大門実紀史の発言 (財政金融委員会)

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○大門実紀史君 資料の二枚目にもいろいろ書いてございますけれども、要するに、銀行や保険会社がグループ会社などに対して出資制限あるいは業務範囲を規制している理由というのは、こういう金融機関ですから過度な事業支配力を、資金も豊富に持っておりますので、持つおそれがあると。こういうただでさえ強い支配力を持つ銀行だという位置付けがあるわけですが、その独占禁止ルールを緩和したのが三年前の銀行の出資制限規制緩和だったわけですね。今回、更に保険会社にも緩和を進めようとしているということなわけであります。前回の三年前の改正で銀行はフィンテック会社の買収が可能になって、自分のグループの中に囲い込むということができるようになったわけでありますが、今回は親会社、銀行本体もデータを提供、データビジネスに参加するということでございます。
 こういった方向が、特に銀行の権限を強めてフィンテックを後押しするという政策に対しては、これは我が党だけじゃなくて著名なエコノミストからも、こういう方向というのは公正な競争を阻害してイノベーションの妨げになるのではないかという批判の声が幾つも上がっております。
 一つ二つ紹介いたしますと、あの野口悠紀雄さんなんかは、三年前の法改正についてこうおっしゃっているんですけど、あの三年前の法改正が経済原理の利用を促進するものなのかどうかは疑問だと。要するに、銀行が手っ取り早くフィンテックを取り入れて、その技術力のあるフィンテック企業を利用する、買収するだけで終わる、自社に取り込むだけで終わってしまうというようなことになるのではないかと。こんなものイノベーションでも何でもなくて、ただの囲い込みじゃないかということで、実際、大手のIT企業はどんどん新興のベンチャーを今買収していますよね。それと同じじゃないかということを野口悠紀雄さんは指摘されておりますし、野村総研の淵田康之さんは、そもそもこの議論の出発点がおかしいんじゃないかと、日本のですね。銀行がフィンテックをいかに取り込めるようにするかという、そういう問題意識からの、先ほど言いました金融庁のですね、フィンテック政策の議論がスタートしていると。そこに我が国の特殊性が表れていると。イギリスやアメリカ、欧米では、既存の銀行がフィンテックを取り込もうというような、取り込むことを政策的に促進しようというふうな発想は皆無であると。日本だけだと、金融庁挙げて銀行が取り込めるようにしてあげようというような議論はですね。これは、既存の金融をディスラプト、つまり、何というんですか、破壊的創造をして新たなものを生んでいくというようなイノベーションが発揮されなくなると、阻害するのではないかというふうなことを指摘されております。
 つまり、銀行がフィンテックベンチャーを囲い込むだけでは銀行そのものの革新につながらないと、市場のベンチャー企業の発展にもつながらないと。逆に、自由な競争を阻害してしまって、逆にイノベーションの足を引っ張るというようなことにつながるんじゃないかということは、現場のエコノミストや研究者からもたくさん出されているというふうに思います。
 これは政策方向の基本的な問題ですので、麻生大臣に伺いたいわけですけれども、今申し上げたように、銀行がデータやフィンテックの囲い込みを後押しするということは、逆に今の世界の流れから、あるいは市場原理の発展という点から、そういう振興からいっても、それを阻害するものに逆になってきている、なるんではないかというふうな問題意識を持っているわけですけど、麻生大臣の認識を伺いたいと思います。

発言情報

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発言者: 大門実紀史

speaker_id: 16551

日付: 2019-05-30

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会