城井崇の発言 (本会議)

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○城井崇君 国民民主党の城井崇です。
 国民民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました大学等における修学の支援に関する法律案及び学校教育法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 我が国は、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、いわゆる社会権規約の留保を二〇一二年に撤回し、高等教育の無償化を漸進的に進める義務を負っています。
 しかしながら、現状は、教育分野における公的負担割合が低く、家計負担が高いことから、経済的理由で大学等への進学を諦めなければならない事態がいまだに起こっていると現場の声が聞こえます。
 子供は、親も、生まれる国も、地域も選べません。生まれながらに恵まれた人と恵まれない人に分かれる。それも自己責任だと言い放つ、そんな冷たい社会を子供たちに引き継ぐわけにはいかない。子供たちの間に線を引かない。経済状況や生まれた環境に左右されず、希望する全ての子供たちが学ぶチャンスをつかめる日本にしたいとの観点から質問をいたします。
 大学等における修学の支援に関する法律案について、まず伺います。
 昨年十二月二十八日の関係閣僚合意で、幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針が決定され、二〇二〇年度より低所得者に対する給付型奨学金拡充と大学等の授業料等減免制度の創設が盛り込まれたことは評価できます。
 しかし、対象が真に支援が必要な低所得者世帯とされ、ほんの一部に限られています。また、今回の対象には大学院生は入っていません。これで高等教育の無償化というのは、少々大げさが過ぎませんか。高等教育の一部無償化というのが実態をあらわした言葉と考えます。
 収入のわずかな差で支援の対象外となった場合、支援対象者と非対象者との差が大きく、大変な不公平感が生ずることになります。
 支給対象者の要件、対象者数と一人当たりの総支給額を教えてください。そして、将来的には所得制限のない高等教育の無償化と支援対象の拡大を実現すると明言いただけるでしょうか。文部科学大臣に伺います。
 現行の授業料減免制度との関係について伺います。
 新制度での授業料等減免は、対象者の状況にもよりますが、例えば、両親と子供二人の世帯の場合、年収目安三百八十万円まで対象となります。一方、現行の授業料減免では、例えば、国立大学においては、各大学の制度等により、三百八十万円を超える収入基準で全額免除、半額免除が実施されているとの報告もあります。
 新制度実施により、三百八十万円を超える世帯、これまで授業料減免を受けられた世帯が対象から外れることとなり、減額、免除がない、つまり実質負担がふえるということが起こるのではないか。低所得者層と中間層の分断を生んでしまうことにならないか。
 税金を納め、保険料を支払い、教育費や介護の費用を支払うと手取りが残らず、貯蓄もない、そんな経済的な苦しさを感じる真面目な人々こそ、税の再配分で暮らしの底上げ、下支えを図るべきです。
 これまで減免対象だった世帯のうち、減免の対象外となる世帯は幾つ出てくると見込んでいますか。各大学に確認をしていますか。教育費負担は中間所得層でも重くのしかかっており、支援対象を、現行制度で対象としてきた中間層まで広げるべきと考えます。
 新制度に伴い、これまでの授業料減免が打切りや後退することはないよう、国として対応するかも含め、文部科学大臣、具体的にお答えください。
 教育費の負担軽減を論ずるとき、現行の貸与型奨学金の返還困難者の救済制度の改善が喫緊の課題ですが、本法案では対応されていません。
 借りたものは返すが世の中のルールではありますが、現在返還中の方々には、現在の現役学生に導入されている所得連動型返還は適用されていません。返還のための救済や支援が届いていないのです。猶予期間の延長適用とともに、返還中の方々にも所得連動型返還を適用するなど、返還困難者の救済へ早急な対応が必要です。文部科学大臣、対応いただけますか。御答弁をお願いします。
 本法案の目的には、我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与すると書かれており、その使い道が少子化対策とされています消費税の税率引上げによる財源を活用するとされています。
 子供を産み育てることができるかどうかを考えるとき、ここまで限定された制度が、親となる人の後押しとなる支援策だと言えるでしょうか。なぜ少子化対策なのか、なぜ消費税の使い道に教育を追加しなかったのか、その理由についての御答弁を財務大臣と文部科学大臣にお願いします。
 また、仮に消費税率の引上げがされなかった場合、本法案の内容は実現されるのでしょうか。実現を見送るのか、財務大臣、文部科学大臣にお伺いします。
 そもそも、教育費の負担軽減が求められる背景には、大学等の授業料が高過ぎるという現実があります。昨年行われた中央労福協のアンケートによれば、高等教育の負担に関して優先的に実現してほしいことという問いに、大学などの授業料の引下げが四八%と、圧倒的一位という結果でした。当事者の実情をあらわしています。
