安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岡田直樹議員にお答えをいたします。
北朝鮮は、核実験場の爆破を公開する等の動きは見せたものの、全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの完全、検証可能、不可逆的な方法での廃棄は行っておらず、北朝鮮の核・ミサイル能力に本質的な変化は見られません。
昨年六月の歴史的な米朝首脳会談で、米朝首脳が朝鮮半島の非核化に合意し、共同声明に署名した意義は大きいものと考えます。重要なことは、米朝首脳間の合意が完全かつ迅速に履行されるよう後押しすることです。
我が国として、北朝鮮を核保有国として認めることは決してありません。
二月末に予定される第二回米朝首脳会談に向け、日米、日米韓で緊密に連携し、中国、ロシアを始めとする国際社会と協力しながら、引き続き朝鮮半島の完全な非核化を目指してまいります。
日韓関係に関するお尋ねがありました。
旧朝鮮半島出身労働者の問題を始め、これまで日韓両国が築き上げてきた関係の前提すら否定するような動きが続いていることは大変遺憾です。政府としては、国際法に基づき毅然として対応していく考えです。
日韓関係は、現在、大変厳しい状況でありますが、我が国の一貫した立場に基づき、主張すべきは主張し、韓国側に適切な対応を強く求めていきます。
また、韓国軍艦によるレーダー照射事案等については、専門的、技術的観点から防衛当局間で協議が行われたところであり、この事案等に関する認識及び今後の対応については、これまで岩屋防衛大臣や防衛省が累次明らかにしているとおりです。
日本海大和堆周辺での北朝鮮等による違法操業対策についてお尋ねがありました。
日本海大和堆周辺の我が国排他的経済水域における北朝鮮漁船等による操業は、違法であるのみならず、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっており、極めて問題があると考えています。
このため、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、水産庁漁業取締り船及び海上保安庁巡視船を重点的に配備し、放水等の厳しい対応によって我が国排他的経済水域から退去させています。
現時点でこのような対応は効果を発揮していると認識しており、今後とも、政府として、我が国排他的経済水域内での外国漁船による違法操業の防止のため、毅然と対応してまいります。
他国による違法操業と自衛隊の役割についてお尋ねがありました。
外国漁船による違法操業に対しては、水産庁と海上保安庁が連携して対処していますが、自衛隊も、警戒監視活動で得られた情報を海上保安庁等に適時適切に提供するなど、平素からその能力を生かして関係機関と緊密に協力しています。
また、不測の事態に対しても政府機関を挙げて対処をできるよう、共同訓練を通じて自衛隊と海上保安庁との連携強化を図るなど、いかなるときにも国民の生命、財産を守るべく、万全の体制を整えてまいります。
中国の軍事力や海洋進出の動向についてお尋ねがありました。
中国は、東シナ海のみならず、太平洋や日本海の海空域においても軍事活動を拡大、活発化させており、特に太平洋への進出は近年高い頻度で行われ、その経路や部隊構成が多様化しています。こうした活動は、一般論として申し上げれば、海洋における運用能力の向上やプレゼンスを目的としたものと指摘があります。
このような中国の軍事動向等については、国防政策や軍事力の不透明性と相まって、我が国を含む国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後も強い関心を持って注視する必要があると考えています。
また、我が国固有の領土である尖閣諸島周辺においては、我が国の強い抗議にもかかわらず、公船による断続的な領海侵入や海軍艦艇による恒常的な活動が行われており、沖ノ鳥島周辺の我が国排他的経済水域においては、中国海洋調査船が我が国の同意を得ずに科学的調査と見られる活動を行ったことも確認されています。
政府としては、引き続き、冷静かつ毅然とした対応を継続し、万全を期してまいります。
同時に、日中両国は、地域の平和と繁栄に大きな責任を共有しており、昨年秋の訪中の際には、習近平主席との間で、互いに脅威とならないことを確認しました。また、昨年、李克強総理との間で、十年来の懸案であった海空連絡メカニズムにも合意しました。完全に正常な軌道へと戻った日中関係を新たな段階へと押し上げていく考えです。
人口の地方分散や都市機能の移転についてお尋ねがありました。
岡田議員御指摘のとおり、災害リスクの軽減や地域経済の活性化の観点からは、東京への過度な一極集中を是正することが必要です。
このため、現在、文化庁の京都移転のほか、研究機関、研修機関など政府関係機関の地方移転を進めるとともに、東京に集中している民間企業の本社機能の地方移転を税制などにより支援しています。
