大門実紀史の発言 (財政金融委員会)
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○大門実紀史君 やっぱり今ございましたとおり、書いてもございますけれど、このガイドラインの目的というのは、先ほどもございましたが、消費税増税に伴う駆け込み需要と反動減、これを平準化すると、こういうことが一番の目的でございます。そして、そのモデルとされているのがヨーロッパということであります。
ヨーロッパは、付加価値税の税率引上げに当たって、事業者がどのタイミングで自社の製品あるいは小売の価格を上げるかどうかというのはそれぞれの経営判断に任されているわけでございます。それはなぜかといいますと、基本的な仕組みとして、付加価値税というのは、日本の消費税も同じでございますが、結局、売上げに掛かる税金マイナス仕入れに掛かる税金を引いて納めると。言ってしまえば、売上げマイナス仕入れの粗利益に税金が掛かるのと同じことになるわけでありまして、したがって付加価値税と、粗利益付加価値税と言われるわけですね。
ですから、要するに、お客さんからもらえようがもらえまいが、粗利益掛ける税率で納めてくださいよと、税務署に納めてくださいよという税金でありますので、ヨーロッパは最初からそれははっきりしていますから。要するに付加価値税もコストなんだと、一つのコストですから、そのコストを経営上どこで価格に転嫁するかは経営判断に任されてきているという、そういう流れにあるわけですね。
ですから、ヨーロッパの場合は税率引上げの日に一斉にみんなで価格を上げるということは起こらないで、それぞれ経営判断で自由に設定してやっていると。ですから、駆け込み需要、反動減も発生していないということでありまして、そのまねをしようということに急になったわけでございます。
書いてあることは、このガイドラインに書いてあるのは、要するに日本もヨーロッパに見習って、消費税率引上げの期日前に、十月一日なら十月一日に一斉に上げるんじゃなくて、その前に上げてもいいですよ、その後に値下げしてもいいですよと。要するに、後で計算上の消費税を納めてくれれば、価格設定は自由にやっていいですよということに今度しようということですね。したがって、今まで増税のときに一斉に還元セールみたいな、二%引き、三%引きというようなことを抑制的にしていたわけですが、今度はそれもどんどんやっていいというようなことがこのガイドラインの二枚目、三枚目辺りにいろいろ書かれているということでございます。
そうやれば、駆け込み需要と反動減の大きな落差が少なくなって平準化されるということだと思うんですけれども、これはもう何年か前から財務省出身の学者の方が、ヨーロッパではそうやっているから日本でもこうしたらというふうなことを提案されてきたのは知っておりますけれど、ヨーロッパでやっているからといって、いきなり日本でこれが当てはめていいのかという問題でございます。
資料の一番後ろに、先ほど麻生大臣のお話もございましたが、駆け込み需要とか物価の動向、消費の動向が、その参考にした、これ財務省の資料ですけれども、ドイツやイギリスと日本との消費税、付加価値税率の引上げ前後の物価と経済の動きの表になったものでございます。
何が言えるかといいますと、一段目の物価の動向を見ていただきますと、ドイツやイギリスはインフレ状態でございます。日本はデフレです。ですから、ドイツ、イギリスでは、増税前から物価が上がってきて、増税後に若干引き下がりますけれど、そしてまた物価上昇すると。これはインフレだからでございます。それに対して日本は、ずっと物価がデフレでフラットに来て、増税で上がって、またデフレですからフラットになると、こういうことになるわけですね。
したがって、インフレとデフレではそもそも消費者の行動パターン、事業者の行動パターンが全く違います。大きな違いがあります、もうこれ初歩的な問題なんですけどね。にもかかわらず、このヨーロッパをいきなり日本で、デフレの日本で当てはめようと。
これは、このヨーロッパのことを見習うというか、まねするに当たり、内閣官房はこのデフレとインフレとの違いというのは考慮されたんでしょうか。