宮下一郎の発言 (予算委員会)

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○宮下委員 茂木大臣から、非常にマクロ的に明確なお話があったと思います。特に、景気回復、拡大期においては、実質賃金はどうしても低くなりがちだ、そういうバイアスもかかっているということは大変よく理解できました。
 今回、この毎月勤労統計調査に関しまして、過去のデータ、特に平成二十九年以下のデータを計算し直した、補正をしたことによって、そのレベルが上がりました。したがって、平成三十年の賃金の前年比伸び率は逆に小さくなった、こういうこともございます。これに関して、賃金の上昇に関してさまざまな指摘が行われております。
 少し詳しく御紹介いたしますと、平成二十九年までは、毎月勤労調査というのは、原則、五百人以上の事業所は全数調査、四百九十九人以下、三十から四百九十九は抽出調査ということでやってきましたけれども、この抽出調査の部分は、三年に一度、調査対象を全部かえる、こういうことを平成二十九年までやってきたということです。
 ところが、その調査方法、全部三年ごとにかえてしまうと、その中に景気のいい会社がある、ないとか、そういうのでがくっと段差ができてしまう、こういう指摘もあって、これは数年来の議論を経て、平成三十年の調査からは、およそ半分の事業者だけを入れかえて、一部は残して、そんなに段差が大きくならないようにという配慮でやろう、こういう計算をしたわけです。そういうふうに半分だけかえて抽出をやって、そして全体を計算した、これが平成三十年度の本系列と言われる公表数値、これであります。
 これに対して、そういうことで入れかえをしない部分を残したわけなので、この入れかえをしなかったところだけを取り出して、二十九年、三十年、両方回答している事業所のデータだけ取り出して計算した、それが共通事業所系列と言われるデータでありまして、これは平成三十年から調査対象となる事業者が入れかわった際の影響を考慮するための参考値ということで公表をされております。
 野党の皆様から、平成三十年の賃金伸び率は、前年と同じ事業所のデータを抜き出して計算しているこの参考値こそ見るべきで、これを見ると、本系列よりも伸び率が低いじゃないか、この伸び率から便宜的にインフレ率を差っ引いて実質賃金をえいやっと計算してみたらマイナスになる、これこそが実態をあらわしているんじゃないか、こういう主張がなされております。これも、そういった面も、先ほど来、実質賃金がなかなか上がらないという構造もお話がありました。経済の一部を見ているにすぎませんで、この数字のみで経済全体を判断するのはやはり問題があるというふうに思います。
 もう少し言いますと、なぜなら、前年に存在しなかった、新たに生まれた元気のいい企業というのは、この共通事業所系列には入ってこないわけですね。それから、この残した一部の企業というのは、全体のサンプルの約半分以下でありますので、更に統計としては標本誤差も大きくなる、こういうことなので、これだけを見て全体がわかるというのは、いささか危険な議論、乱暴な議論なのではないかなというふうに思います。そもそも、非常に事業所数が多い中で抽出自体が一部を見ているということですから、更にその一部を見るという話になりますので、そこには十分配慮しなければいけないというふうに思います。
 そこで、こうしたことを踏まえまして、参考値を見ると、実質賃金は下がっている、これこそが実態だという野党の指摘に対して、どのような御認識をお持ちなのか、茂木大臣からお伺いをしたいと思います。

発言情報

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発言者: 宮下一郎

speaker_id: 14513

日付: 2019-02-04

院: 衆議院

会議名: 予算委員会