枝野幸男の発言 (本会議)
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○枝野幸男君 立憲民主党代表の枝野幸男です。
私は、国民民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会保障を立て直す国民会議、社会民主党・市民連合及び立憲民主党・無所属フォーラムを代表し、安倍内閣不信任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。(拍手)
まず、決議の案文を朗読します。
本院は、安倍内閣を信任せず。
右決議する。
〔拍手〕
安倍内閣が不信任に値する理由は枚挙にいとまがありませんが、初めに指摘しなければならないのは、国民生活に直結する年金と消費税に関する無責任かつ不誠実きわまりない姿勢であります。
政府・与党は、年金問題で、百年安心と説明してきました。年金支給額を減らすことで、人口減少の中でも制度としての年金が百年安心になったにすぎないものを、あたかも一人一人の国民にとって年金が百年安心であるかのごとき印象を与えてきました。一種の印象操作と言わざるを得ません。
今般発表された金融審議会市場ワーキング・グループの報告書は、公的年金だけでは老後資金が二千万円不足するとしています。これまで政府・与党が進めてきた印象操作を否定するもので、多くの国民が戸惑い、疑念の声を上げたのも当然であります。
それだけでも問題である上に、麻生金融担当大臣は、みずからの意に沿わないので受取を拒否するという前代未聞の行動に出ました。
さらに、年金に関しては、将来の支給額の指針となる財政検証の隠蔽が続いています。
この検証は、十年前には二月、五年前は六月に発表されています。ところが、今回に限って、発表時期は検討中の一点張りで、めどさえ示されていません。厚生労働省担当者は、データはそろっている、これまでと同じペースで検討は進んでいると答えています。なのに、なぜ発表されないのでしょうか。
年金の支給額が減額するとの試算もあり、都合の悪いことは国会を閉じた後あるいは選挙後に先送りする姿勢ではないかと疑わざるを得ません。
消費税の引上げ問題では、景気の指標となる毎月勤労統計における統計不正問題が発覚しています。単なる不正にとどまらず、政権に有利になるよう統計を操作したとの疑惑まで浮上する事態です。
私たちは、消費税増税の審議に資するために、共通事業所に係る実質賃金を公表するよう、本年二月から求めてきました。しかし、いまだに安倍政権は理由もなく公表を拒み続けており、消費税増税の可否について、実質的な審議ができない事態が続いています。
このように、審議会の報告書を受け取らず、年金の財政検証や共通事業所に係る実質賃金を隠蔽する安倍政権の姿勢は、国会審議を妨害するものであり、民主主義を空洞化させるものであります。
目前に迫る参議院選挙が終わるまで公表しないとの報道まで出ており、これが事実であるならば、国民生活を犠牲にしてみずからの政権の延命を図るという許しがたい暴挙が行われていると厳しく非難せざるを得ません。
この一点のみをもってしても、安倍政権を信任することはできません。
そもそも、年金については、安心ばかりを強調する姿勢そのものが国民の将来不安を高める要因となっています。
多くの国民の皆さんは、金融審議会の報告書をまつまでもなく、年金だけでは老後の生活には不足するかもしれないという強い不安を持っておられます。
その不安を抱きながらも、何とかやりくりして暮らしている高齢者の皆さん、何とかやりくりして暮らしていかなければいけないと考えている皆さん、こうした皆さんに対して、制度としての年金が百年安心であることを幾ら強調されても、いや、強調すればするほど、老後の不安に寄り添っていない政治の姿勢に不信と不安が高まっているのであります。
確かに、人口構成の変化と長寿化によって、年金支給額の水準を維持したり、ましてや増額したりすることには大きな困難があります。しかし、だからといって、報告書の受取を拒否したり、制度が百年安心だと強調したりしても、老後の不安が小さくなるわけではありません。
