太田昌孝の発言 (本会議)
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○太田昌孝君 公明党の太田昌孝であります。
私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案、いわゆる中小企業強靱化法案について、世耕経済大臣に質問をいたします。(拍手)
近年、我が国では、西日本豪雨や、近畿地方を中心とした台風、北海道胆振東部地震など、特に地方での自然災害が発生しており、中小・小規模事業者の皆様にも甚大な影響をもたらしました。
言うまでもなく、地方の経済の根幹を支えているのは、我が国の雇用の七割を創出する中小・小規模事業者の皆様であります。こうした事業者の皆様が災害への対応力を強化し、事業を継続させていくことは、地域経済の好循環を維持する観点からも極めて重要であります。
また、中小事業者の経営者の高齢化にも対応しなければなりません。経営者が六十歳以上の中小事業者の割合は特に地方において高く、事業承継問題は深刻な状況です。地域経済の好循環を維持する上でも、円滑な事業承継は待ったなしの課題であります。とりわけ、中小・小規模事業者のおよそ半数は個人事業者であり、こうした個人事業者の円滑な事業の引継ぎを進めていくことも重要です。
今般提出された中小企業強靱化法案は、冒頭申し上げた自然災害の頻発化や経営者の高齢化などの課題に直面する中小・小規模事業者の事業継続力強化に対する支援や事業承継の円滑化に向けた施策が盛り込まれているものと認識しております。
以下、本法案の主要項目に沿って質問をいたします。
初めに、中小・小規模事業者の事業継続強化に対する支援について伺います。
政府の中小企業強靱化研究会での中間取りまとめによると、中小企業の災害対策への取組について、半数以上が取り組んでいないと回答するほか、そもそも、リスクを把握するつもりがないとの回答が八割以上を占めており、災害への備えが不十分であるとの結果が出ております。
なぜ、中小・小規模事業者の災害対策が進んでいないのか。背景には、災害対策に取り組むための人材や知識、ノウハウなどが不足しているなどの要因が挙げられます。また、中小事業者は特に、人手不足が深刻であることに加え、災害対策について、何から始めればよいかわからないとの声が同研究会の中間取りまとめから明らかになっております。
こうした中小・小規模事業者における災害対策を進めるため、本法案では、事業者が行う事前対策の内容について、経済産業大臣が基本方針を策定することになっています。また、事業者が単独で行う事業継続力強化計画や複数の企業が連携して行う連携事業継続力強化計画を経済産業大臣が認定する制度を創設し、認定された事業者は、金融や税制、補助金等で優遇措置を受けることができると盛り込まれております。
一方で、同研究会からの中間取りまとめでも明らかになっているように、中小・小規模事業者には、計画を策定するための時間や人材、ノウハウが不足しているといった声が上がっていることも事実であります。
こうした現場の声を踏まえれば、災害への事前対策に関するノウハウや経営資源が不足している中小事業者に対し、具体的な計画策定の支援や、それを担う人材の育成等を積極的に行うべきであります。あわせて、税制や補助金を活用し、災害発生時でも事業を円滑に継続させることができるよう、寄り添った支援を講じるべきです。
中小・小規模事業者の事業継続力強化に対する支援について、世耕経済産業大臣の答弁を求めます。
次に、中小・小規模事業者を取り巻く関係者からの協力について伺います。
中小・小規模事業者は、消費増税対策や働き方改革への対応など、さまざまな経営課題への対応が求められる中、防災・減災対策の優先度は必ずしも高くありません。
そのため、中小事業者の防災・減災対策を進めるためには、サプライチェーンの大企業や損害保険会社、地方自治体、中小団体など、中小事業者を取り巻く関係者による働きかけや支援が特に重要となります。
例えば、サプライチェーン全体の強靱化を進めていくためには、中小事業者の取組のみならず、親元の大企業による支援も重要であります。また、中小事業者がリスクファイナンス対策を進めるに当たっては、損害保険会社や地域における金融機関の役割も重要と考えられます。このような中小事業者を取り巻く関係者からの積極的な協力なくして、中小事業者の防災・減災対策は進めることができません。
また、被災時に代替生産や人員派遣等を相互に行うことは、事業の継続、早期復旧のために有効な手段と考えますが、同時被災を避けての連携を想定した場合、地方公共団体や地域金融機関などは管轄地域を超えての連携も必要になると考えます。中小事業者に対する助言指導などをしっかりと行い、防災・減災を進めるべきであります。
中小・小規模事業者を取り巻く関係者からの協力について、世耕経済産業大臣の答弁を求めます。
本改正案では、商工会、商工会議所と市町村が共同で中小事業者の事業継続力強化支援計画を作成し、都道府県より認定を受けることとされています。しかし、全国二千カ所以上に及ぶ商工会、商工会議所においては、運営状況、相談対応能力に格差があることも指摘をされてきたところであります。
中小・小規模事業者の事業継続能力強化を支援するため、商工会、商工会議所の支援体制の基盤の強化が必要と考えますが、世耕大臣の答弁を求めます。
次に、中小・小規模事業者の事業承継の円滑化について伺います。
昨年四月から大幅に拡充された法人版の事業承継税制は、想定をはるかに超える申請件数となっており、飛躍的な伸びを見せております。
この法人版事業承継税制に加え、今年度の税制改正において、個人事業者の事業承継を円滑に進めるため、土地や建物、機械等の承継に係る相続税、贈与税を今後十年間全額納税猶予する個人版事業承継税制を公明党としても強く訴え、新たに創設がされました。
本法律案では、この個人版事業承継税制の効果が十分に発揮されるよう、遺留分に関する民法の特例の対象を個人事業者に拡大し、相続人全員の合意を得ることができれば、簡便な手続で、後継者に生前贈与された事業用資産を、遺留分を算定するための資産から除外することが可能となりました。こうした支援措置は、中小企業の経営者が、親族等、経営者に近い従業員に事業承継を行う際に主に活用できる支援策であり、中小・小規模事業者の皆様に大いに活用いただきたいと思っております。
他方、中小・小規模事業者の現場からは、事業承継を進める際の足元の一番の課題は後継者になる経営者を探すことであるといった声も多く聞かれます。
そのため、今後は、後継者のマッチング、MアンドAなどによる第三者承継の促進など、中小・小規模事業者の事業承継を促進するために、今後十年間で更に強力な施策を進めていくべきです。
中小・小規模事業者の事業承継の円滑化について、世耕経済産業大臣の答弁を求めます。
最後に、一言申し上げます。
本法律案は、公明党が昨年実施しました百万人訪問・調査運動の政策課題として掲げた防災・減災と中小企業というテーマを俯瞰した大変重要な法律案であると実感をしております。
今後も続くと想定される大型災害を見据え、地域の中小・小規模事業者の皆様が事前に防災対策を強化するとともに、災害に遭遇しても事業の早期復旧を実現し、事業を継続することが、地域経済のみならず、日本経済を活性化させることにつながります。
また、全ての中小・小規模事業者の皆様が事業承継税制を活用できるようになるなど、事業承継を進めやすい環境が整備されました。こうした支援策などを中小・小規模事業者の皆様に大いに活用いただき、地域にしかない特有の技能や技術などを今こそ承継していただきたいと訴え、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣世耕弘成君登壇〕