財政金融委員会

2019-05-14 参議院 全141発言

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会議録情報#0
令和元年五月十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     野上浩太郎君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     松川 るい君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 健治君
    理 事
                長峯  誠君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                風間 直樹君
                藤巻 健史君
    委 員
                愛知 治郎君
                大家 敏志君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤末 健三君
                古川 俊治君
                松川 るい君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                長浜 博行君
                大塚 耕平君
                古賀 之士君
                熊野 正士君
                杉  久武君
                中山 恭子君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       財務副大臣    鈴木 馨祐君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長尾  敬君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       大角  亨君
       内閣官房内閣審
       議官       藤本 康二君
       内閣府大臣官房
       審議官      黒田 岳士君
       金融庁総合政策
       局長       佐々木清隆君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       消費者庁審議官  高島 竜祐君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省国際局長  武内 良樹君
       国税庁次長    並木  稔君
       厚生労働大臣官
       房審議官     八神 敦雄君
       厚生労働大臣官
       房審議官     諏訪園健司君
       農林水産大臣官
       房審議官     山北 幸泰君
       経済産業大臣官
       房審議官     島田 勘資君
       中小企業庁事業
       環境部長     木村  聡君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   前田 栄治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (消費税率引上げの判断に関する件)
 (金融機関のローン担保証券保有に関する件)
 (企業の食事補助制度に対する税制措置に関す
 る件)
 (金融分野における認知症施策推進に関する件
 )
 (暗号資産に係る課税関係に関する件)
 (消費税率引上げに伴う価格設定に関する件)
 (消費税率引上げの金融政策に与える影響に関
 する件)
○金融機能の早期健全化のための緊急措置に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
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中西健治#1
○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大角亨君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西健治#2
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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中西健治#3
○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事前田栄治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西健治#4
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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中西健治#5
○委員長(中西健治君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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愛知治郎#6