多くの高齢者は、年金の額にも不安を抱いています。特に、国民年金など年金額が少ない皆さん、厚生年金などを受け取っていた配偶者に先立たれた方など、低年金の方の底上げ施策も重要であります。
同時に、多くの高齢者に共通する不安は、医療と介護です。健康な間は、少ない年金を何とかやりくりして暮らしていくことができても、病気になったときにきちっとした医療が受けられるのかどうか、体が不自由になったときに必要な介護が受けられるのかどうか、この不安が日本社会を覆っています。
こうした不安に応えるため、私は、先日の党首討論で、総合合算制度の早期導入を提案しました。医療、介護、保育、障害者福祉に係る自己負担を世帯単位で合算し、所得に応じて上限を設けるものです。後で述べる介護などの質的、量的充実とあわせ、老後の不安を少しでも小さくするために、導入は不可欠であります。
ところが、総理からは、年金給付水準を維持するための他の党首からの提案も含め、党首討論では野党からの建設的提案に何らの言及がありませんでした。そして後日、テレビ番組で、何ら具体的な根拠も示さず、総合合算制度を意味がないとおっしゃりました。不誠実きわまりないと言わざるを得ません。将来の不安の本質に寄り添わない安倍政権の姿勢は、不信任に値するものであります。
私は、来る参議院選挙を、老後を始めとする暮らし安心回復選挙にする決意であります。現実を隠蔽、改ざんし、安心を装う今の政権に対して、一人一人の暮らしの安心に寄り添い、真に安心できる社会を目指して、地道に歩みを進める政治へと転換をしてまいります。
安倍政権を信任できない次の理由は、経済であります。
第二次安倍政権発足以降、確かに、株価は大幅に上昇し、輸出企業、大企業を中心とした企業収益は過去最高に達しています。
過去の成功体験では、膨らんだ企業収益が賃金や設備投資を通じて国内に循環をし、内需を拡大させ、持続的な経済成長につながりました。
徹底した金融緩和、それによる円安、財政出動、確かに景気変動に対する刺激策としては正しいものです。今回も、輸出企業の収益増などの成果は上がりました。
しかしながら、六年を超えても、賃金や個人消費の上昇につながらず、企業収益の多くは内部留保されています。高度成長期とは全く状況が違っています。
平成の初めにバブルが崩壊して以降の日本経済は、いわゆる景気循環における不況とは異なった状況の中にあります。構造的に、それまでの戦後復興から高度成長という時代状況が大きく変化したのであります。
かつて日本が途上国あるいは新興国であった時代と異なり、先進成熟社会となった日本は、他の途上国の成長によって、もはや規格大量生産では稼げない時代に入っています。このため、輸出を伸ばしても、それによって稼いだ富が国内の雇用や賃金増につながるような流れ方をしていきません。
逆に、個別の企業は、国際競争を理由として、賃金を抑制することで利益を伸ばそうという動きを続けてきました。
個別企業の判断としては間違ってはいません。しかし、ただでさえ、人口減少、高齢化という、消費にマイナスの社会環境の中にあります。賃金が伸びなければ、消費が冷え込むのは当然です。賃金や家計所得が伸びなければ、経済の六割を占める消費は低迷し、持続的な経済成長にはつながりません。
個人消費の拡大による経済の持続的成長には、企業収益を起点とする経済運営から、家計所得の底上げを起点とする経済運営へとパラダイムシフトすることこそが必要であります。
安倍政権は経済団体の幹部などに賃上げを求めてきましたが、パフォーマンス以上の意味はありません。個別企業の企業利益の観点からは、可能な限り低賃金で便利な雇用を求めるのが合理的な姿勢です。日本が資本主義国である以上は、幾ら政治的に圧力をかけても、株主に責任を負っている企業経営者がこれと大きく異なる経営判断をすることは困難であります。
個別企業が個社の利益の観点から賃金を抑制している結果、全体としての所得水準が抑制され、消費を冷え込ませている現状は、まさに合成の誤謬です。政治が富の流通を促し、全体としての経済を成長させる必要があります。この視点が欠けていることが、経済の持続的成長をもたらさないことの原因です。
こうした問題意識のない安倍政権は、到底信任することができません。
