風間直樹の発言 (決算委員会)
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○風間直樹君 よろしくお願いします。
今日は、最初、行政監視に関する質疑をやりまして、その後、拉致問題についての質疑を行います。
二〇〇七年から本年まで、私、十二年間参議院でお世話になっておりますが、この十二年の間に実に様々なことがありました。行政監視という観点から、何が起こったかを挙げてみました。
二〇一〇年前後から、まず検察不祥事、栃木県の幼女四人連続誘拐殺人事件で冤罪になった菅家さんの事件、それから、厚生労働省の郵便不正問題で冤罪になった村木さんの事件、その後、事務次官になられました。それから、当時、西松事件というのがありまして、小沢一郎議員の秘書が逮捕され、これも冤罪だったと。その後、東日本の大震災で原発事故が起き、津波の可能性が予測されていたにもかかわらず、津波にかぶって全電源喪失となった。このとき浮かび上がったのが経産省と当時の保安院、そして電力会社との癒着でありました。さらに、この震災をめぐっては、その後、復興費の流用問題というのが起きています。
これ、いずれも、我が国の官僚機構をめぐる様々な癒着や不正、問題、行政監視、国会の行政監視あるいは我が国の政府に対する内部統制機能による行政監視が求められた事件です。
そして、自民党に政権が戻って後、森友問題、総理夫人付きの職員に関わる問題、あるいは佐川国税庁長官が辞任に追い込まれた公文書の破棄事件、そして加計問題、また財務省の福田事務次官によるセクハラ問題と。どの政党が政権与党になったとしても、やはりこの行政監視が求められる、様々な官僚機構による不祥事が起きてきたということだろうと思います。
それで、日本の小中学校、高校の教科書では、国会というのは一体何をするところだという記述が当然ありますけれども、これは立法機関であり、国権の最高機関ですという記述がほとんどです。私は、国会議員になってみて初めて、実は国会の役割というのはそれだけじゃないんだということを知りました。もう一つ、大変大事な役割がある。それが行政を監視すること。
諸外国ではこの行政監視についてどういう言葉でどういう概念が語られているのかなと思いまして、アメリカに長年住んでいる日本人のこうした問題に非常に詳しい方に聞いてみたら、風間さん、アメリカではそれはチェック・アンド・バランスという一言で説明をされています、連邦議会の最重要の役割の一つがチェック・アンド・バランスです、日本はどうなっていますかと、こう逆に聞かれました。
日本は議院内閣制ですので、国会での多数党が政府を構成します。この多数党が国会でも当然多数ですので、国会が本来、政府、行政に様々な法律の不誠実な執行という問題が生じたときに、それを監視をし、チェックをしなければいけないんだけれども、日本の国会ではなかなかそれが働きにくいというのを私は感じてきました。野党が少数だからであります。
では、国会でこの政府の行政を監視するその役割を担っているものは国会議員だけなのか。そうではありません。政府に対する内部統制機関があります。それが会計検査院であり、人事院であります。
検査院は、御案内のとおり、憲法でその独立性を明記された憲法機関であります。この検査院に対する主権者国民の期待は非常に強い。同時に、人事院も、国家公務員法でその内閣の所轄の下に置かれと、高い独立性を付与された組織であります。所轄ということの意味は、私なりに解釈をすると、人事院のトップ、総裁に対する任命は内閣総理大臣が行う、そして、この人事は国会同意人事であり、国会も責任を持ってその人が適格かどうかを判断する。しかし、人事院の総裁は、内閣の所轄の下にある組織のトップなので、任命権者である総理に対して、一切遠慮することなく、行政に法律の不誠実な執行があれば、それを国家公務員法に基づき適切にチェックをし、正す役割を負っているということであります。
こういう視点から、この決算委員会でここ数年にわたり様々な質問を会計検査院長、人事院総裁と行ってきましたが、どうも答弁を聞いていると、本当にこの人たちは、憲法上あるいは国家公務員法上、自分たちが高い独立性を与えられているということをしっかり自覚をして仕事をしているんだろうかと疑問に思うことが度々ありました。
そこで、今日はこの点をお尋ねしたいと思います。
まず、検査院長にお尋ねをします。
私は、この内部統制機関、検査院や人事院、どうも機能不全だなと。これまで冒頭に挙げたような問題に対してそれぞれの組織がどのように対処するかをお尋ねしてまいりましたが、どうも覚悟と責任を持って対処をするという姿勢に欠けるように感じてきました。
じゃ、何で機能不全になっているんだろうと問題を突き詰めていったところ、どうやら、検査院も人事院も六十歳前後で職員の皆さんが事実上退職をされ、その後再就職をするときに、そこに何らかの力関係が働いているんじゃないかということを感じました。つまり、度々指摘をしてきましたとおり、様々な省庁によるこれら機関の職員の再就職に際しての口利きの疑惑であります。
そこで、検査院長にお尋ねします。
さきの委員会でも質疑をいたしましたが、検査院職員の検査対象機関への再就職、これは国民の信用を失わせることは明らかです。この点、議論の余地はありません。これは一般常識のレベルの話だと思います。しかし、検査院長の本委員会での答弁によりますと、検査院の職員は他の一般職の職員と同様で、国家公務員法上合法だから再就職先の制限はできない、自粛すら無理というのが院長の考えのようであります。
検査院は行政監視的機能を有する憲法機関ですから、国民の信頼確保のために再就職について特に厳重な注意が必要だと思いますが、院長の認識をお尋ねします。