枝野幸男の発言 (本会議)

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○枝野幸男君(続) 何でも反対、批判ばかりというのは、かつて野党につけられたレッテルでした。(発言する者あり)どうも皆さん、レッテルというのを認めていただいているようであります、自民党の皆さんは。
 しかし、野党からの提案を無視しながら、みずからの成果を誇るのではなく、六年以上前の批判ばかりを繰り返す姿勢は、与野党が逆転したと言わざるを得ません。
 私たちは、過去のみずからの歩みを謙虚に反省しつつ、そこから得られる教訓を生かし、今度こそ有権者の期待にお応えできるよう、準備を進めています。そして、安倍政権のおかしなことには徹底的に反対し、かつ、議会としての行政監視機能を十分に果たしながら、これからも建設的な提案を積み重ねてまいります。
 昨年の夏、大島理森衆議院議長は、安倍政権下で発生した、森友学園をめぐる決裁文書の改ざん問題、裁量労働制に関する不適切なデータの提示、自衛隊の海外派遣部隊の日報に関するずさんな文書管理など、一連の事件を挙げて、民主主義の根幹を揺るがす問題と断じました。国民の負託に応えるためには行政から正しい情報が適時適切に提供されることが大前提と安倍内閣の公文書等の隠蔽を指弾し、立法府による行政監視機能の強化を喚起する異例の所感を発表したのです。
 しかしながら、安倍政権はその後も、立法府からの情報の開示及び予算委員会の開催要請に対して、政権に都合の悪い情報を隠蔽し続けるとともに、予算委員会の審議拒否を続け、国民への説明責任を放棄しました。国権の最高機関であり、行政執行全般を監視する責務と権限を有する国会をないがしろにする安倍内閣の政治姿勢は、もはや異常そのものです。
 国民の生活を顧みず、みずからの政権の維持と延命のために、国民への説明、国会での審議、情報公開を拒否し続ける安倍内閣は、国民国家にとって不誠実きわまりないだけではなく、危険な存在となり下がりました。
 さて、ことし五月一日、改元されました。令和という新しい時代、スタートをいたしました。とはいえ、元号が変わっても、そのこと自体では国民生活が何ら変わるものではありません。しかしながら、先人たちはこうした時代の節目に、来し方を振り返り、引き継ぐべきものを見きわめて引き継ぎ、改めるべきものを改める機会にしてきました。
 近代化によって、内閣制度が発足してから三度改元がありました。明治から大正、大正から昭和、昭和から平成、いずれも改元から半年以内に内閣がかわっているのも偶然ではないと思います。
 今、私たちが引き継ぐべきものは、平成三十年の平和であります。平成三十年間、我が国は直接に戦争の当事者となることのない、ある意味で平和な時代を過ごすことができました。しかし、これは、私自身も含めて戦後生まれの人間にとっては当たり前のように感じられますが、決してそうではありません。近代以降、明治も大正も昭和も、我が国は我が国が当事者となる戦争を行ってきました。初めて、平成の三十年間、そうしたことがない平和の時代を過ごしたのであります。
 しかしながら、その平成の終わりに、立憲主義に反する解釈改憲で集団的自衛権の一部行使容認という暴挙がなされました。他国の戦争に介入しないという大きな歯どめが崩されています。
 一日も早く、安保法制を廃止して、立憲主義を回復させ、我が国の領土、領海を攻撃されたときはしっかりと国土を守る、しかしそれ以外に戦争はしない、この専守防衛という基本を取り戻さなければなりません。
 立憲主義に反し、憲法の平和主義を空洞化させているこの一点をもってしても、安倍内閣を信任することはできません。
 改めるべきもの、それは、平成の三十年間に直面することとなった新たな課題に正面から向き合い、対応することであります。
 一つに、少子化による急激な人口減少と超高齢社会が現実となりました。
 二つ目に、格差と貧困が大きな社会問題となるような状況になりました。
 三つ目に、個々人の生活環境が多様化し、価値観も多様化する時代を迎えています。
 経験したことがない大きな社会状況の変化にありながら、それを直視することなく、過去の成功体験に基づく硬直的な姿勢で対処をすれば、結果的に客観的な現実にふたをせざるを得ず、まさに改ざんや隠蔽などのごまかしを積み重ねることになる。まさに今の安倍政権の姿勢であります。
 戦争やあるいは疫病などによっていっときにたくさんの方が亡くなったということは歴史の中に何度もあります。しかしながら、少子化によって、継続的に、しかも急激に人口が減っていく社会というのは人類初めての経験であります。そんな中で、これだけの超高齢社会というもの、人類初めての経験であります。ですから、これまでの常識が通用しない、このことを大前提に取り組んでいかなければなりません。
 変化に対処しない姿勢は、そのこと自体のマイナスにとどまらず、政治や行政に対する信頼を失わせ、社会のモラルやモチベーションを著しく低下させています。
 私は、客観的な時代状況の変化に対応した、社会、経済、政治行政のパラダイムシフトが不可避であると考えます。
 私は、一つには、先ほど申しましたとおり、企業収益の拡大を起点としてきた経済運営から、所得の拡大と安心の増大を起点とし、社会保障と成長戦略を一体不可分のものとして推進するボトムアップ経済へのパラダイムシフトを進めるべきであると考えます。
 二つ目に、社会の分断を避け、一人一人の力を最大限発揮するため、違いを認め合い、多様性を力にする社会へのパラダイムシフトを進めていかなければならないと考えます。
 三つ目に、こうした社会や経済をつくり上げていくために、一握りの政治家が主導する、いわゆるお任せ民主主義から、一人一人の主権者が主体的、積極的に参加できる参加型民主主義へのパラダイムシフトが必要であると考えます。
 こうした大きな三つのパラダイムシフトを、主権者、有権者の皆さんとともにつくり上げていくという、新しい時代にふさわしい、新しい国家ビジョンを掲げて私たちは前に進んでいきたいと考えています。
 それは、明治における自由民権運動や大正デモクラシーにも匹敵する、民主主義のバージョンアップであります。令和デモクラシーとでも呼ぶべき、一人一人の主権者から始まるムーブメントを私は国民の皆さんに呼びかけたいと思います。
 以上、不信任の理由はまだまだ語り尽くせないほどあります。残念ながら、安倍内閣は、民主主義と立憲主義の見地から、憲政史上最悪であると言わざるを得ません。
 安倍内閣が議会制民主主義を根底から破壊している現状をこれ以上見過ごすことは到底できません。内政でも外交でも国民を欺き続ける安倍内閣が続くことは、我が国の国民生活や安全保障を破綻の道へと導くことであります。
 よって、安倍内閣の即刻の退陣を求め、安倍内閣不信任決議案を提出いたしました。
 良識ある議員諸氏が、みずからの信念と歴史への謙虚な姿勢に基づき、賛同されますことを心からお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
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発言情報

speech_id: 119805254X03220190625_014

発言者: 枝野幸男

speaker_id: 10425

日付: 2019-06-25

院: 衆議院

会議名: 本会議