更に申し上げれば、こうした個人消費が伸びずに消費不況の状況にある中で、安倍政権は十月からの消費税増税に踏み切ろうとしています。消費が冷え込み、しかも、そこに大きな心理的要素も背景に横たわっています。こんな状況の中で消費税を引き上げれば、消費が更に冷え込み、経済に打撃を与えることは間違いありません。
経済の実態を踏まえず、そして消費者心理に寄り添おうとせずに消費税増税を断行しようとしている安倍政権は、この点からも信任することができません。
もっとも、富の流通を促すために再分配をするといっても、単純にばらまくのでは、財政的に持続可能性がありません。効果的な再配分が必要であります。少子化による人口減少、超高齢化社会という時代状況を踏まえて、最優先すべきは、子育てや老後の安心を高める公的なサービスを充実させるため、低賃金で人手不足の分野において賃金を大幅に引き上げることであります。
介護にしても、保育にしても、公的に資金がどれぐらい流れるかによって、賃金には事実上の上限がかけられております。本来の経済の論理からいえば、人手不足である分野においては賃金が上昇し、そのことによって人を集めてくる、これが経済のメカニズムでありますが、介護の事業を営む者にとっても、保育所を経営する者にとっても、その資金の大半を国などからの公的な資金に頼っている以上、そこから流れてくる資金に限りがある限りは、幾ら人手不足であっても、賃金を引き上げることによって人手不足を解消することができません。このことが、高齢化がとっくの前から言われている中で、その高齢化の進みぐあいに対して介護サービスの充実が追いついていかない大きな要素であり、保育所が不足をしていると言われる中で、各自治体が保育所をふやすことに努力をしていながら、そのスピードが残念ながらまだまだ十分ではないことの最大の要因であります。
私たちは、こうした分野を中心として、安心をつくる上で必要な公的サービス分野で、そして、そのための財源を公的な資金に頼っている分野、こうした部分の人件費にこそ、限られた予算ではありますが、重点配分をして、将来への不安を小さくするとともに、もともと低賃金でありますから消費性向の強い皆さんであります、こうした皆さんの賃金に回した資金は、そのままほとんど全額が消費の拡大につながるということを指摘しておきたいというふうに思っています。
これに対して、保育士や介護職員などの賃金に更に集中的に資金を回すべきであるという我々の主張を顧みることなく、安倍政権は保育所などの無償化を断行しようとしています。
もともと、保育所の保育料は応能負担です。所得に応じて、低所得の人たちは従来から保育料は免除をされています。所得の比較的高い人たちにはそれなりの保育料を負担していただいており、財源にゆとりがあるならば私たちも一刻も早くそれを無償化すべきであると考えますが、こうした財源をまずは保育所の不足という今喫緊の課題の方に回すべきであり、明らかに優先順位を間違えた使い方であると言わざるを得ません。
現場の実態に全く寄り添わない、踏まえない政策であって、今、人口減少の中で重要視しなければならない子育て支援について、こうしたとんちんかんな政策を進めているという一点をもってしても、不信任に値すると言わざるを得ません。
所得の再分配政策として波及効果、二次的効果が大きいのは、農業などの第一次産業の経営の安定であります。
土、水、空気、緑、そして地域社会を守る。水産業は国境を守る。一次産業には公的な役割がありますが、その役割は更に拡大をしています。一方で、この間、自由貿易が拡大をしていく中で、その代償であるかのように、農業経営など一次産業の経営は不安定化しています。こうした皆さんが安定的に持続的に一次産業を営んでいけるような再分配は、公的な役割の観点からも合理的であります。
地方における基盤産業である一次産業の安定化なしに、幾ら地方創生などを叫んでも、地域の活力を取り戻すことはあり得ません。
安倍政権は、米作農家の経営安定に大きく貢献してきた米の直接支払交付金について、平成三十年産米から廃止をしました。農業、林業、水産業などさまざまな分野で、他の産業と同一視し、経済効率のみを過度に追求する施策を推進してきました。
多面的機能を評価し、一次産業の経営安定を図るべきという方向性に大きく逆行をするものであります。こうした一次産業に対する姿勢も、不信任に値するものであります。
