讃岐建の発言 (行政監視委員会)
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○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。
地方におきましては、人口減少や高齢化、過疎化などにより、御指摘のように、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれているいわゆる買物弱者等の問題、管理不全の空き家問題など様々な社会問題が生じております。こうした中、自治体の現場を始め様々な取組が行われているところでありますけれども、行政評価局の調査を通じて課題解決に向けた施策の後押しをしていくことを狙いとして調査を実施しております。
買物弱者対策でございますけれども、買物弱者対策に関する実態調査につきまして、平成二十九年七月に公表したところでございますけれども、買物弱者への対策の実態を明らかにするとともに、効率的、持続的な取組を推進する観点から、国や地方公共団体の事業等の状況や事業者における取組状況などを調査したものでございます。
調査の結果として明らかとなったことといたしましては、まず、国の買物弱者への取組については、明確な所管府省がなく、厚生労働省の高齢者福祉、農林水産省の食品流通、経済産業省の流通政策、国土交通省の地域交通確保等の施策が結果的に買物弱者対策に資するものとなっている、また、買物弱者の定義が明確ではなく、関係府省や一部公共団体が整理をしているのが実情であり、買物弱者数の推計値にも大きな差が生じているなどの状況であります。
地方公共団体の取組につきましては、国と同様に、高齢者福祉、地方商業振興、地域交通確保等を目的とした事業が結果的に買物弱者対策に資するものとなっておりますが、やはり買物弱者の実態把握を行っている団体は、調査対象とした八十七団体のうち約半数の四十三団体にとどまっているという状況でありました。
事業者の取組につきましては、調査時点で事業を継続していた百九十三取組のうち事業収支が黒字又は均衡の取組は八十七取組でありましたが、このうちの三十取組は市町村からの補助金により赤字を補填しており、取組の継続には行政の支援が必須となっており、事業者等が自立して事業を継続することが難しい状況が見られた。また、中山間地等の集落の買物弱者には移動販売の方法が有効でありますが、移動販売車に流水式手洗い設備が必要とされているほか、都道府県の区域をまたぎ営業するにはそれぞれの都道府県の許可が必要とされており、これらの規制の見直しを求める意見、要望があったところであります。
このため、買物弱者対策の重要性を認識し、関係施策の情報等を各府省間で共有することが重要でありますことから、買物弱者対策を推進していくためには、国及び地方公共団体が買物弱者対策を行政上の課題として捉え、積極的に関与していくことが重要である、また、今後地方公共団体が買物弱者対策を推進していくに当たっては、買物弱者の実態を把握し、買物弱者対策への認識を向上することが重要である、関係府省は買物弱者対策の重要性を認識し、それぞれの所管行政と買物弱者対策の関わりを整理した上で、関係施策の情報等について共有することが重要である旨の通知を関係府省に対して行ったところであります。
また、厚生労働省に対しては、移動販売の許可の取扱い及び移動販売車の設備基準の見直しについて都道府県等に周知する必要がある旨の通知を行ったところであります。
次に、空き家対策でございますけれども、空き家対策に関する実態調査について、全国的に空き家が増加する中で空き家対策の推進に関する特別措置法が成立し、平成二十七年に施行されたところであります。一方、法施行後二年が経過した段階で自治体の実情を聞くと、多くの自治体では、担当職員数名の体制で空き家の所有者等の特定に多大の業務負担が生じていたり、周囲に悪影響を及ぼすおそれのある特定空き家等に対する代執行について、費用回収を含めその実施手順のノウハウがなく、実施に至っていない状況が見られたところであります。
本調査では、自治体の空き家対策を後押しすることを目的として、代執行を実施していた言わば先進的な三十七市町村を中心に全国九十三市町村に対し調査を実施し、調査の結果、詳細が判明した七十二市町村におけるまず空き家所有者等の特定業務を見たところ、一万一千五百六十五戸の空き家についてその所有者の特定を図ったところ、九五%、一万九百八十九戸は特定されておりましたが、そのプロセスを見ると、全ての市町村において、空き家法の施行により可能となった固定資産税情報が活用されているなど、法による措置が大きな効果を上げていることが明らかとなった一方、それでもなお、所有者が数十年前に死亡しており、相続人が数十人に及び連絡等に時間と手間が掛かる例など、特定が困難で大きな負担が生じた事例もあったところでありますが、これらの事例に対して、一部の市町村では、福祉部局や地元自治体と連携協力するなど、工夫して対処している例が見られたところであります。
次に、周囲に悪影響を及ぼすおそれのある特定空き家に対しましては、空き家法により除却等の代執行が可能となったところでありますが、費用回収や具体の実施手順が不明として、対応に苦慮している市町村が多く見られたところであります。また、代執行を実施していた市町村を見ても、費用を全額回収できていたのは四十八事例中五事例のみと、一割程度にとどまっていたところであります。
一方で、代執行を実施していた市町村の中には、財産管理人制度を活用して除却後の土地を売却し費用を回収した例や、除却する際に更地にするのではなく基礎部分は除却しないこととすることで工事費用を圧縮するなど、少しでも費用負担を減らす工夫をしている例も見られたところであります。
本調査は、これら具体の事例を報告書に盛り込むことで自治体担当者の現場での参考になるよう意図したところであり、このような取組に関する情報を共有することが各地における空き家対策の更なる取組の推進に資することを期待し、関係省に対し通知を行ったところであります。
今後とも、このような調査を通じて、地方が直面する課題の解決に向けた施策の後押しをしてまいりたいと考えています。