紙智子の発言 (農林水産委員会)

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○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 反対する理由の第一は、本改正案がまたしても規制改革推進会議に基づく官邸主導の改革案だからです。
 農林水産省の諮問機関である林政審議会会長の土屋俊幸東京農工大教授は、衆議院の参考人質疑で、今回の改正案が未来投資会議の提案で始まったことに言及し、トップダウンで行われた、長い複雑な成立経緯と多様な公益的機能を併せ持つ国有林の重要な経営判断は、少数の非専門家に委ねるべきでないと不快感を示しました。参議院の参考人質疑で泉英二愛媛大学名誉教授は、竹中平蔵氏が求めたコンセッション、PFI法の特例法だと指摘しました。違うと言うのであれば、国有林野関連法案をコンセッション分野の取組の一つに位置付けた未来投資戦略二〇一八の該当部分を撤回すべきです。
 第二の理由は、昨年成立した森林経営管理法を補完するものであり、一部の大規模林業経営者の利益のために国民の共有財産を売り渡すものになるからです。
 改正案は、経営規模を拡大する林業経営者のために、五十年にも及ぶ木材採取権と樹木採取区を新たに与え、排他的、独占的に経営することを認めています。
 国民の共有財産である国有林を一部の林業経営者の利潤追求の道具にしてはならない。地域に根差した森林所有者、中小林業経営者よりも、安価な木材を求める大手木材メーカーや大規模なバイオマス発電会社の利益を優先することになりかねません。
 第三の理由は、国有林が持っている公益的機能を損ないかねないからです。
 木材採取権の設定を受けた伐採事業者には、植林と保育の義務が課されていません。森林には、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の保全など、多面的な機能があります。数ヘクタールの再造林でも苗木が鹿に食べられ樹木が育たない山があるという指摘があるのに、数百ヘクタールにも及び国有林を伐採すれば、国有林が持っている公益的機能が損なわれ、荒廃しかねません。
 樹木採取権を取得した資本力のある大規模経営者が地域外から参入してくれば、地域経済を支えている中小林業家が競争にさらされることになります。ましてや、国有林から国産材の供給量は増加し、TPPや日EU・EPAによって海外からの輸入材が増加すれば、木材の供給過剰が発生し、中小規模の林業経営者の経営が困難に陥ることは明らかです。
 安倍政権が進める林業の成長産業化路線を転換し、持続可能な森林・林業への転換を求めて、反対討論とします。

発言情報

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発言者: 紙智子

speaker_id: 14955

日付: 2019-06-04

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会