棚村政行の発言 (法務委員会)
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○参考人(棚村政行君) おっしゃるとおり、年齢を引き上げるというときに、原則六歳未満というのを二歳上げて、原則は八歳未満でいこうという考え方もありました。それから、私は途中で、中間試案の段階では乙案ということで、十三歳未満で、少しやむを得ない事情があれば十五歳未満ということで、十五歳がマックスではないかという考えを持っていました。
ただ、やはり十五歳未満を原則年齢にして十八歳未満までニーズがあるんだと、こういうお考えの方も入れて、なかなか何歳で切っていくかというのは、特別養子を一九八七年につくった当時も、やはり低年齢の子供たちをターゲットにするんだという御意見と、それから、いや、もう少し年齢の高い人たちまで含めるべきだというので、たしか本当に、六歳未満というのと八歳と、それから十二歳とかそれから十五歳、十八歳、二十歳まで、非常に多様な意見が出ていました。
石井議員がおっしゃるように、やはり本当にどれだけのニーズがあるかというのは部会とか研究会でも議論が確かにあって、ただ、私どもがやはり考えなきゃいけないのは、海外もそうですけれども、赤ちゃん養子というのはどこの国でも、アメリカなんかでもやっぱり多いんですよね。二歳未満とかあるいは五歳未満というのが五、六割ぐらいを占めたりします。そういう中で、ただ、十五歳とか十六歳とか、まあ十八歳というのも数%ぐらいずついるわけですね。
そういうところにむしろ、何というんですかね、パーマネンシーというか、家庭的なやっぱり養育環境の下で育てるべきだと。特に、実親との関係を切る場合もあればオープンにする場合もあってかなり多様化しているところなんですけれども、日本はまだ海外と比べると、児童虐待対応とかそういうことへの養子の活用というのはそれほど大きくやっぱり進んでいない現状があります。ただ、現場の方たちの中では、虐待とかネグレクトでかなり傷ついた子で、かつ実親との関係を切りながら安定した養育環境を確保するケースというのは必要だと。
私も裁判所に意見書を出したことがあります。そういうときに、非常に、何といいますか、ひどいケースなんですけど、実親が自分で育てるというよりは任せておいて、特別養子をしたいということになったら、金品を要求したり、ローンだとかそういうものの支払を求めたりという非常に悪質なケースも出てきました。
そういう中で子育てを行い、実親からの不当な介入に一生懸命屈しないで頑張って、弁護士さんを立てて裁判をやったりいろんなことをやって守ってきた人たちがいるときに、やはりどれくらいのニーズがあるかということよりは、むしろそういうケースが報告されて、特別養子という受皿を使えないことによって非常に苦しい思いをしているというケースを現場で聞いたときに、選択肢としてどれくらい十八歳未満の人まであるかどうかよりも、やはり苦しんでいる養親やあるいは子供たちを救わなければいけないというようなことが、多分、部会とか委員会、委員の皆さんの声に届いたんだと思うんですね。
現実にそういうような話で、もう少し年齢が上がっていれば特別養子をしていましたという普通養子の親御さんになった人が出てきてくださってお話をして、そういうようなケースがやはりあるんだなということを知ってから年齢要件を少し引き上げましょうということなんで、数がどれくらいかというのはなかなか難しいところですけれども、数は少なくてもそういう子供たちに機会を与えようという、林参考人がおっしゃったようなことが賛成するきっかけになりました。