○愛知治郎君 おはようございます。自民党の愛知治郎です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、時間も限られておりますので、消費税についてお伺いをしたいと思っていたんですが、その前に、先週のこの財政金融委員会でも大分議論になったMMTについて確認をさせていただきたいと思います。
 私は、いろんな意見あると思うんですが、私はこの考えは取り得ないと思っておるんですが、改めて大臣の見解を伺いたいと存じます。
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麻生太郎#7
○国務大臣(麻生太郎君) 今、愛知先生お尋ねの、何というか、現代金融理論ですかね、モダン・マネタリー・セオリーと通称よく言われているMMTという話なんですけれども、極端な言い方すれば、自国で通貨を発行しているという国は通貨を限度なくプリントできますから、そういった意味ではデフォルトに陥ることはねえと、だから政府債務残高がどれだけ積み上がっても問題ないんじゃないかという考え方を、極端な言い方すればそういう考え方に基づいたのがえらく格好よく理論付けされているように見えるんですけれども、そういったものが西田先生に限らずいろんな方々が唱えておられるやに聞いておりますのは私ども知らないわけではありませんが、こうした考え方に基づいて、これに対して米国では、例えば昔からこういったことに詳しい、FRBではグリーンスパンとかサマーズとか、最近でも今のFRBのパウエルとか、そういった著名な経済学者また市場関係者等々からは、そういった話は、これは為替市場とかマーケットに対する影響を全然考えていないという点とか、また、下手すればえらい勢いで、どなたかがお好きなハイパーインフレの話になりかねぬというおそれがあるなど、否定的な見解が示されているんだというように承知を私どもはしております。
 いずれにしても、我々としては、グローバルな経済とかインターナショナルな世界の中で、金融市場というものの中で、いわゆる、何ですかね、経済とか財政とか金融とかいうのを行っている日本として、市場から受け入れられているということではないような理論とか、今、理論が別に確立したわけでもないし、どこで実験したわけでもない、そういったような議論になっていろいろやっておられる理論に基づいて日本の金融市場とか財政とかいうものを運用して実験場にしてみるといったような気持ちは全くありません。
 引き続き、私どもとしては、新経済とか財政再生計画とかいろんなことを申し上げてきておりますので、そういったものの歳出と歳入両面の改革というのを引き続き実行して、二〇二五年度までにまずはプライマリーバランスというものをきちんとして、債務残高の対GDP比というものを引下げというものを目指してまいりたいというように考えております。
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愛知治郎#8
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 この点では疑ってはおらなかったんですが、非常に冷静な見方をしていただいているということで安心をいたしました。
 実は、いろんな議論があって、私は不勉強でこのMMT全部分かっているわけではないんですが、少なくとも、いろんな文献、いろんなお話を聞いているときに数字が全く出てこないということに不安を覚えているところであります。インフレにならない限り際限なく歳出拡大をしていいんだという話ではありますが、じゃ、どの程度のインフレになったらこれは止めなくちゃいけないのか、問題なのかということ、数字が全く出てきません。
 それに、その危機的な状況、まずい状況になったときに、じゃ、どうするのか。政府支出を、財政支出を止めるのか、大増税をするのか、また自国の通貨の発行をそれ以上止めるのかという話でありますけれども、そういったことをすればまさに経済は大混乱しますし、デフォルトも起こるんだと思いますが、そういった数式モデルのようなものは全くないので、まだ議論の俎上にすら上がらないような考え方なのじゃないかと思うんですが。
 いずれにいたしましても、これは、我々の国としては財政規律をしっかり守ってこれからも財政運営をしていく、そういう考えで引き続きしっかりと取り組んでいかなければいけない、そう考えています。
 その最たるもので、やはり消費増税、国民の皆さんにお願いをしなくてはいけないんですけれども、これも改めて伺います。消費税率の引上げ、既定路線でありますけれども、どういった状況でもなりふり構わずというのでは確かにありません。どのような事態に至ったときに、どのような場合に延長する可能性があるのか、改めて見解を伺いたいと存じます。
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麻生太郎#9
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税につきましては、これまでも総理の方から度々述べられておられるとおり、通常、リーマン・ブラザーズのあの破綻の騒ぎというのは二〇〇八年から九年の話でしたけれども、巨大な金融収縮というような事態が起きかねないようなえらいものだったと記憶しますけれども、一JPモルガンという投資銀行の破綻だけであれだけの騒ぎになっただけですけれども、御存じのように……ヤジ失礼しました、リーマン・ブラザーズのあれになってそうなったんですけれども、あのほかにもフレディマックだ、クレディ・スイスだ、いろいろ出ましたから、あのときは。