公的役割を持つサービスや一次産業にとどまらず、いわゆる民間企業、民間での労働者の皆さんに対しても適切な再分配がなされなければなりませんが、民間企業に対して国が直接賃金等をコミットすることはできません。労働法制などを通じて間接的に関与するのが資本主義の原則であります。
こうした状況の中で、安倍政権は高度プロフェッショナル制度を強行いたしました。明らかに時代に逆行をしています。
労働時間規制が及ばない労働者をつくるという、労働法制の基本に、本質に反するものであり、これを不適切データをもとに審議し、採決を強行いたしました。これだけでも不信任に値するものであります。
間接的にしか関与はできませんが、そうした民間企業において賃金の底上げを図るためには、むしろ、働いたら賃金をもらえるという当たり前のことを当たり前に実現することであると考えます。
そのためにまずやらなければならないのは、サービス残業を許さないことであります。残業したら残業代を払う、それは、強行した高度プロフェッショナル制度などを除いて、法律で決められた当たり前のルールであります。残業しながら残業代が支払われない、サービス残業は明白な違法行為であります。この違法行為を厳しく取り締まることによってだけでも、働いている皆さんの賃金の底上げを図ることができます。
もちろん、やり方とやる順番は気をつけなければなりません。
大手企業における労働分配率は、大変低い水準で横ばいです。一方で、中小零細企業においては、実は労働分配率は非常に高い水準で高どまりをしています。
したがいまして、労働分配率が高い中小零細企業において更に労働分配を進めることを促せば、経営自体が成り立たなくなり、日本経済にとっても大きな打撃となります。
しかし一方で、大手企業の多くは、低い労働分配率の中で内部留保を積み重ねています。こうした企業において、サービス残業という違法行為を行っていることに対しては厳しく取締りを行う、これは、政府の姿勢、方針をしっかりと示せば、まさに行政の運営によっていつでも実現できることであります。
こうした努力をすることもなく、むしろ唯々諾々と、労働分配率の低い、内部留保をたくさんためている大企業が更に労働者を便利に安く使い捨てできる、そうした方向への労働法制を積み重ねてきた安倍政権は、到底信任することはできません。
外交についても申し上げます。
外交についても、やっているふりばかりで、成果に結びついていないばかりか、我が国の国益を損ね続けていると言わざるを得ません。
まず、日ロ関係です。
プーチン大統領と何度も会談を重ね、友好関係を強調してきましたが、プーチン大統領からは、北方四島について、一部といえども返還する意思はない旨発信されました。この間、安倍政権はなぜか、一貫して言い続けてきた、北方領土は我が国固有の領土という、こうした発言、表現をしなくなってしまいました。
領土問題について、大幅に後退をさせられたと言わざるを得ません。この一点をもってしても、安倍内閣は、信任するには到底値しないものであります。
拉致問題を始めとする北朝鮮との関係で、安倍総理や河野外務大臣は、最大限の圧力のみを繰り返し唱え続けました。河野外務大臣に至っては、北朝鮮との断交を他国に求めるような発言までしておりました。
ところが、南北首脳会談、そして米朝首脳会談が実現し、前提条件なしに会いたいと百八十度の方針転換をしたものの、北朝鮮からは事実上無視されているありさまであります。日本外交に主体的な姿勢は全く見られず、完全に蚊帳の外に置かれる格好となっております。
一方で、日米においては親密な関係が言われていますが、先日のトランプ大統領訪日の際に、日米貿易交渉について、トランプ大統領側からは、事実上日本側から大幅な譲歩があったと受けとめざるを得ないような発信があり、なおかつ、参議院選挙までは隠しておくのだという趣旨の発信がありました。
日米で密約が交わされ、選挙のために選挙後まで先送りをしたと受けとめられても仕方がない状況でありますが、これに対して政府からは明確な説明はありません。この点についても、安倍内閣を信任することはできません。
イージス・アショアの配備問題についても申し上げます。
