棚村政行の発言 (法務委員会)
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○参考人(棚村政行君) 結局、先ほどの統計でもお分かりのように、赤ちゃんというか乳幼児が対象の特別養子というのは現行の制度の枠の中ではやっぱり多いわけですよね。もちろん、そういう赤ちゃん養子、実子型の養子というのがかなりニーズがあって、そういう意味では、生殖補助医療とかそういうことで不妊治療をやってお金を掛けて、なおかつそれがなかなか難しいということになると、里親さんとか、養子、特に養子を求めてやる方たちが年齢も上がってきています。
そういう中で、特に中学生とか思春期とかというのは、逆に言うと、非常に赤ちゃんとは違って実親の存在も知っていたり、あるいは実親のところでかなり傷ついたり、いろんなことを経験しています。そのためにはかなり支援が必要で、特に子供の意思とか子供の思いということを考えると、実親に対しても非常に気遣って、それからやっぱり子供って実の親を慕う傾向がすごくあります。他方で、里親さんのところで幸せにとはいっても、何か問題があると、実の親でもないくせにとかそういう反発をしたり、いろんな問題が実は起こってきます。
だから、中学生とか思春期というのは実は子供の気持ちも揺れ動いていて、どっちにしたらいいんだというのが、十五歳ぐらいになると遺言もできる、それから自分で普通養子縁組の当事者にもなれる、それから認知もできるというか、結婚外で生まれた子供、それぐらい民法では大人として十五歳を扱いましょうという方向も一方であるわけですね。
だけれども、今の子供たちを見て、置かれた状況においては、本当に、じゃ、その子供たちが自己決定というか、自分できちっとした判断ができるかというと、置かれた環境とかいろいろなものでやっぱり気遣いをし、しかも問題を抱えていれば、里親さんとして育てている人たちも、この子に本当に、何というか、どういう形で自分たちは接したらいいのかというのは迷ったりもされます。
そういう意味では、特別養子縁組というものが普通養子縁組とやっぱりどういうふうに違って、何が一番いいのかという議論が本当はできれば、一番、むしろ普通養子というのを緩やかにしたりチェックを少し厳しくしたり、いろんな受皿として柔軟性を持たせれば、特別養子よりもむしろ柔軟な選択肢として用意できるんですけれども、今回は残念ながら、特別養子をどういうふうに緩めたり修正をすればつながるかということで、まさに思春期の子供とか中学校ぐらいの子供たちに対しても少し広げていくべきではないかということで、十五歳の上限年齢ということが決まりました。
ただ、十八歳というのは、限りなく、なかなか想定しづらいというか、申立てをすることについてやむを得ない事由というのはなかなか限定をされていて、ほぼ認められないのかなというぐらい、やはり十八歳になれば、成人年齢も二〇二二年からなりますので。
だから、中学生、思春期というのは非常に難しいときなので、本人も揺れ動くし、それを扱っている里親さんやあるいは養親になろうとする人たちも、やっぱりなかなか申立てだとかその決断ができないというんですかね、そういう中で、やっぱり必要な支援みたいなものを与えながら、御本人の気持ち、それから養親になろうとする人たちのやっぱり選択肢を用意しようというのが今回の改正になりました。