 それですけれども、最後にとどめを刺したのはリーマン・ブラザーズだったと思いますけれども、ああいったような形でもない限りはということがこの間からずっと申し上げてきている定義なので、世界的な経済危機とか、まあ大震災とかいうのもそういうようなものになるかもしれませんけど、いずれにしても、引上げというのは困難とされるような事態でありますので、それちょっと予断を持ってこういったものならということを申し上げるというわけにはいかないと思っております。
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愛知治郎#10
○愛知治郎君 よく言われるリーマン・ショック級が起こらない限り既定路線は堅持するということでありますけれども、まさにこのリーマン・ショック、相当な事態だったと私も記憶をしておりますし、当時まさに麻生財務大臣は総理大臣でありましたから、一番このときの状況をよく分かっているんだと思います。
 私は、大変な時期に総理をやられていたんだと思うんですけれども、その代わりに、このリーマン・ショックが起きたときの対処ですね、これは最悪の中のベストを尽くされたんだと思います。しっかりとした対策を打ったおかげで最小限に抑えられたと思うんですが、その状況ですら、最善を尽くした状況ですら相当な影響がありましたし、経済は大混乱をいたしました。こういった状況にならない限り上げるということですから、今の状況は普通に全く問題なく上げられる状況なんだと思います。
 この点について改めて、そのリーマン・ショック、一番経験をされている大臣、この状況について、今、先ほど少しお触れになられましたけれども、こういう状態にならない限り、少なくとも今はそういう状態ではないんだということを改めて認識を伺いたいと存じます。
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麻生太郎#11
○国務大臣(麻生太郎君) サブプライムローンというちょっと怪しげな金融商品というのがずっと出回ったのが二〇〇六年、七年、八年、そんなところからだったと記憶をします。何となく、この種のものにえらいまぶして、いろんな商品として、金融派生商品として世界に売られた、で、それがえらい買われた、まあバブルという時代もあったんだと思いますが、買われたという時代だったんだと思いますけれども、日本の場合はそれが余り買われなかった、日本の銀行は。あれが日本にとっては非常に大きな幸いだったんですけど、何であの種の話に日本の銀行が引っかからなかったのかといえば、堅かったというよりは多分英語が余り分からなかったからだと、僕はそう思っているんですけれども、あれ、何回読んでもそんなによく分かるあれではありませんでしたから、そういったので買わなかったのは賢明だったんだと思いますが、結果として、これはえらい勢いで売られまして、多くの国では国家の中に四つある銀行全部倒産で、結果的にそれを国家が補償してというような形になるような国々がヨーロッパにたくさん出る。
 そういった事態になりましたので、やっぱりアメリカのサブプライムローンとか住宅ローンとか、この問題を契機に起きて混乱が生じたんだと思いますけれども、やっぱりいろいろな意味で、住宅金融公庫みたいなものであったフレディマックといったかな、ファニーメイとかフレディマックとか、ああいったようなものまでばたばた、そこそこ救ったんですから、アメリカ政府としては。最後にはリーマン・ブラザーズのところで、もうとてももたぬということでこれ放り投げたみたいな形になって、結果としてあれが世界に巨大な影響を与えるというのは、アメリカのFRBとしてもそれほどの大きなものになると予想していなかったんだと思いますが、結果としては金融危機というようなものが起きたということだと思っておりますので、私どもとしては、こういったような市場混乱の極に達するようなことになるんだったら、あれは最後まで、アメリカ政府としてはほかのもそこそこ助けたんだから、リーマンも助けとけばよかったじゃないかということになるんだと思いますが。
 いずれにしても、日本としては、あのとき対応するために、政府としては補正予算を三回組んで、通常予算と併せて一回成立させて、当初予算と一回させて、そこそこ迅速に対応したんだと思いますけれども、少なくとも、ああいったような状況になって、日本として、九七年のアジア通貨危機の経験がありましたので、これはもうえらい勢いで取付け騒ぎが起きるのははっきりしていますので、取付け騒ぎの行き着く先が日本ということになりかねませんので、こっちはこっちでいろいろやらにゃいかぬことがありますので、むしろ、そういったようなことをきちんと対応できるIMFという組織に対して日本が一千億ドルの金をローンして、IMFで、それらの金融危機、国際金融危機というものの対応をIMFに、それだけの金があるんだからやるというのを日本が最初に言って、俺たちが出すんだからアメリカも出せという話をG7のときにやって、いろいろやらせていただいて、その後、G7をもう一回という話だったので、G7ではもう対応ができませんよと、アメリカはどう思っているか知らぬけど、日本と中国と韓国と足したGDPがイギリス、ドイツ、フランス足したGDPよりでかいという事実を知っているんですかと言ったら、知らぬという話だから、もう是非、これが事実。
