谷田川元の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○谷田川元君 国民民主党・無所属クラブの谷田川元です。
 初めて登壇する機会を頂戴いたしました。同僚議員の皆さんに心から感謝申し上げます。(拍手)
 さて、統一地方選挙が終わりました。皆さん、それぞれの立場で御奮闘されたと存じますが、何といっても一番注目を集めたのが大阪のダブル選挙だったと思います。現職の知事がやめて市長選へ、現職の市長がやめて知事選へ立候補するという前代未聞の出来事でした。
 どうしてこうした奇策に打って出たのか。それは、公職選挙法第二百五十九条の二で、知事や市町村長がみずからの都合で辞職し、その出直し選挙に立候補し当選した場合、当初の残りの任期しかできないことになっているからであります。
 どうしてこのような規定ができたのか、調べてみました。
 昭和二十六年四月の第二回統一地方選挙から昭和三十年四月の統一選まで、実に十七人の知事が途中辞職し、その後の選挙に立候補しています。そのほとんどが、前倒しで選挙をやれば自分に有利との判断で辞職しています。
 これについて、現在の総務省の前身である自治庁は、昭和二十六年十月十九日の朝日新聞で次のように述べています。知事という有利な立場を更に有利にするため、抜き打ち的な選挙を行えば、それは選挙の公正を害することとなり、ひいては住民の真の意思が選挙の結果にあらわれてこないことにならないかと痛烈に批判しているのです。
 こうした状況を受けて、昭和三十一年の法改正で、途中辞職後の選挙の立候補は禁止となりましたが、これでは厳し過ぎるとの意見があり、昭和三十七年、現在の規定に改正されたのであります。
 このように、知事や市町村長がみずからの選挙を有利にするため恣意的に選挙日程を設定することを規制しているんです。
 さて、国政に目を転じますと、過去二回の衆議院選挙は、まさに抜き打ち的な選挙でした。安倍総理は、選挙情勢を探る世論調査を綿密に行い、今やれば与党が勝てるとの結論に至り、解散を強行しました。
 衆議院解散について、昭和二十七年八月に吉田内閣が断行したいわゆる抜き打ち解散が憲法違反であると当時改進党の議員であった苫米地義三氏が提訴し、一審では、解散は無効との判決が下されました。ところが、最終的に最高裁判決で、政治性の高い国家統治行為であるので司法の審査になじまないという、いわゆる統治行為論で棄却されてしまいました。
 しかし、過去二回の解散は、政治性の高い統治行為というよりも、今やれば勝てるとの、まさに党利党略以外の何物でもありません。こんなことが許され続けてよいのでしょうか。
 そこで、選挙を所管する責任者である総務大臣に質問します。
 昭和二十年代後半に相次いだ繰上げ知事選と同じように、過去二回の衆議院選挙は選挙の公正を害しているとの認識をお持ちになっていないか、お尋ねします。
 二〇〇〇年に地方分権一括法が施行され、それまでは国と地方の上下関係が存在しましたが、今や国と地方は対等なはずです。知事や市町村長に恣意的な選挙日程をさせないようにしている一方で、そのお手本となるべき総理大臣には何らおとがめなしというのは、不公平と言わざるを得ません。総務大臣はどう思われるか、見解を求めます。
 また、巷間言われるような衆参ダブル選挙になった場合、大きな混乱が予想されます。
 確かに、昭和五十五年と六十一年の過去二回、衆参ダブル選挙が実施されましたが、そのときの衆議院は中選挙区制でした。現在は、衆議院比例区は政党名記入、参議院比例区は政党名、候補者名、どちらを記入してもよいことになっていますが、これが混同され、無効票の増大が懸念されます。
 選挙を所管する責任者として、衆参ダブル選挙は好ましいとお考えになっているのか、総務大臣の御所見を伺います。
 さて、我が国の議院内閣制のお手本と言われるイギリスでは、今から八年前に二〇一一年議会任期固定法を制定し、内閣の解散権を制約しています。このような法律を我が国でも早急に検討する必要があると思いますが、各党会派で御議論いただくことを提起したいと存じます。
 それでは、政府提出、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
 本来、率先して障害者を雇用する立場にある中央省庁や地方自治体などが、雇用する障害者を水増ししていた問題は、行政による障害者への背信行為であり、国に対する不信を一層深めることになりました。この対応策を盛り込んだ本法案の審議に当たり、改めて、政府が徹底した再発防止策を講じることを求めます。
 では、厚生労働大臣に質問してまいります。
 まずは、障害者雇用の水増し問題についてであります。
 厚生労働大臣は、三月二十六日の参議院予算委員会で、国において相当数の障害者を採用することによって、民間企業を離職する障害者が実際に一定程度発生することは考えられますと述べています。
 国が、障害者雇用を水増ししたあげく、みずからの障害者雇用率を達成するために民間企業に迷惑をかけるおそれがあるという現状について、どのように考えているか、厚労大臣に伺います。
 次に、政府が障害のある方を採用するための試験について伺います。