 一部無償化に取り組むとともに、授業料引下げを実施することで、全ての所得層の負担軽減を図ることが学生や保護者のニーズにかなうと考えますが、政府の方針について文部科学大臣に伺います。
 本法律案による支援は、授業料等を公費で肩がわりし、さらに学資を渡し切りにして学生等に支給することから、支援の継続に当たっての審査は、貸与型奨学金など従来制度より厳しくあるべきです。一方、この支援の対象者は経済的に厳しい状況にあります。支援額が大きい分、支援の打切りにより学業の継続が困難な状況に陥ることが想定され、支援の打切り判断は特に慎重を期すべきと考えます。この支援の継続に当たっての審査のあり方について、文部科学大臣の見解をお聞かせください。
 具体化に向けた方針においては、今回の支援措置の目的について、大学等での勉学が職業に結びつくことにより格差の固定化を防ぐことが挙げられています。一方、学問分野の特性から直ちに職業に結びつきにくい学問を排除し、目の前の就職に有利な特定の学問分野を奨励する狙いがあると捉えられかねず、学問の自由の侵害につながることも懸念されます。この懸念について、文部科学大臣の見解を確認させてください。
 また、このたびの一部無償化は個人に対する支援ですが、政府は、この制度の対象となる大学等の要件を省令で規定するとしています。どれくらいの大学が確認を受けられるように基準を定める考えでしょうか。容易に満たせるようですと、確認自体が無意味であります。文部科学大臣にお伺いします。
 大学等の要件の一部、実務経験のある教員の割合や外部人材の理事への複数任命については、多彩な学びを阻害しかねない、大学の自治への侵害につながるのではなど、大学側からの懸念の声も上がっています。この懸念に対する政府の見解を文部科学大臣よりお願いします。
 この大学の要件について、教育の質の確保、情報開示、経営に問題がある大学等の救済にならないような対応が必要であるところは理解します。しかし、これらは本来、大学の認可や助成に当たって対応すべき問題ではないか。学生支援の条件とするのは筋が違うと思います。文部科学大臣、お答えください。
 本法律案による支援を受けるための個人要件についても確認させてください。
 高等学校等において、レポートの提出や面談等により本人の学習意欲や進学目的等を確認することとしています。学校によって運用にばらつきが生じないように、判断基準等についてガイドライン等で示す必要があると考えます。文部科学大臣に伺います。
 二〇一七年の日本学生支援機構法改正、この際設置された学資支給基金が今回の法案で廃止となります。残された基金の部分は国庫に納付されることになります。この国庫納付分は使い道を縛れないと思いますが、この中には民間からの拠出金が含まれています。給付の奨学金の拡充のためにと協力をいただきました。この意思に反するのではないか。学資支給基金の残余部分の扱い、文部科学大臣、お答えください。
 学校教育法等の一部を改正する法律案についても伺います。
 この改正案には四法案が束ねられています。高等教育の無償化を進めるに当たり、無償化にふさわしい高等教育機関となるよう、その質の向上が求められるためと考えますが、どうやって向上するかという点を伺います。
 まず、学校教育法の一部改正については、大学等の認証評価において、その教育研究等の状況が大学評価基準に適合しているかどうかの認定を義務づけ、そして、認定を受けられなかった大学等に対して、文部科学大臣が報告や資料の提出を求めるとされています。
 質の向上、ガバナンス強化など、狙いは理解できる部分があるものの、既に大学等には認証評価など類似の複数の評価制度が負担となっており、評価疲れを指摘する意見もあります。現在の評価制度のあり方でよいのか、文部科学大臣より見解をお聞かせください。
 国立大学法人法改正では、一法人複数大学を可能とする内容となっています。現在でも大学間協定等により可能な内容もあり、今回の改正を行う必要性やメリットはわかりづらい状況です。どのような効果を期待しているのか、文部科学大臣から具体的な答弁をお願いします。
 私立学校法の一部改正についてお伺いします。
 私立学校のガバナンス改革は、私学の多様性や建学の精神を尊重した改革であるべきです。私立学校法の改正では、管理運営体制の強化、中期計画の作成、情報公開のあり方など、多くの変更が盛り込まれていますが、規模や成り立ち、経営等が多種多様である学校法人においてふさわしい規定だと言えるのでしょうか。
 私立大学版ガバナンスコードの策定準備が進むなどしておりますが、私立学校の現場での努力では不十分との認識か、文部科学大臣に伺います。
 このたびの各種法案は、子供たちの未来のための法案です。子供たちに胸を張って渡せる日本となるよう、財務大臣、文部科学大臣には誠実な御答弁を心よりお願いいたします。
 今後も、子供たちが健やかに育ち、学び続けることができるよう、現場の声の先にある新しい答えをつくっていく、国民のささやかではあるが切なる願いを形にしていく政策の実現を目指していくことをお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣柴山昌彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 119805254X01220190314_028

発言者: 城井崇

speaker_id: 32172

日付: 2019-03-14

院: 衆議院

会議名: 本会議