 したがって、そのようなものを入れたところでという話をしてG20というものができ上がったんですけれども、その中にも日本、インドやらオーストラリアやらがアジアから入っていった形になりましたけれども、それらの国々の間できちんとした形の対応ができて、やっぱりみんなで国際的な金融規制というのをやらないと、とにかくいいかげんなことになって、結果として、一行でもでかい企業がこれをやりますと、それが倒産したときの波及効果というのは世界規模で影響を与えるというのはもう答えが出ていますので、私どもとしては、国家的にこういったもののときの対応というのを十分に考えてやるという姿勢をやるために、G20というのは継続的に開催されてしかるべきということを申し上げて現在に至っておるというように御理解いただければと存じます。
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愛知治郎#12
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 なぜこういう質問したかというと、度々使われるこのリーマン・ショック級にならない限りということでありますけれども、リーマン・ショックを一番よく分かっている麻生大臣の御本人から、これはリーマン・ショック級の事態だと言われればそれはしようがないと私は納得しますし、国民も納得すると思うんですが、少なくとも現在はそういう状況ではないと。
 ちなみになんですけれども、昨日ですか、景気動向指数が前月差でマイナスとなり、基調判断が悪化をしているへと下方修正されたそうでありますけれども、この点についての認識を伺いたいと存じます。
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麻生太郎#13
○国務大臣(麻生太郎君) これは、景気動向指数というものについては、これは毎月の生産とか雇用とかそういった経済指標を統合したものなんですけれども、いずれにしても、その基調判断というのはあらかじめ機械的に決められている表現がありますので、あれは、そういった意味では悪化を示しているものになるんだと思います、数字はめていきますと。
 それはそれなりのあれなんですけれども、政府としては、いわゆる月例経済報告というのにおきまして様々な景気指標というのを動きを見させていただいて、その背景を理解した上で景気の基調を判断しているというのが我々の基本的な姿勢なんですけれども、このところ輸出の伸びが鈍化してきた中国の関係もあり、鈍化してきましたし、一部の業種がそれに合わせて生産活動を抑えることになりますので弱さが見られてきたという背景から、いろいろな減速などの影響があるものと認識しておりますけれども。
 一方に、世界的に見まして、アメリカの場合は極めて景気は順調に伸びていますし、雇用も伸びましたし、失業率も史上最低と言われ、下がりましたし、いろんな意味で回復を続けておりますし、中国も今年に入って下げ止まりというような形で、中国も、将来的にはどうか知りませんが、今は少なくとも金融はもう一回再び緩和に振りましたし、いろんな意味で、中国の姿勢が引締めから緩和にまた振りましたんで、そういった意味では動きが下げ止まった動きだと思っておりますので、そういった意味での対応というのは少しずつ現れてくるだろうと思っておりますので。
 日本の経済の中においても、予算もおかげさまで通りましたので、こういったものが少しずつ今から出てくるので、この一—三月が一番難しかったときだと思っていますが、その数字が出てきたのは今だと思っておりますので。少なくとも、内需というものを支えるファンダメンタルズと言われるようなものは、日本の場合、かなりしっかりしておると思っておりますので、少なくとも海外の経済動向というのは十分に注視しておかにゃいかぬところだとは思いますけれども、日本としての内需やら雇用やら企業の収益等々を見ている分に関しましては、経済運営等々につきましては、今急激にどうのこうのというような状況でない。悪くなってきている、まあ景気は常に波がありますので、そういった波の中の一環だと思って、急激に悪くなっているという理解をしているわけではございません。
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愛知治郎#14
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 先ほどこの委員会が始まる前に雑談で聞いた話で恐縮なんですけれども、私の尊敬する林先生が一言おっしゃられておりましたが、今回の景気動向指数、マイナスであるけれども、九九・六ではあるが、リーマン・ショック当時は七〇%そこそこだと、大分数字が違うなということでおっしゃられておりました。当時とは状況が随分違うんでしょうけれども、冷静な分析が必要だと思います。
 いろいろと質問させていただきたいこと山ほどあったんですが、時間がもう来てしまいましたので、また改めて、機会があれば質問をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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風間直樹#15
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 今日は、日本の金融機関で保有残高が拡大しているCLOと言われるローン担保証券について、マーケットの概況と各金融機関の保有状況等を中心にお尋ねをします。
