世耕弘成の発言 (経済産業委員会)
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○国務大臣(世耕弘成君) 平成三十一年度の経済産業省関係予算案について御説明申し上げます。
日本経済は、六年にわたるアベノミクスの推進により、四半世紀ぶりの好調さを続ける雇用情勢など、大きく改善しています。こうした動きを継続、拡大し、経済の好循環を力強く回していくことが必要です。また、データをめぐりグローバル競争が厳しさを増しており、競争力強化と通商戦略が急務となっています。人口減少下でも持続可能で活力ある地域経済の実現、環境と成長の好循環の実現に向けたエネルギー・環境政策、福島復興の加速など、経済産業政策の重要課題への取組を力強く進めてまいります。
このため、平成三十一年度の経済産業省関係予算案は、一般会計三千五百五十億円、エネルギー対策特別会計七千二百三十億円、特許特別会計千六百四十一億円、合計一兆二千四百二十一億円を計上しました。また、復興庁計上の東日本大震災特別会計のうち四百十六億円が経済産業省関連予算案として計上されております。
これに加え、臨時特別の措置として、ポイント還元事業、商店街活性化事業及び国土強靱化事業として三千五百四億円を計上しております。
平成三十一年度予算案について主要な柱に沿って御説明いたします。
第一の柱は、データを核としたオープンイノベーションの推進によるソサエティー五・〇の実現です。
第四次産業革命が進展する中、データは国家や企業の競争力の源泉となっています。二年前からコネクテッドインダストリーズというコンセプトを提唱し、各分野でのデータ連携やAIの活用を推進してきました。事業者間のデータ共有プラットフォームの整備を支援することで、協調領域の拡大を図るとともに、AIベンチャー等と連携したデータ活用、サービス開発を支援してまいります。
グローバルに戦える、潜在力のあるベンチャー企業をJ―Startup企業として選定し、海外のスタートアップイベントへの出展などを支援することで、世界進出を後押しします。
データの有効活用には、そのための人材やサイバーセキュリティーの確保が不可欠です。サプライチェーン全体でサイバーセキュリティーを確保するため、産業分野別にガイドラインを策定し、その実施状況を確認する体制を構築します。
第二の柱は、新たなルールベースの通商戦略です。
世界で保護主義的な動きが広まる中、日本は自由貿易の旗手として、六月のG20の機会も活用しながら、自由で公正な国際ビジネス環境構築のための取組を進めます。
昨年末発効したCPTPPや、本年二月に発効した日EU・EPAなどを活用し、中堅・中小企業の海外展開を積極的に支援します。
第三の柱は、地域・中小企業の新たな発展モデルの構築です。
全国三千万人を超える雇用を擁する中小企業・小規模事業者は、日本経済の屋台骨です。この屋台骨をより強固にしていくための取組を進めてまいります。
地域経済の核となる約三千七百社の地域未来牽引企業を集中的に支援します。昨年は、地域未来牽引企業サミットを開催し、参加企業の新たなビジネス展開をサポートする機会を設けました。支援体制を強化して、地域を牽引する企業が行う未来への投資を強力に後押しします。
裾野の広い中小企業の生産性を底上げするため、ものづくり・商業・サービス補助金により、新たな製品開発などの挑戦や生産性を引き上げる設備投資を支援します。小規模事業者持続化補助金などにより、販路開拓への支援も行います。
大阪・関西万博については、昨年十二月に私が国際博覧会担当大臣に指名され、一月三十日には、二〇二五年日本国際博覧会協会が設立されました。大阪・関西万博を成功させるため、皆様にも引き続き御協力をいただきながら、政府、自治体、経済界が一丸となり、オールジャパン体制で準備を進めてまいります。
第四の柱は、エネルギー転換等を通じた環境と成長の好循環です。
環境と成長の好循環の実現には、革新的なイノベーションが不可欠です。日本が世界をリードする水素社会の実現に向けて、各国と連携して技術開発や規制の見直しを進めるため、昨年十月に世界初の水素閣僚会議を日本で開催し、東京宣言を発出しました。平成三十一年度の水素関連の政府予算案を前年度の約一・五倍とするなど、政策資源を集中投資します。
再生可能エネルギーの主力電源化を目指し、コスト低減や次世代型のネットワークに転換していくために、技術の開発や実証を進めます。
また、メタンハイドレート等の国産資源開発や、原子力の安全性、信頼性等の向上を進めます。
第五の柱は、成長と分配を包括した新たな経済社会システムの構築です。
エドテックを活用した個別最適化学習など、新たなテクノロジーを活用した教育手法を学校教育へ導入するための実証を進めます。
また、民間ビジネスの拡大によって、予防・進行抑制型の健康・医療システムへの転換を図ります。認知症の超早期予防や発症後の生活支援、介護の生産性向上等の課題に対応するため、質の高い製品、サービスの社会実装を推進します。
次の柱は、福島復興の加速です。
安全かつ着実な廃炉・汚染水対策と福島の復興は、経済産業省の最重要課題です。廃炉・汚染水対策については、引き続き、中長期ロードマップに基づき、安全確保最優先、リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ、地域社会とのコミュニケーションを一層強化しながら進めていきます。
福島の復興については、既に帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、残る区域でも大熊町役場がこの春八年ぶりに町に戻るなど、復興再生に向けた動きが着実に進んでいます。こうした流れを本格的な福島の復興につなげていくため、官民合同チームのきめ細かな支援による事業、なりわいの再建や、福島イノベーション・コースト構想の推進による新たな産業基盤の構築を進めます。
以上、御説明した事業に加え、平成三十一年度予算案においては、次の臨時特別の措置を講じます。
昨年の北海道胆振東部地震で、北海道全域で大規模停電が発生した反省などを踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づき、ガソリンスタンドや製油所などにおける自家発電設備や蓄電池の整備等を進め、災害に強いエネルギーインフラを構築します。
日本経済の安定的な成長に当たって、当面の重要課題は、今年十月に予定されている消費税率の引上げによる景気の落ち込みを抑え、乗り切ることです。八%への引上げ時の反省を踏まえ、あらゆる施策を総動員します。
そのような取組の一つとして、需要の平準化と中小企業・小規模事業者のキャッシュレス対応を進めるため、消費税率引上げに伴う柔軟な価格設定ガイドラインの公表に合わせて、中小企業・小規模事業者については、消費者に対するポイント還元支援を行います。また、インバウンド観光などの新たな需要を取り込もうとする商店街の取組を支援します。
以上が平成三十一年度経済産業省関係予算案の概要でございます。
委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。