北朝鮮情勢が大きく変化している中で、少なくとも一基一千二百億円とも言われるイージス・アショアの配備は本当に必要なのでしょうか。陸上型、固定型ですから、相手方から攻撃目標にされる、それがイージス・アショアであります。機動性のあるイージス艦の配備の方が、よほど合理的なものではないでしょうか。
しかも、防衛省による調査はグーグルアースを使ったいいかげんなもので、次々とミスが明らかになっています。AIの時代にグーグルアースを使って調査というのでは、B29に竹やりと言われた旧軍の体質と変わらないと言われても仕方がないのではないでしょうか。
配備計画が立てられている秋田と山口は、北朝鮮とハワイ、北朝鮮とグアムを結ぶ延長線上にあります。日本防衛のためではなく、米国防衛の目的ではないかと、これまた疑われても仕方がありません。
ここまで発言のメモを用意してまいりましたが、きょうになって、更に防衛省による調査に新たなミスが二カ所も発見されました。もはやイージス・アショアの配備は一旦白紙に戻すしかないと考えます。
イージス・アショアの配備だけではありません。防衛予算にはさまざまな問題があります。
現実に事故を起こし、安全性に疑問のある、そして他国が配備をむしろ撤回をしているステルス戦闘機F35、一兆円を超える資金で爆買いをしています。
オスプレイの配備にも、安全性などの点から、甚だ疑問があります。
「いずも」の空母化など、正面装備ばかり爆買いし、防衛予算は過去最大です。しかも、後年度負担というローンまでつけています。
アメリカの対外有償軍事援助、FMSに基づく購入額が増加する中で、防衛装備の調達について、日本の安全に何が必要かではなくて、アメリカが売りたいと思っているものをアメリカの言いなりになって買っているのではないかと言わざるを得ません。
そもそも、日本の安全保障については、シビリアンコントロールの観点から、大きな問題が生じ続けています。
イラク、南スーダンでの、ないとされていた日報が相次いで発見されながら、今なお、その経緯や原因は明らかになっておりません。組織的な隠蔽ではなかったと繰り返してきていますが、合理的説明はありません。
大臣や国会に情報が提示されなければ、文民統制は成り立ちません。シビリアンコントロールは、文民統制と日本では訳されていますが、民主的な統制です。内閣、大臣や議会に対して適切な情報開示がなされることがシビリアンコントロールの前提であり、それがなされていません。いわゆる大本営発表が結果的にいかに日本の国益を損なったのか、自衛隊・防衛省こそ最も敏感であるべきであります。
残念ながら、このシビリアンコントロールが十分に働いていない。そんな状況の中で、正面装備ばかり爆買いし、しかも、グーグルアースを使ったずさんな調査がなされている。日本の安全保障の観点から、安倍政権に委ねるわけにはいかないと考えます。
安全保障に関連して私が特に強い違和感を抱くのは、いまだに総理とその周辺だけが自衛隊違憲論を振り回していることであります。
私たちは、集団的自衛権の行使容認について、憲法違反と考えます。しかしながら、個別的自衛権の行使と自衛隊の存在が憲法違反でないことは既に明確であり、定着をしています。
安倍総理は、憲法違反かもしれないと思いながら自衛隊を指揮しているのでありましょうか。憲法違反かもしれないと思いながら自衛隊予算を計上しているのでしょうか。私を含め、自衛隊予算を含む予算に賛成したことのある者は、自衛隊が合憲であるという前提に立たなければ、論理矛盾となります。
確かに、私が子供のころには、自衛隊は違憲という考え方も少なからず存在しました。ある時期までは、その当時の野党第一党が自衛隊違憲論に立ち、自衛隊の合憲性が政治の大きなテーマでした。しかし、現在の野党第一党である我々立憲民主党は、自衛隊は合憲であるとの明確な立場であります。安倍総理の周辺では、二十年以上、時間がとまっているのではないでしょうか。
自衛隊の総指揮官でありながら、みずから自衛隊の合憲性について疑義を提起する総理の姿勢は、それ自体、不信任に値するものであります。
去る六月二十三日、沖縄全戦没者追悼式がとり行われ、私も参列いたしました。