 ゴールデンウイークの十連休が明けまして、報道テレビ番組等で、新しい令和の時代の日本のマーケットがどうなっていくのかという特集番組を随分やっていました。私も連休明け、そういった番組を見ていたんですが、その中に非常に興味深い番組がありました。NHKの番組でしたけれども、あるイギリスの機関投資家が、連休明けの日本マーケットに対して空売りをすべく、連休直前にこの空売りの発注をしていたと。で、連休が明けてどうなったかと、そういうドキュメンタリータッチの番組をやっていました。
 私は、面白いことをする機関投資家がイギリスにいるものだなと思って、ちょっと笑みを浮かべながらその番組を見ていたんですが、番組を見進めるうちに、これはひょっとすると容易ならざる事態になるのかもしれないというふうに認識が少し変わりました。その理由というのがこのCLOなんです。
 この機関投資家が東京にやってきまして、有楽町かいわいを歩いている様子が番組で映し出されていたんですが、そのバック、背景にあったのが農林中金、どうやらこの機関投資家、イギリス人の方のようですけれども、この方が農林中金のこのCLOを担当する部署の責任者に会いに行って面談をした、そんな様子もテレビで放映されておりました。
 私も今回、このCLOという商品初めて知ったんですが、こちらの配付資料にありますように、これは野村証券のウエブサイトからの引用ですけれども、CLOは、和訳はローン担保証券と。資産担保証券の一種である。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権、ローンを証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいうと。金融機関にとっては、元来流動性の劣る貸出資産をローンより市場性の高い債券の形態にすることができるので、より機動的に資金を調達することができるというメリットがある。実際には、金融機関がローンを特別目的会社に譲渡し、特別目的会社が債券を組成し、投資家がこれを購入する。そして、ローンからの元利金を投資家が受け取るという仕組みが一般的であると、こういう説明がなされています。
 これ、今後のマーケットの状況によってはちょっと注意が必要な事態になる可能性があるのは、世界中で発行されているこのCLOの最大の買手が農林中金だということ。後で詳しくお尋ねをしますが、報道等によりますと、農林中金の今運用資産が約六十三兆円あると言われているんですが、その一割に当たる六兆八千億円をこのCLOで運用しているというふうに言われております。また、全世界で発行されているCLOの発行残高に対して農林中金が保有している割合が約二三%と言われていますので、相当、このCLOの発行会社にしてみると農林中金は最大のお客さんということになると思います。
 この辺の事情は、私もいろいろ資料を調べた中で、今年二月十九日付けのウォール・ストリート・ジャーナルの日本版が非常に詳しく、農林中金に密着したレポートを出しています。これを読みますと、去年、アメリカのマーケット、十月から十二月にかけてかなり下落をし、クリスマスイブには暴落をしましたが、明けて今年の一月、アメリカ国内の資金の借り手企業が厳しい状況に置かれた時期が数週間あったと。そのときに投資不適格級企業向けの市場の一部に問題が生じていた。まあ資金繰りができなかったということですね。そこに救世主として現れたのが日本の農林中金だという、こういう書き方でこの記事が始まっています。
 こんなフレーズがありまして私はちょっと驚いたんですが、農林中金のCLO市場での影響力の大きさは、不在時、農林中金の不在時に痛感させられる。事情に詳しい複数の関係者によると、提案中の新たなCLO発行案件について農林中金が大口購入を検討していた間、市場は休止状態に陥った。農林中金が交渉の席に着くとようやく市場が動き始め、CLOの大規模発行が進んだという。農林中金はこれに対してコメントを差し控えるとしたともあります。
 こうした記事を読んでいますとちょっとあるイメージが浮かぶんですが、どうも農林中金というのは、世界のこのCLO発行マーケットにおいて、日本の国債発行市場における日銀のような存在に近づいていると。保有残高にしても非常に割合が大きいですし、こういう中で、もしこのCLOという商品に万一のことがあった場合、果たして農林中金の財務は大丈夫かと。農林中金の場合は、御案内のとおり国内の各地域の農協、JAから上がってくる資金を一括して運用している組織ですので、ここに万一のことがあれば国内の各地JAにも甚大な影響が及ぶということだろうと思います。
 そこで、質問に入りたいと思うんですけれども、まず、これ、金融庁の事務方で結構ですが、このCLOのマーケットの規模がどの程度なのか、また各国別の保有状況はどれぐらいか、教えていただければと思います。
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佐々木清隆#16
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 昨年十一月に公表されておりますイングランド銀行の金融安定報告書によりますと、CLOのグローバルの市場規模は七千五百億ドルと推計されております。また、同報告書では、各国別保有状況につきまして、アメリカの銀行と保険会社で二千五百五十億ドル、英国の銀行と保険で百五十億ドル、英国を除きます欧州の銀行と保険で四百五十億ドル、日本の銀行で七百五十億ドル、その他、国名は示されておりませんけれども、ヘッジファンド、年金基金等で三千六百億ドルと推計されております。
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風間直樹#17
○風間直樹君 ありがとうございます。
