早川悟司の発言 (法務委員会)

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○参考人(早川悟司君) 初めに、有田議員から御指摘いただいた施設の運営に関してですけれども、御質問の中に入っていないかもしれませんが、ただ、やはりこういったお話、養子縁組のことも起きてくる一つの背景には、施設という生活のマイナスイメージというのはやっぱり軽視できないと思うんですね。この辺りに関しては、我々の、業界の人間としてもしっかり真摯に受け止めていかないといけないと思っています。
 二十年前は、私たち、仕事を私も始めた頃は本当に今の三分の一ぐらいの人員で、かなり劣悪な労働環境の中で、施設によっては虐待事件なんというのも起きていましたし、そういったところのイメージはいまだに拭えない部分もあるかもしれませんが、ただ、おかげさまで人もかなり増えまして、運営は、問題がないとは言えません、昨今もいろいろ報道も騒がせていますのでね、ですが、不断に改善していけるように努めてまいります。もしよろしければ、我々の施設の方でも是非御視察いただければと思いますので、よろしくお願いします。
 マッチングに関しては、これは非常に難しいなと思っていまして、私が関わったことのあるとあるお子さんで、最初にお母さんから乳児院に預けられて、乳児院から二歳で年齢超過で児童養護施設、そこの施設は特別養子縁組をとっても推奨する施設だったんで、マッチングで出しますよね、里親さんのところに。半年間のマッチング期間ということなので、ただ、半年なんか全然もたずに、それで不調になって元の施設に戻る、で、次の養親候補のところに行く、やっぱり不調で戻る、で、三回目チャレンジする、やっぱり不調で、元の施設には戻らず次の施設に行った。これで、四歳までの間に実に養育者の変更が八回なんですね。この子は、思春期以降大荒れに荒れますね、思春期以前から荒れていましたけれども。大人や社会や自分のことなんか何も信頼していない。ただ、自ら命を絶つわけにもいかないので、やんちゃしながら何か生きているというかなり大変なお子さんでしたけれども。
 やっぱり、普通に考えていただいたら分かると思うんですけれども、赤ちゃん、まだ目が見えないうちはどういう反応かというのは、それでも母胎で十か月過ごしているわけなので、親から離れるというのは相当なストレスだと思いますけれども、二歳にもなれば、もう人見知りしますよね。それで、二歳になったところで、これも日本の社会的養護システムの問題ですけれども、乳児院から施設に措置変更、ここでも相当ダメージ食らっていると思うんです。そこからさらに、どこの誰だか分からないおじさんちに連れていかれて、まあ、どこの誰だかって、面会はしていると思うんですけど、でも、連れていかれるときには子供からしてみたら突然連れていかれるわけですよね。それで、泣きますよね。泣きまくって懐かないというんで、やっぱり無理だねといって戻されて、それを三回チャレンジするわけですよ。
 これを一回失敗するだけでも相当な子供に対してのダメージを与えるということに対して我々は非常に慎重にならないといけないと思いますし、だから、交流の仕方、マッチングの仕方は、やっぱり知見をもっと積み上げて、例えば、養親候補さんが、施設の子であれば時々泊まり込んで先に関係性をつくって、ガイドラインでも言うように、見ず知らずの人のところへ行くんじゃなくて、見ず知らずの人じゃない人にまずなってもらってからお泊まりを経験するとか、そういった相当緻密なマッチングのやり方をしていかないといけないと思います。
 あと、その後のフォローですけれども、これ一つ大きなハードルになっているなと思うのは、これ、林参考人の資料二ページにもありますけれども、里親さんでも一定数の里親さんがそうだと思うんですけれども、まして養子縁組さんだと、実の親子になろうとするという思考が働く場合があるんですよね。で、親と張り合ってしまうみたいな、実の親に成り代わってこの子を幸せにするという。
 やっぱり、実の親子であっても親だけが子供を支えるというのは非常に先ほどから申し上げているように無理があるわけで、だから、里親さんも養子縁組の養親さんも、自分たちが親に成り代わって子供を育てるんだじゃなくて、一つの家族の形態なんだということを、是非、どういう形でそういうことを啓発できるのか、私はまだそこまで知恵が及びませんけれども、そういったこともセットで考えていかないと、縁組したから戸籍上は実親と変わらないんですよで終わらせてはいけないのかなというふうに思っています。

発言情報

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発言者: 早川悟司

speaker_id: 2410

日付: 2019-06-04

院: 参議院

会議名: 法務委員会