 政府は、今年末までに約四千人の障害者を雇用する方針を打ち出しています。障害のある方々が求めているように、単なる数合わせになってはいけません。新規に採用される障害のある方々は、それぞれ障害の特性が異なることはもちろん、希望する仕事やキャリアプランも異なります。採用された方々に、中央省庁で働くことになってよかったと思ってもらえるようにすることが国に課された責務です。
 ある省庁の面接で、面接官から受験者に対して、補助的な仕事だけどいいかと繰り返したという報道もありますが、こうした実態が本当にあるのかどうか、お答えください。
 政府が進めている障害者雇用が、目標人数を採用すればよいという数合わせになっていて、障害のある方本人の能力や適性に見合わないものになっているのではありませんか。また、本人の能力や適性に見合わないミスマッチの採用であっても、何が何でもことしじゅうに約四千人を採用する予定であるのが厚労大臣のお考えなのか、お示しください。
 また、政府は年内に再度、障害者を対象とした試験を行う予定です。この障害者を対象とした試験は恒久的なものであるのか、あるいは雇用率達成までの暫定措置であるのか、伺います。暫定措置であるとすると、障害者が健常者と競争することとなり、よほど特筆すべき能力がない限り、障害者は採用されなくなってしまいますが、それでよいのでしょうか。あわせて答弁願います。
 次に、障害者の雇用継続の担保について伺います。
 政府に障害者として雇用された方が、後に障害の程度が軽くなり、雇用率に算定される障害者でなくなった場合、解雇されてしまうことはないのでしょうか。障害のある方が安心して中央省庁などで働くことができるようにするためには、解雇されないようにするための何らかの担保が必要であると考えますが、厚労大臣の見解を伺います。
 次に、障害者雇用率の対象となる障害者であるかどうかの確認方法について伺います。
 労働政策審議会の障害者雇用分科会の意見書では、対象となる障害の確認方法の明確化について、「通達等によって行うのではなく、法律上明確化することが適当である。」と書かれています。これを受けて、本法案に確認方法に関する規定が盛り込まれましたが、具体的にどのような書類で確認するかは厚労省令に委ねてしまっています。過去の通知と同様、確認方法に、原則としてといった曖昧さが残り、水増しが再発するのではないかと危惧せざるを得ません。
 こうした懸念を払拭するためにも、本法案の審議に当たり、どのような書類で確認するのか明確に示してください。厚労大臣の答弁を求めます。
 次に、厚生労働省による他省庁等における障害者雇用の把握について伺います。
 民間企業に対しては、三年に一度、独立行政法人の高齢・障害・求職者雇用支援機構が訪問調査を実施して、常用雇用労働者の総数確認のほか、障害者手帳等の写し、源泉徴収票の写し等による雇用障害者の確認を行っています。一方で、国の機関や地方公共団体に対しては、訪問調査することまでは規定しておりません。
 本法案は、厚生労働大臣又は公共職業安定所長による国及び地方公共団体に対する報告徴収の規定を設けたり、障害者雇用率の算定対象となる障害者であるかどうかの確認の適正な実施に関し、勧告をすることができると規定しているだけなのです。
 なぜ国の機関などについては民間企業と同様の対応をしないのか、明確な理由を御説明ください。
 また、本法案に規定されている国の機関などに対する報告徴収、勧告だけで、これまでのように障害者でない人を障害者として算定する不適切な対応がなされることはないと断言できるのか、厚労大臣に伺います。
 裁量労働制のデータ問題、毎月勤労統計の不正調査問題など、厚労省の不祥事はとどまることを知りません。毎月勤労統計の問題では、厚労省職員のコンプライアンス意識の著しい欠如が浮き彫りとなりました。このような厚労省に、他の省庁の障害者雇用が適正に行われているかどうかを把握する役割を担わせることについて、疑問を感じざるを得ません。厚労省がこの重責を担えると断言できますか。厚労大臣に伺います。
 最後に、障害者雇用率未達成の省庁への対応について伺います。
 政府は、中央省庁が障害者雇用率を達成できない場合、不足一人当たり年六十万円を翌年度の庁費の算定上減額する仕組みを導入するとのことです。減額されれば、庁費が浮くことになります。民間企業の場合、障害者雇用率を達成できない民間企業が支払う納付金を財源として、雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に調整金を支払う仕組みがあります。民間企業の場合と同様、浮いた庁費は障害者雇用の促進や就労のサポートなどに使うことを検討すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
 国民民主党は、「誰もが排除されることなく、互いに認めあえる共生社会」を綱領に掲げています。結びに、障害のある方々に寄り添い、障害者雇用の促進に全力で取り組んでいくことをお誓いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣石田真敏君登壇〕

発言情報

speech_id: 119805254X02020190423_036

発言者: 谷田川元

speaker_id: 21282

日付: 2019-04-23

院: 衆議院

会議名: 本会議