山本和嘉子の発言 (本会議)
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○山本和嘉子君 立憲民主党・無所属フォーラムの山本和嘉子です。
私は、会派を代表して、議員提出の三法律案について、賛成の立場で討論を行います。(拍手)
討論に当たり、冒頭、一言申し上げます。
現在、我が国の内外に課題は山積しています。不透明さが増す経済情勢、十月に控える消費税の引上げ、六月合意断念と報道されている北方領土問題など、挙げれば切りがありません。いずれも総理大臣の考えを直接国会でお聞きしなければならない重要な問題です。加えて、聞くにたえない暴言、失言が相次ぎ、大臣や副大臣が次々に辞任していく始末です。
こうした状況にもかかわらず、野党が求める予算委員会の集中審議の開催を政府・与党はなぜか拒否し続けています。これこそ究極の審議拒否です。政府・与党は審議拒否の真っただ中なのです。
与党の皆さん、あれこれおっしゃるのなら、審議拒否などせずに予算委員会を開いたらどうでしょうか。原発ゼロ法案の審議にも応じたらどうでしょうか。このことは、あえて申し上げておきます。
加えて、自民党の萩生田幹事長代行のあの発言は一体何なんでしょうか。ワイルドな憲法審査を進めていくなど、与党の責任ある立場の人間が発するべき言葉ではありません。さらに、何の権限があるのか、消費税増税延期だの、解散に触れるだのに至っては、言語道断の発言と断ずる以外にありません。このことも改めて申し上げ、討論に入ります。
我が国の労働力人口が減少に向かう中で、女性の職業生活における活躍の推進及びハラスメント対策の強化は重要な課題です。
職場におけるいじめ、嫌がらせを理由とする都道府県労働局への相談件数とともに、精神障害に係る労災認定件数が増加の一途をたどっており、また、ハラスメントを苦にした自殺まで発生していることから、ハラスメント対策は喫緊の課題と言えます。
政府提出の法律案において、パワーハラスメント防止のため、相談体制の整備等の雇用管理上必要な措置を事業主に義務づけること、労働者がハラスメントに対して事業主に相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止を規定したことは、昨今、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントが日々報道され、社会問題となっている中で、一歩前進していると評価することはできます。
しかし、政府提出の法律案には不十分な点があることを指摘しなければなりません。
その第一は、セクシュアルハラスメントの禁止が規定されていないということです。
セクシュアルハラスメントは、個人の人格を大きく傷つけ、許してはいけない行為であるという認識が十分に浸透しておらず、依然としてセクシュアルハラスメントによる被害は後を絶ちません。
外務省の女性職員が、在イラン大使館勤務時代、当時の駐イラン日本大使から性暴力の被害を受けたとして、刑事告訴する事件もありました。
一昨日のニュースでも、鹿児島県垂水市で女性市議が初めて誕生することが決まった市議選をめぐって、自民党の男性市議が、告示前、やりにくい、下手な言葉を言えばセクハラ、パワハラと言われるおそれもあると語り、批判を浴びました。
セクシュアルハラスメントの被害に悩んでいる労働者等をこれ以上ふやさないためにも、セクシュアルハラスメントの禁止を法制化すべきです。私たち野党四党が提出した業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案、いわゆるセクハラ禁止法案は、明確にセクシュアルハラスメントを禁止するということになっております。
また、近年、就職活動中の学生やフリーランス、自社の労働者以外の者がセクシュアルハラスメントの被害者となる事件が報道されており、これらの問題への対処が急務となっております。
政府提出の法律案では就職活動中の学生等が対象とされておらず、この点も不十分と言わざるを得ません。野党四党が提出したセクハラ禁止法案では、就職活動中の学生等の従業者となろうとする者及びフリーランスがセクシュアルハラスメントの禁止の対象に含まれることを明確にしています。
第二に、政府提出の法律案には、消費者対応業務に係るハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントの防止対策が盛り込まれておりません。
長時間拘束や激しい暴言に代表される、顧客などからの迷惑行為は、労働者を苦しめる大きな要因となっており、UAゼンセンの調査によると、接客対応を行っている労働者約五万件のアンケート、その回答の中、約七割が顧客からの著しい迷惑行為を経験していることが示されております。その中に約二万件もの記述式の回答が寄せられているそうで、内容は、おまえはばかか、謝るしかできないのか、言葉がわからないのかなど、そのような暴言を一時間近くも言われた、あるいは、商品不良のため返金を実施した際、丁寧に謝罪しても納得されず、土下座での謝罪を要求されるなどの悪質クレームが報告されています。
政府は、みずから提出した法律案にカスタマーハラスメントの防止対策を規定しない理由について、通常のクレームと迷惑行為との判断が難しいことを挙げ、カスタマーハラスメント対策は法案成立後の指針で対応すると答弁しています。
しかし、きょうもどこかでカスタマーハラスメントが発生しており、その被害を防止するためには、指針に明記することだけでは不十分です。私たち野党四党が提出した労働安全衛生法改正案では、カスタマーハラスメントの防止対策を事業主に義務づけております。
また、他社の労働者に対するパワーハラスメントに関し、野党四党が提出した労働安全衛生法改正案では、パワーハラスメントの防止対策を加害者側の事業主にも義務づけています。
このほか、セクシュアルハラスメント等に対し、事業主の措置義務が十分に履行されていない、行政救済機関が十分に活用されていないなど、男女雇用機会均等法は運用面でも多くの課題が指摘されております。特に、厚生労働委員会での議論においては、相談窓口を設置している企業の割合や、窓口担当者に対する研修を実施している企業の割合が低いことなどが指摘されており、運用の改善は急務と言えます。
政府提出の法律案は、女性活躍の推進に関する情報公表への取組などが不十分ではありますが、ハラスメント対策と同様に、現行の取組よりは前進している点は評価できます。しかし、国際社会では、ILO総会での仕事の世界における暴力及びハラスメントに関する条約の採択に向け、活発な議論が行われるなど、職場におけるあらゆるハラスメントを禁止する方向に進んでいるのです。
野党四党提出の法律案は、こうした国際社会の流れに沿っており、また、ハラスメントの対策の充実、運用の改善に大いに資するもので、全ての働く人が自分の能力を最大限発揮できる社会を実現するために必要不可欠な、そして快適な職場環境を整備するものであり、政府案以上にすぐれた内容であることを申し上げ、私からの賛成の討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)