知事からの思いのこもった平和宣言がなされ、衆参両院議長からも、精いっぱい沖縄県民の思いに寄り添おうという御挨拶がありました。ところが、総理だけ、何ら思いがこもっているとは受けとめられない、昨年の挨拶をコピー・アンド・ペーストしたと言われても仕方がないような挨拶であったのは、甚だ残念でありました。
辺野古基地建設問題は、アメリカとの関係という国際問題を含んでいるため、簡単に解決できることではないことは私も十分にわかっています。再び期待だけを高め失望に転じさせるということは、決してしてはならないと思っています。
しかし、これだけ県民の明確な意思が繰り返されているのに、何ら寄り添おうとする姿勢を示さず、ただただ工事を強行する姿勢は、民主主義と地方自治の本旨に反するものと言わざるを得ません。
簡単ではない、厳しい道であるかもしれませんが、一旦工事を中断し、辺野古基地建設なき普天間基地の危険性除去に向けて、真摯な日米交渉に入るべきであります。
沖縄の民意に寄り添う意思がみじんも感じられない安倍政権は、信任に値しません。
ここまでも一部述べてきておりますが、安倍政権の発足以降、森友問題、加計問題や自衛隊日報の改ざん、隠蔽問題、労働省の働き方のデータ捏造問題など、省庁横断的に、考えられないような不祥事が相次いでいます。
さらには、残念ながら、複数の官庁でキャリア官僚の覚醒剤事案というのが発覚をしています。社会的影響の大きい芸能人の同種事案以上に、私は深刻な問題であると思っています。内閣人事局制度を悪用し、官僚人事を専断し、官の世界においても安倍一強体制を築いてきた中での相次ぐ不祥事であり、内閣として責任がないとは到底言えません。
加えて、安倍内閣を構成する大臣の資質にも、ただただあきれ返るばかりであります。
国民を小ばかにしたような暴言、放言を性懲りもなく繰り返す麻生太郎副総理・財務・金融担当大臣は言うに及ばず、適材適所とは言いがたい何人もの大臣が、全くもって見当違いの暴言で国民をあきれさせ、海外にまでその恥をさらしてきました。
それもこれも、森友、加計問題を始めとして、説明責任とは口ばかり、国会審議からただただ逃げ回る安倍総理を始めとする内閣全体の不誠実かつ不見識きわまる政治姿勢が全ての問題の根源にあることは、改めて指摘するまでもありません。その責任は免れようがなく、不信任に値するものであります。
相次ぐ問題発言の中でも、特に、多様性を認める方向に逆行する発言が相次いでいること、これは深刻な問題であります。
価値観とライフスタイルが多様化する一方で、社会の分断が深刻化する日本社会においては、違いを認め合い、多様性を力にする姿勢こそが求められます。特に、LGBTQや障害をお持ちの方など少数の立場の人に対して寄り添う姿勢が全く感じられない発言が相次いだことは、甚だ残念であります。
また、女性活躍と言いながら、選択的夫婦別姓すら進められない政府・与党は、時代錯誤と言わざるを得ません。
こうした状況を放置しているばかりか、むしろ後押ししていると言われても仕方がない安倍内閣の姿勢は、到底信任することができません。
るる述べてきたとおり、延々と繰り返される立法府軽視の許しがたい行動と傲慢な姿勢によって、我が国の議会制民主主義が根底から破壊されている事態は、これ以上見過ごすことができない段階まで来ています。
公文書の改ざん、隠蔽、破棄、口裏合わせが数え切れないほど横行する中で、今回また麻生副総理による金融審議会ワーキング・グループ報告書の受取拒否が生じました。さらなるそんたくの拡大を招く重大事態です。
せっかく議論し、提案しようとしても、政府の意向と異なると受け取ってももらえない、こんなことを公然と見せつけられたら、誰もがそんたくに走らざるを得なくなります。現に、財政制度等審議会の報告書では、原案にあった年金水準低下という記述が最終段階で削除されたことも指摘されています。
国会では、これまでも、数々の重要法案について有無を言わさず強行採決し、総理が繰り返す丁寧な説明とはほど遠い姿勢が示されてきました。傍若無人の限りを尽くす姿勢によって、議会制民主主義は戦後最大の危機に瀕していると言っても過言ではありません。
そんな中、この国会では、内外に重要な諸課題があるにもかかわらず、百五十日間の会期のうち、実に百十五日以上にわたり、予算委員会を開こうとせず、国民に対する説明責任から逃げ回ってきました。見苦しい限りと言わざるを得ません。(発言する者あり)