又市征治の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○又市征治君 立憲民主党・民友会・希望の会の又市征治です。
会派を代表して、ただいま議題となりました地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律等四法案について質問をいたします。
法案の前に、現下の課題三点について見解を伺ってまいります。
第一に、統計不正問題等の政治責任についてです。
昨年から、森友、加計問題の公文書の隠蔽、改ざん、虚偽答弁、自衛隊の南スーダンPKOやイラク派遣部隊の日報隠蔽、裁量労働制や海外技能実習生の労働実態をめぐるデータ捏造や不適切な調査、そして今回の毎月勤労統計を始め基幹統計の不正など、民主主義の根幹を揺るがす不祥事が次々発覚をいたしました。このような場合、民間企業では企業トップが自ら職を辞してけじめを付けるのが通例ですけれども、しかし、安倍政権では、政治家誰一人責任を取っていません。だから、世間では、改ざん、偽証、捏造、安倍晋三内閣などとやゆされるほど、行政と政治への不信が広がっているわけです。
総理、かかる不祥事、国会と国民への冒涜は全て官僚の責任であって、所管大臣らの出処進退を問う必要はない、このようにお考えでしょうか。お答えください。
第二に、辺野古新基地建設の是非を問う沖縄の県民投票についてです。
投票では、埋立て反対が投票者の七二%、四十三万票を超えました。シングルイシューの県民投票で辺野古新基地建設反対の民意が明確に示されました。
総理、あなたは度々、沖縄県民の心に寄り添うと言い、投票結果についても真摯に受け止めると表明されました。であれば、直ちに埋立工事を停止をして、県民の意思を反映した取組を進めるべきじゃありませんか。
ところが、投票日の翌日も、現地で抗議する県民を強制排除して埋立工事が強行されています。これでは、かつてアメリカ占領軍が銃剣とブルドーザーで土地を強制接収した行為と変わりません。
真摯に受け止めるとは沖縄県民の心を無視すると同義語であって、言行不一致も甚だしいと言わねばなりません。これがあなたの常套語である、自由、民主主義、人権尊重の政治の姿ですか。沖縄県民、国民に明確に説明ください。
あわせて、沖縄の民意を真摯に受け止めるのであれば、投票結果を基に普天間基地の機能停止を含めアメリカ側と再協議すべきです。その用意はありますか。
また、全国知事会が昨年七月に米軍基地負担に関する提言をまとめ、日米地位協定の抜本的な見直し、基地の整理縮小を提言しましたが、これはどうなったのか。
以上三点、総理に伺います。
第三に、全国一律産業別最低賃金制について伺います。
昨年末、十分な審議も尽くさぬまま入管法改正案が強行採決され、来月から外国人材の受入れ拡大が始まります。その受入れ対策に多くの懸念がありますが、その一方策として、厚労省では、外国人材が大都市部に集中しないように、介護や建設など受入れ業種ごとに、日本人も含めて最低賃金を全国一律にすべきだという意見もあるやにお聞きします。
現在、最低賃金は、東京が時給九百八十五円で、最も低い鹿児島が時給七百六十一円ですから、二百二十円以上も格差があり、この差が東京一極集中の一因でもありますから、産別最賃の検討は当然すべきです。厚生労働大臣の見解を伺います。
では、法案の質問に移ります。
まず、地方財政の財源不足とその解消策について伺ってまいります。
地方財政計画は、対前年度比二兆六千九百五十七億円増の八十九兆五千九百三十億円となり、また、地方税収の伸びにより、一般財源総額も前年度比五千九百十三億円増の六十二兆七千七十二億円となっています。しかし、今回の地財計画には、消費増税に伴う社会保障費の積み増しや、投資的経費の補助、単独事業費の一時的な景気対策の上積み部分が入っており、中期的な視点から見ると、今後も安定的に維持されるか、甚だ疑問であります。
また、地方交付税の増額分も、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用や二〇一八年度からの繰越金に依存しています。変動準備金は今年度で打ち止めとなり、もとより決算剰余金は当てにはできません。
地方の財源不足は四兆四千百一億円に縮小し、赤字地方債である臨時財政対策債も抑制され、確かに地方財政が好転しているかに見えます。しかし、臨財債を新たに三兆二千五百六十八億円発行せざるを得ず、また臨財債残高は一八年度末五十四兆円に達し、元利償還も本来交付税で手当てされるはずが、新たな臨財債発行で賄うというサラ金地獄のような事態に陥っています。
このような来年度の地方財政状況についての認識と、あわせて、二〇一九年度で折半ルールの期限が終わりますけれども、二〇二〇年度以降の財源不足の補填方法の見通しについて、総務大臣の見解を伺ってまいります。
このような地方の財源不足は二十三年間連続して発生し、それゆえに、毎年、衆参両院の総務委員会を始め地方六団体からも交付税の法定率引上げが強く求められてきましたが、僅かの改正や臨財債発行という小手先の手法で抜本改革は先送りされてきました。
そこで、総理に伺います。
総理は、昨年から人づくり革命や生産性革命ということを声高に叫んでおられますが、であれば、地方創生のためにも、財源不足に陥っている地方財政の状況を抜本改革するために、国土交通省の生産性革命本部に倣って総務省に地方財政革命本部でも設けて、地方交付税法第六条の三第二項の規定にのっとって、地方財政確立革命という歴史的な偉業を行ってはどうですか。見解を伺います。
