抑制についてお尋ねがありました。
 装備品の調達に当たりましては、米国製であれ国内製であれ、今後の我が国の防衛に必要な装備品を個別に評価、検討し、我が国の主体的な判断のもとに決定をしているものであります。
 その上で、国内の防衛産業は、装備品の生産、運用、維持整備に必要不可欠な基盤であることから、今後、防衛産業がすぐれた技術力を確保し、競争力の向上を図れるよう、新たな防衛大綱、中期防において、技術基盤の強化と産業基盤の強靱化について、優先事項として取り組むことといたしております。
 この際、個々の企業の組織のあり方はあくまでも各社の経営判断によるものではありますけれども、新たな中期防に明記しているとおり、防衛省としても、各企業に対して効率化を促す各種施策に取り組み、この結果生じ得る企業の再編、統合も視野に、産業基盤の効率化、強靱化を図ってまいります。
 最後に、技術安全保障についてお尋ねがありました。
 我が国の高い技術力は防衛力の基盤であり、安全保障環境が厳しさを増す中、安全保障にかかわる技術の優位性を維持向上していくことは、将来にわたって国民の命と平和な暮らしを守るために不可欠だと考えております。
 新たな防衛大綱におきましては、我が国のすぐれた科学技術を生かし、政府全体として、防衛装備につながる技術基盤を強化することがこれまで以上に重要になっていると認識しております。
 このため、防衛省・自衛隊においては、新たな領域に関する技術や、人工知能等のゲームチェンジャーとなり得る最先端技術を始めとする重要技術に対して、選択と集中による重点的な投資を行い、技術基盤の強化に努めるとともに、技術管理や知的財産管理を強化することなどによって、我が国が持つ重要技術の海外への流出防止にも万全を期してまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣世耕弘成君登壇〕

発言情報

speech_id: 119805254X01020190307_024

発言者: 岩屋毅

speaker_id: 30611

日付: 2019-03-07

院: 衆議院

会議名: 本会議