 次に、この七千五百億ドルのうち、我が国金融機関の個別保有額及びCLO発行残高に対する保有比率を教えてください。
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佐々木清隆#18
○政府参考人(佐々木清隆君) 今お尋ねいただきました我が国金融機関の個別のCLOの保有額あるいはグローバルな発行残高に対します保有比率につきまして、個別具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
 なお、一般論で申し上げますと、金融庁では、CLOを含みます有価証券運用を始めとする金融機関のリスクテークの状況、リスクテークに見合ったリスク管理体制の整備が行われているかなどを日々のモニタリングの中で把握するよう努めております。
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風間直樹#19
○風間直樹君 これは、公表を差し控えるというのは、金融庁としては数字は把握しているんですか。
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佐々木清隆#20
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 今申し上げましたとおり、お尋ねの農林中金含めまして大手の銀行七銀行につきましては、通年検査の対象といたしまして統一的な目線でモニタリングを行っております。
 モニタリングの詳細についてはお答えを差し控えたいと思いますけれども、そのモニタリングの中では、現在の低金利環境下におけます過度な収益追求行動に伴うリスクに対しまして、個々の金融機関の商品への投資状況の把握のみならず、経営陣のリスク認識、リスク管理状況についてもモニタリングを行っているところでございます。
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風間直樹#21
○風間直樹君 ちょっとね、まだ質問をしていないことに先んじてお答えになっているので、きちんと質問を聞いて、それに対する答弁をしてください。二番目ぐらい先の質問に今御答弁いただいたと。緊張されていますか、大丈夫ですか。
 数字は把握されているんだろうと思いますが、一応報道資料から持ってきた数字を配付資料に載せました。二〇一八年末時点での国内主要金融機関のCLOの残高。農林中金が六兆八千億、三菱UFJフィナンシャル・グループが二兆五千億、ゆうちょ銀行が一兆円、みずほが五千億、三井住友トラスト・ホールディングスが三千億、三井住友銀行が七百七十五億と。これ、見てみますと、上位三行、農林中金、三菱UFJ、ゆうちょ、この辺の保有額が突出していて、中でも農林中金の場合は群を抜いているということであります。
 先に進みますが、金融庁が今年一月に大手七銀行グループに対して一斉調査を行ったというふうに報道されていますけれども、その内容、そして結果についてお尋ねします。
 今、先んじて、予告答弁というんですか、していただいた内容を聞いていると、余り詳しくは言えませんよということのようですけれども、言える範囲でお答えください。
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佐々木清隆#22
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますけれども、農林中金、あるいは今御指摘いただきました大手の金融機関七銀行グループについては、通年検査の対象といたしまして統一的な目線でモニタリングを行っております。
 その中で、先ほど申し上げましたとおり、CLOを含みます個々の金融商品に対する投資状況、そしてそれに関連いたします経営陣のリスク認識、リスク管理状況についてモニタリングを行っているところでございます。その中で、個別の数字については言及を控えますけれども、個々の金融機関のこうした投資の実態についても把握しているところでございます。
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風間直樹#23
○風間直樹君 これ、各銀行のこのCLOの管理状況とか保有するCLOの質ですね、格付がされているそうですけれども、さらに、問題が発生した場合の金融システムへの影響について、この辺も当然、調査の中である程度把握をされているんだろうと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
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佐々木清隆#24
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 個別金融機関ごとのCLOの管理状況、保有するCLOの質、その詳細についてはお答えは控えたいとは思いますけれども、一般論として申し上げますと、CLOを始めとする証券化商品への投資に当たりましては、商品が複雑であるということに鑑みまして、各銀行において、証券化商品の格付のみに依存することなく、適切な価格評価や商品内容の把握を行うとともに、市場流動性を検証するなど、適切なリスク管理体制の構築が求められていると考えております。
 特にCLOは、格付が低い企業向けの貸出しを裏付け資産とした証券化商品と言われておりまして、景気後退局面において、裏付け資産の悪化を通じてCLOを保有する金融機関に損失を与え、金融システムに与える影響のリスクについて国際的にも指摘されているところでございます。
