福島みずほの発言 (厚生労働委員会)

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○福島みずほ君 優生政策は、ナチス・ドイツによって、恐らく歴史上最も非人道的な形で実施をされました。ナチス・ドイツは、強制的な不妊手術を合法化するために一九三三年に断種法という法律を制定します。これをお手本として、日本は一九四〇年に国民優生法という法律を制定しています。優生保護法は、敗戦を間に挟みつつも、この国民優生法の延長線上で生まれたものです。
 優生保護法の第一条は、この法律の目的として、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止することをはっきりと記しています。まさに優生思想に基づいた法律です。
 そして、実態は、貧困家庭あるいは施設に入所している子供などにも及びます。障害者手帳を持っていない状態でも手術がなされている例があります。人口政策として、手術をして子供を持つことを許さないということが法律を根拠になされたのです。
 法律はもちろん問題ですが、法律を超えて、コバルト照射や子宮摘出なども行われます。個人の尊厳を踏みにじり、将来子供を持つことをあらかじめ奪ってしまうもので、未来を奪ったとも言えるものです。性と生殖の権利、リプロダクティブライツ・アンド・ヘルスを侵害しています。
 深刻なことは、日本国憲法の下で一九四八年にまさに議員立法の第一号として全会一致で成立したことです。そして、優生保護法は一九九六年まで存続をします。この法律に基づく最後の手術は一九九二年です。最年少は九歳の女の子です。優生手術は二万五千人の人に対して行われています。
 強制不妊手術が長年にわたり行われたことについて、第一義的責任は国会にあります。国会がこのような法律を制定しなければ、このようなことは行われなかったのです。国会は、このような法律を制定したことについて反省し、謝罪をしなければなりません。国会こそが優生思想を克服し、乗り越えていかなければならないのです。議員立法で優生保護法ができたのであれば、今度は国会でそれに対する救済法を作らなければならないのです。国会で救済法を作ることそのものが国会の反省と謝罪であり、国会の意思です。
 後ほど提案されるであろう一時金の支給等に関する法律案の中で、起草案の趣旨において、「我々は、それぞれの立場において、」とあるのは、旧優生保護法を制定した国会や執行した政府を特に念頭に置くものでありますとされています。なぜこのような法律が作られ、なぜそれを止めることができず執行され続けたのか、問われなければなりません。
 一時金の支給等に関する法律案は、全ての政党の実に多くの議員の思いと努力によって作られました。この委員会に所属するたくさんの皆さんたちもこのことに関わっていらっしゃいます。立法者の一人として、そのことを説明させてください。
 私は、二〇〇四年三月二十四日、この厚生労働委員会で坂口厚労大臣に対し、同じく十一月九日、尾辻厚労大臣に対して質問をします。二〇一六年三月七日、女性差別撤廃委員会が強制的な優生手術を受けた被害者に対する具体的な取組を行うことを勧告します。そこで、この厚生労働委員会で塩崎大臣に対し質問をします。大臣は、本人から要望があれば事情を聞くと答弁をしてくれました。この答弁を受けて、厚生労働省のヒアリングを七回行いました。
 二〇一八年一月三十日、国家賠償請求訴訟が仙台地裁に提訴されます。そのことをきっかけに、悲惨な実態を明らかにするよう求める声が高まります。そこで、三月五日、多くの超党派の議員で議員連盟を立ち上げます。三月十三日、与党ワーキングチームが発足をします。議員連盟の活動として、勉強会と並行し、厚生労働省に実態調査を求めてきました。二〇一八年五月二十四日に法案作成プロジェクトチームを立ち上げ、議員連盟の勉強会十回、法案作成プロジェクトチームの会合十回、これらを開催する中で、被害当事者の方々、弁護団、優生手術に対する謝罪を求める会、日本障害者協議会、DPI日本会議、DPI女性障害者ネットワーク、全日本ろうあ連盟、自治体議員、国会図書館、学者の皆さんなどのヒアリングをしました。協力してくださった皆さんに深く敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
 支援者団体や障害者団体から、迅速な謝罪と補償、何が起きたのかを丁寧に検証し、優生思想の本質に向き合うべき、被害状況について関連資料の収集と保存体制をつくるべきだということの要請を受けました。被害者の皆さんは高齢になっており、裁判が全て確定をしてから立法したのではほとんど救済ができなくなってしまいます。一日も早い謝罪と給付金の支払をしなければなりません。迅速な対応をするために、与党ワーキングチームと議員連盟と調整を行い、法案策定をしてきました。
 私たちのこの社会が本当に優生思想を克服しているのかどうか大変疑問です。津久井やまゆり園の事件は、この社会に根深く優生思想があることを私たちに突き付けています。法律が成立することで、国会が優生思想を克服し、手術を受けさせられた皆さんへの心からの謝罪となるようにと思います。
 この法案は当事者を対象としていますが、苦難を共にしてこられた配偶者、兄弟姉妹、子供など、家族の皆さんの労苦にも応えるものになればと思います。法案が成立しても、そこからがスタートです。この社会が全ての人にとって生きやすい社会となるようにしていかなければなりません。
 厚生労働省にお聞きをいたします。
 周知と申請者への対応についてお聞きをします。
 法律の趣旨、内容についてどのように広報していくのでしょうか。障害の特性に応じて周知などをすべきだと考えますが、いかがですか。

発言情報

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発言者: 福島みずほ

speaker_id: 23322

日付: 2019-04-23

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会