杉尾秀哉の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会・希望の会の杉尾秀哉です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算案に対して、反対の立場から討論します。
まず冒頭に、昨年七月、私はこの本会議の場で、安倍内閣を、憲政史上まれに見るうそつき内閣、ごまかし内閣と申し上げました。残念ながら、その指摘は当たっていました。
今国会冒頭から焦点となっている統計不正、その問題の核心は、十五年も続けたでたらめな統計不正に、昨年一月からこっそりデータ補正を加えて二十一年五か月ぶりの名目賃金の高い伸びを演出し、さらに、厚労省の幹部職員が同席したお手盛り調査を第三者性が高いと強弁し続けたことです。加えて、実態解明のキーマンである大西前政策統括官を予算委員会直前に更迭する証人隠しとしか取れない処分に対して、私たちは強く抗議するものです。
中でも最大の問題は、昨年一月のデータ復元です。
これに対して、予算委員会でのアベノミクス偽装、賃金偽装との野党側の指摘に対して、安倍総理や根本厚労大臣らは意味不明な抗弁を繰り返しました。これは、取りも直さず、統計不正がアベノミクスの成果を揺るがしかねない大問題であるからにほかなりません。
予算委員会での私たちの追及で、昨年の実質賃金もマイナスだった可能性が極めて強くなりました。さらに、安倍政権になってからの五年間で実質賃金は四%のマイナス。リーマン・ショック期並みの落ち込みという識者の指摘もあります。
私には、安倍総理が施政方針演説で、成長と分配の好循環によるアベノミクスの進化と言った意味がさっぱり分かりません。むしろ、全国津々浦々に吹いているのは、アベノミクスの暖かい風ではなく、総理の大ぼらではないでしょうか。
事実、政府が景気拡大が戦後最長になったと見られると発表した直後の世論調査、例えば毎日新聞によりますと、景気拡大を実感していないが七四%で、実感しているは僅か一七%にすぎません。仮に戦後最長であったとしても、間違いなく最弱なのが実態で、そもそも今回の統計不正で、この政府発表そのものを疑っている国民も少なくありません。
また、今回の補正予算の審議では、別の重大な問題も明らかになりました。私も昨年の統計法の審議で指摘したGDPのかさ上げ疑惑です。
安倍総理は、さきの施政方針演説でも、この六年間、三本の矢を放ち、経済は一〇%以上成長しました、戦後最大のGDP六百兆円に向けて着実に歩みを進めてまいりますと胸を張りました。
確かに、二〇一六年の統計改正で、二〇一五年の名目GDPがいきなり三十二兆円近くも増加し、五百三十七兆円と過去最高になりました。これを受け、おととしの総選挙で自民党は名目GDP五十兆円増と大々的に成果をアピール。ところが、実際には三十二兆円近くが、国際基準に合わせた研究開発費の計上や実態が全く不明なその他の項目でかさ上げされた数字でした。
単純に比べてはいけない新旧データを比較し、過去最大の伸びと自画自賛する。GDPのかさ上げも毎月勤労統計のデータ補正も、いずれも調査方法を変更することで数値を大幅に上振れさせる全く同じ手口で、しかも、経済財政諮問会議での麻生大臣の問題提起や、安倍総理がGDP六百兆円の目標を掲げたのが発端だった疑いが濃厚です。
そもそも、この政権は、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策決定ができない。それよりむしろ、最初に政策を決めて、それに合わせてデータを都合よく解釈したり変更したりする。そして、都合の悪いデータや事実には目を向けず隠蔽する。こうした安倍政権の体質は、霞が関の官僚に蔓延しつつあります。
厚労省の当時入省四年目の統計担当の係長さんは、二〇一七年度の厚労省採用のしおりの中で、毎月勤労統計について、アベノミクスの成果を測る指標の一つとして国会でも注目を浴びており、経済財政諮問会議などから改善を求められていますというメッセージを寄せています。これを見ても明らかなように、厚労省の末端の職員まで、毎月勤労統計とアベノミクスが明らかに結び付けられ、改善を求められている、つまり、統計を何とかしろと政治の側からプレッシャーを受けていたことがうかがえます。これはすなわち、統計に政治の手が入っていることを強く推認させる証左にほかなりません。まさに、今回の不正統計問題の核心がここにあります。
このほかにも指摘すべき問題はまだまだあります。アベノミクスの肝は円安と株価ですが、これが根本から揺らぎつつある。
先日発表されたGPIFの昨年十月から十二月の運用実績は、過去最大のマイナス十四兆円でした。国民が汗水垂らして働き、せっせと納めてきた年金の積立金が一気に十四兆円も吹っ飛んだのです。その一方で、日銀のETF買いは、昨年一年間で六兆円にも達しました。外国人投資家の売り越し額を上回る規模です。まさに、GPIFと日銀がアベノミクスの核心である株価を支えている構図にほかなりません。
それでも大多数の国民の生活実感は一向に向上しない。これでは、まるでアベコベミクスであり、ウソノミクスです。
モリカケ問題、働き方改革データ問題、財務省による公文書改ざん、そして今回の統計不正などなど、この国はまさに政権ぐるみの粉飾国家となりつつあります。これのどこが美しい国なんでしょうか。
その全ての責任は、安倍総理、あなたにあります。そして、役所の統治能力に根本的に欠ける根本厚労大臣と併せて辞任すべきと申し上げた上で、本補正予算に反対する理由を御説明します。
まず第一の理由は、過大な公共事業関係費が計上されている点です。
本補正予算には国土強靱化の緊急対策として一兆七百億円が計上されておりますが、緊急性の中身の検証が不十分な上、財源として建設公債を一兆三千億円も追加発行するなど、財政面から余りに問題が多い。
次に、第二の理由は、TPP対策や中小企業支援など、既視感のあるメニューが並んでいることです。
あらかじめ想定されていたのに当初予算に入り切らなかった項目を並べ補正を組むのはこの内閣の常套手段で、これで平成三十年度一般会計予算の規模は百一兆三千五百八十一億円となり、財政規律は更に緩み切っています。
その結果、これは第三の理由ですが、基礎的財政収支が当初予算から二・三兆円も悪化し、元のもくあみの十二・七兆円の赤字になるなど、安倍政権の財政健全化に向けた姿勢そのものが根本から揺らぐ事態に立ち至っています。
折しも、安倍総理が、昨年十一月、本補正予算の編成を指示したその日に、国の財政制度等審議会は、第二次大戦末期並みに借金が積み上がった現状にあえて言及し、過ちを二度と繰り返すことがあってはならないと異例の訴えをしました。
その安倍政権が、平成三十一年度予算案で防衛予算を更に積み増し、護衛艦「いずも」を事実上空母化するなど、専守防衛の枠を大きく踏み外しつつあるのは歴史の皮肉でしょうか。
さらに、もう一つ、子供を産まなかった方が問題と言い放った麻生大臣の余りに心ない発言に、改めて強く抗議しなければなりません。あなたの人権感覚は一体どうなっているんでしょうか。それに加えて、相次ぐ麻生大臣の暴言を放置する安倍総理の姿勢そのものが今まさに問われています。
経済成長なくして財政再建なしと繰り返し、財政規律を顧みず不要不急の支出を補正に計上し、さらには、経済の実態を統計偽装で取り繕おうとしてまで政権の座に固執する安倍総理。
私たち立憲民主党は、こうした安倍政権と徹底的に対峙し、この国をいつか来た道にさせない決意を申し述べまして、私の反対討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)