次に、一般財源総額実質同水準ルールについて伺います。
いわゆる骨太の方針で、地方の一般財源総額は、新経済・財政再生計画等を踏まえ、一八年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとし、一般財源総額は拡大し、過去最高になったと宣伝されています。しかし、過去最高といっても、国の政策や制度改革に伴う補助事業の裏負担など事実上の義務的支出が増えており、一般財源の拡大は必ずしも地方財政の自由度の増を意味しません。
また、自治体独自の財政需要は年々増大しており、実質同水準では本当の意味で地方の財政需要に応えたとは言えず、自治体の財政状況は依然厳しいと考えますが、総務大臣の認識を伺います。
続いて、まち・ひと・しごと創生事業の地方交付税への算定方法について伺います。
まず、地方交付税は、地方の固有財源、地方共有税であって、地方交付税の算定を国の政策に誘導するために使用することは許されないと私たちは考えますが、総務大臣、この点は確認を願います。
また、まち・ひと・しごと創生事業の算定は、今年も人口減少等特別対策事業費と地域の元気創造事業費によって行われています。人口減少等特別対策事業費は、取組の必要度、取組の成果の指標によって算定されていますが、徐々に取組の成果に比重が置かれているようになっています。
この方法によって自治体の取組の成果がどの程度拡大されたのか、また、この移行により、他地域より困難な条件に置かれた自治体への否定的影響は見られないのか、伺います。
また、そもそも地方の活性化事業の成果が上がらないのを各自治体の責任に帰することは適切ではありません。輸出産業の利益のために農業を疲弊させるTPPなどの国の政策が地方創生と真逆の方向を向いている面もあるというこの認識を総務大臣はお持ちですか。
さらに、児童虐待事件に対応し、政府もようやく児童福祉司の増員を打ち出しました。しかし、地域の元気創造事業費の行革努力分の交付税の算定は、指標として職員数や人件費の削減率、ラスパイレス指数等を用いられており、職員数や人件費を全国平均より多く削減しないと算定額が割増しにならないという矛盾をこれまで指摘をしてまいりました。児童福祉司等の職員の増員が必要である以上、当該算定は見直すべきです。この点、どのように是正を図るのか。
以上、総務大臣、四点お答えください。
次に、特別法人税・譲与税の創設についてです。
法人事業税の一部を分離し、特別法人事業税、特別法人事業譲与税を創設することは、地方税の偏在是正が目的だとしても、自治体固有の地方税を国税化することは、課税自主権の侵害であり、自主財源を縮小させ、地方分権の推進に逆行するものではありませんか。その認識を伺います。
そもそも、法人が受けた行政サービスに応じて負担する地方税を応益関係にない地方に配分することは、応益負担や負担分任という地方税の大原則に反します。地域間の税収格差の是正は地方交付税で調整されるべきであり、地方交付税の充実と国からの地方への税源移譲を行うべきなのではありませんか。
最後に、応能負担の原則に逆行する消費税増税について伺います。
周知のように、消費税は、社会保障拡充を理由に一九八九年、平成元年に三%で導入され、以後、五%、八%に引き上げられ、そして今年十月には一〇%が予定されています。しかし、この間、社会保障は、例えば年金は支給年齢が六十歳から六十五歳に延ばされ、プラス保険料アップ、医療費は保険料アップに加えて窓口自己負担が一割から二割、二割から三割に引き上げられ、介護保険料も一号は一・九倍、二号は二・八倍になるなど、改善どころか、改悪、負担増続きですよ。
なぜこうなっているのか。一般会計税収の推移を見ると、消費税は大きく伸びているのに、逆に法人税と高額所得者を中心とした所得税が大幅に減っているからです。例えば、一九八九年度と二〇一六年度の国税収入を比較すると、税収総額は五十五兆円前後でほぼ変わりませんけれども、中身を見ると、法人税は八・七兆円マイナス、所得税は三・八兆円マイナス、合わせて十二兆四千億円の減収になっているけれども、消費税だけが十四兆円の増収となっているわけで、つまり、消費税収は法人税と所得税の減税による減収の穴埋めに回って、社会保障拡充には回っていない勘定になります。
総理、まずこの事実を認めるかどうか。少なくとも、認めるならば、消費税増税を言う前に、この不公平の是正こそが先決ではありませんか。
税は応能負担が原則です。そのために、まず年収五千万円以上の所得税の累進制強化と金融・証券課税を二〇%から三〇%に引き上げる、また半減してきた大企業の法人税率の引上げと研究開発などの租税特別措置の廃止や見直し、そして国の一般会計の四・五倍にも上る企業の利益剰余金、今日四百四十六兆円にも上る、そのうちの現金、預金が二百二十二兆円、社会貢献としてこれに二%の課税も真剣に検討すべきじゃないでしょうか。とすれば、消費税増税は不要となるばかりか、社会保障の拡充、交付税の法定率の引上げ、プライマリーバランスの黒字化が図れます。
長期安定政権を誇るならば、こうした岩盤こそ安倍政権は打破すべきじゃありませんか。それをやらずに、弱い者いじめの消費税増税をあくまで断行するおつもりかどうか、明確にお答えいただきたいと思います。
以上、明快な答弁を求め、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