風間直樹の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○風間直樹君 立憲民主党・民友会・希望の会の風間直樹です。
私は、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して麻生大臣に質問します。
一九九七年以降に発生した国内大手金融機関の破綻に際し、金融システムに対する内外の信頼回復を目的に設立した早期健全化法。今日、その下に設置された早期健全化勘定には利益剰余金が一兆六千億円生じました。本法案の眼目は、そのうち半分の八千億円を国庫に納付することです。そして、残余の八千億円を同勘定に残して将来の必要に資すると同時に、金融再生法の下に設置された金融再生勘定に、金融再生業務の終了の日又は早期健全化業務の終了の日にその一部を移すことを定めるものです。
まず、本法案の意図について端的に伺います。
本法案は、消費増税による影響軽減のための財源を生み出すためのものではないのですか。本法案では、国庫納付させる八千億円を、本年十月に予定する消費税率一〇%への引上げによる経済への影響に対応するための臨時特別の措置、二兆二百八十億円の財源として活用することが想定されています。実に、財源の約四割をこの八千億円に頼る格好となっているのです。つまり、臨時特別の措置は、本法案による利益剰余金の国庫納付なくして成立しません。このような綱渡りの財政運営には疑問が生じます。このタイミングで国庫に納付する目的を伺います。
しかも、臨時特別の措置の中には、プレミアム付き商品券のように政策効果が極めて疑問視されるものも含まれています。早期健全化勘定の利益剰余金一兆六千億円は、公的資金の投入による金融システムの安定化がもたらした果実、国民に有効な施策として適切に還元されるべきであり、ばらまきに用いられてはなりません。財政健全化を標榜している財務省は、この八千億円を国債の償還に充てるよりも臨時特別の措置に充てる方が財政健全化に資すると考えているのでしょうか。見解を伺います。
金融再生勘定では、当時破綻した日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が保有する、それぞれ約千五百銘柄、八百銘柄の株式を買い取り、その含み損は現在四百十六億円となっています。麻生大臣は、これらの株式について、今後の金融資本市場の動向によっては含み損が拡大する可能性が否定できないとの認識を示しています。なのに、なぜ、現時点で早々に利益剰余金の半額に当たる八千億円を国庫納付してしまうのでしょうか。
確かに、会計検査院の決算検査報告、衆議院及び参議院の決議では、利益剰余金の適時の国庫納付については指摘をしています。でも、直ちに国庫納付することは求めていません。金融再生勘定が保有する株式の含み損が拡大する懸念を麻生大臣自らが認めているのに、その損失に対応するための財源を簡単に手放してしまうのは矛盾していませんか。金融再生勘定の財務状況について確実な見通しを立てられないのに、今年度に国庫納付をすることの妥当性について見解を伺います。
現在のところ、金融市場にはリーマン・ショック時のような大きな混乱は見られません。しかし、当時、先進国を中心とする各国政府は、破綻に瀕した金融機関に資本を大量注入すると同時に、莫大な国債を発行して景気を下支えしました。日米欧の国債大量発行は、民間債務を政府債務で肩代わりしたとも言われました。このため、金融市場には、高い確率で債務の危機がいつかやってくるという認識も幅広く見られます。実際、昨年の十月、米国の著名投資家がそうした認識を著書にまとめ、インターネット上に掲載したその翌日から、ニューヨーク市場は大きく値を下げ、クリスマスイブの暴落へとつながったと言われましたが、それほど債務の危機への警戒感は高いのが現状です。
仮に、今後の金融市場の動向等により金融再生勘定の財務が深刻な状況となり、早期健全化勘定に留保している利益剰余金を充ててもなお欠損金が生じるような事態へと進展してしまった場合、どのように対処することが考えられるのでしょうか。国が予算措置をすることになるのでしょうか。想定し得る手法を伺います。
本法案では、早期健全化勘定と金融再生勘定をセットで扱っています。しかし、会計検査院の決算検査報告でも衆議院及び参議院の決議でも、預金保険機構の財務の健全性を維持するために利益剰余金を活用することを検討するべきとは指摘しているものの、繰入れ先を金融再生勘定に限定するよう求めてはいません。金融再生勘定以外の勘定への繰入れの要否についてはどのような検討が行われたのか、説明を求めます。
ところで、金融再生業務や早期健全化業務が終了する日というのは、具体的にはどういった状況を想定しているのでしょうか。金融再生勘定と早期健全化勘定は、旧金融安定化法と早期健全化法に基づく資本増強として新生銀行の株式を抱えています。しかし、この処分は、道筋は立っていません。金融再生勘定は、さきに述べたように、破綻した銀行から買い取った株式を経理していますが、株式の市場への売却は平成二十年十月から停止されたまま。その再開については積極的な姿勢が見られません。
政府は、戦後最長の景気回復期間を更新した可能性があるとの認識を示しています。しかし、景気動向指数は下方への局面変化を示しています。仮に景気が後退局面に入ったとすると、金融再生勘定や早期健全化勘定が抱えている株式の処分は進まず、いつまでたっても金融再生業務や早期健全化業務が終了する日を迎えることがないという状況に陥るのではないでしょうか。見解を伺います。
以上をお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