 金融庁といたしましては、現時点において日本の金融システムは総体として安定していると考えておりますけれども、CLO投資の拡大がシステミックリスクに発展し、金融システムの安定性が損なわれないよう、内外の経済・市場動向を注視するとともに、先ほど申し上げました点につきまして、金融機関との対話を通じてリスク管理の高度化を促すなど、対応を行っているところでございます。
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風間直樹#25
○風間直樹君 私もかつて商社におりまして、当時は財務省だったのかな、が年に二回ぐらい検査に入るわけですよ。このときのその検査を受ける側の負担の大きさというのはよく分かっています。もう大騒ぎ。当局は、やはり求める資料がきちっと管理、保管されているのかも厳格に調べますし、それに応ずる社員の負担というのは非常に大きいものがありました。ですので、今御答弁はかなり抽象的にさらっといただいていますけれども、一方で、実際、金融庁が各行に検査に入っているときには、こんな答弁ではない、非常に徹底した検査をされているということを私もよく承知をしております。
 それで、お尋ねしますが、先日の農水委員会で立憲民主党の藤田議員が同じ問題を質問しました。そのときに、このCLOのリスク管理について尋ねていらっしゃるんですけれども、答弁の中で、農林中金を中心にこのCLOは高度なリスク管理が行われるものに限定して保有しているという趣旨の答弁が複数回ありました。格付が最上位クラスのものに限定しているという答弁もありました。この格付の最上クラスというとトリプルAという格付だそうなんですけれども、当然、農林中金としても、格付機関が発行しているこのCLOに対するトリプルAという格付の意味というのは理解されていると思いますが、これはどういうふうに理解をされているんでしょうか、トリプルAについては。
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佐々木清隆#26
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 格付とは、格付会社が金融商品等の債務履行能力について意見を表明したものでございます。また、一般的に、格付の中でも相対的にトリプルAとは最上位の格付に相当し、信用力が最も高いというふうに解釈されております。
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風間直樹#27
○風間直樹君 それは分かっているんですけどね、誰でも。トリプルAが一番高いわけですから、それは分かっているんですけど、このCLOという商品の場合のトリプルAという格付の意味はどういう意味なのか、それをどのように把握されているのか。
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佐々木清隆#28
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 CLOの各トランシェと申し上げますけれども、その中でトリプルAが付されておりますものにつきまして、これは民間の調査結果によりますと、これまでのところデフォルトの実績はないと認識しております。
 ただ、いずれにしましても、金融庁といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、金融機関がCLOに投資する際には、格付のみに依存することなく、商品内容等の把握を行うなど適切なリスク管理体制の構築が求められると考えております。
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風間直樹#29
○風間直樹君 私は、このCLOの質疑をするときに、このCLOという担保証券の個別の中身をきちっと見て精査をしないと、どの程度のリスクがあるかというのは、これ正確には分からないと思っています。
 その評価なり審査なりは、まさにその購入をする当事者である国内金融機関が、担当者がしっかりやっているはずなんですが、ただ、マーケットというのは、あのリーマン・ショックのときもありましたように、やはり機嫌でその表情を大きく変えるわけですね。ですから、将来においてマーケットの機嫌が大きく不機嫌の方向に変わった場合、今安全だとされているこのCLOについてもリスクの程度が大きくなることも想定されますので、ちょっとそこをより細かくお尋ねをしたいと思ってこういう質疑をしています。
 それで、これはちょっと記事の記述ですが、レバレッジド・ローン、CLOのようなレバレッジド・ローンは、投機的格付企業への貸出しではあるが、日本で例えると東証一部上場企業並みの大企業で、かつ正常先を債務者とするものと。格付機関がそれら債務者やローン条件を確認して債務者格付とローン格付を付与しており、裏付け資産の信用リスクは大きく異なると。これは農林中金のコメントなんですね。
 このCLOの性質については、今御紹介した内容だと理解してよろしいでしょうか。つまり、投機的格付企業への貸出しだけれども、日本でいえば東証一部上場企業並みの大企業で、かつ正常先を債務者とするものと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
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