これに加え、本年四月から、東京から地方へ移住し、起業、就業する際には、最大三百万円を支給する新しい制度をスタートし、地方への人の流れを太くしていく考えです。
全国津々浦々、魅力あふれる地方創生を進めていくために、引き続き、人口の地方分散、都市機能の移転などに取り組んでまいります。
大都市と地方のバランスについてお尋ねがありました。
国土の均衡ある発展は、全国総合開発計画を貫く基本理念でありました。戦後の経済成長や人口増加の下、産業立地政策や鉄道、道路、港湾等の交通ネットワークの整備を全国で展開してまいりました。本格的な人口減少社会を迎えている今、各地域の個性を生かした、これからの時代にふさわしい国土の均衡ある発展を目指す必要があります。
このため、我が国の活力の源泉となる大都市については、世界に直結し、世界から直接成長の息吹を取り込むとともに、自動運転、人工知能など、ソサエティー五・〇の革新的技術を実装した世界最先端の都市再生を進めてまいります。
また、地方には、豊かな自然、特色あるふるさと名物、地場企業のオンリーワンの技術力、固有の歴史、文化、伝統など、魅力ある観光資源にもなり得る様々な強みがあります。その地方ならではの魅力を最大限に引き出す。そのため、一千億円規模の地方創生推進交付金や国際観光旅客税などを活用することにより、全力で後押ししてまいります。
このように、大都市、地方それぞれの特性を的確に踏まえながら、バランスのある国土づくりを進めることが重要であると考えています。
衆議院小選挙区の区割りについてお尋ねがありました。
選挙制度に関する問題は、民主主義の根幹に関わる重要な課題であることから、国会において、国民の代表たる国会議員が真摯に議論を行うことが重要です。
衆議院小選挙区の区割りを行うに当たっては、現在、議員立法により成立した衆議院選挙制度改革関連法に基づいて、選挙区間の較差を二倍未満とすることとされているほか、地勢、交通等の事情も総合的に考慮して合理的に行うこととされております。
現在の区割りは、衆議院議員選挙区画定審議会においてこうした基準を踏まえて十分な検討が行われた上で、その勧告に基づき改定がなされたものと認識しております。
なお、現行の区割りについて、有権者の国政参加意欲に関する御指摘がありましたが、政府として、区割り改定の趣旨や内容について、今後も有権者の方々への周知を図っていきます。
都道府県制度についてお尋ねがありました。
我が国は、今後、急速な少子高齢化、深刻な人口減少により、二〇四〇年頃には六十五歳以上の人口がピークを迎えるなど、歴史上経験したことのない事態に直面することになります。
都道府県は、広域の地方公共団体として、広域事務、連絡調整事務及び補完事務を処理し、住民福祉の増進を図るため相当の機能を担っていますが、今後、行政サービスを安定的、持続的、効率的かつ効果的に提供する観点から、市町村間の広域連携が困難な地域で補完機能を発揮するなど、都道府県が果たすべき役割の重要性は増していくことになるものと考えています。
高等教育の充実と幼児教育の重要性についてお尋ねがありました。
高等教育は、国民の知の基盤であり、イノベーションを創出し、国の競争力を高める原動力であることから、高等教育へのアクセス機会の確保、教育機関の質の向上などの改革に取り組む必要があります。
また、どんなに貧しい家庭に育っても、意欲あれば大学等に行くことができるようにすることで、貧困の連鎖を断ち切り、格差の固定化を防ぐ必要があります。
このため、真に支援が必要な子供たちの高等教育を無償化し、学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金を支給できるよう、今国会に関連法案を提出することとしています。
あわせて、社会で活躍できる人材を育成するため、多様な教員の登用や、大学に学位の取得状況や卒業後の状況の公表を義務付けるなど、教育研究の質の向上を図る高等教育改革を推進してまいります。
幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を果たしており、子育て世代の経済的負担の軽減を図り、少子化対策を推進するため、本年十月から、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼児教育を無償化いたします。
また、質の高い幼児教育を提供するため、昨年四月から、健康な心と体、思考力の芽生えなど、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を明確にした新しい幼稚園教育要領に基づき教育活動を展開しており、そのために必要な推進体制の整備に向けた取組を充実してまいります。
子供たちこそ、国の未来そのものであります。こうした取組を通じて、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくり上げることを目指してまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣山本順三君登壇、拍手〕