麻生太郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(麻生太郎君) 風間議員からは、預金保険機構の早期健全化勘定の利益剰余金の国庫納付などについて、計六問お尋ねがあっております。
 まず、国庫納付をなぜこのタイミングで行うかについてのお尋ねがありました。
 早期健全化勘定の利益剰余金の取扱いにつきましては、平成二十八年十一月の会計検査院の意見表示、平成二十九年六月の衆議院本会議、参議院決算委員会の議決等を受けて、金融庁におきましては、平成金融危機への対応を進める中、預金の全額保護のための約十兆四千億円という巨額の国民負担が確定しているといった経緯や、預金保険機構の他の勘定に欠損金や含み損が発生していること、及び金融資本市場の状況によりその含み損等は変動することなどを踏まえて、財政当局とも協議をしながら総合的な検討を進めてきたところであります。
 今般、その検討の結果が得られたことから対応を行うこととしたものであり、具体的には、必要な制度整備を行った上で、早期健全化勘定の利益勘定のうち八千億円を国庫納付することとしたものであります。
 次に、預金保険機構から国庫納付と財政健全化への取組についてのお尋ねがあっております。
 本年十月に予定される消費税率の引上げに当たりましては、前回の引上げの経験等を踏まえ、低所得や子育て世帯への、いわゆる消費への影響を緩和するプレミアム付き商品券など、引上げに伴う経済的影響を平準化するために十分な対策を講ずることとし、預金保険機構から国庫納付を含む臨時の収入は、こうした臨時特別の措置の財源としてお示しをいたしております。
 議員御指摘の国債の償還、ひいては財政健全化の取組は重要であるということは言うまでもなく、こうした臨時の財源を用いて経済への影響を平準化しつつ、消費税率を引き上げ、持続的な経済成長の実現と財政健全化に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、金融再生勘定の財務状況の見通しが不確実な中で、今年度に国庫納付をすることの妥当性についてのお尋ねもあっております。
 金融再生勘定は、預金保険機構が旧長銀、旧日債銀から買い取った上場株式などを保有いたしております。そこで、これに伴う将来の損失リスクも十分に勘案する観点から、日経平均株価が過去十年間における平均的な水準であります一万四千円まで下落したとの仮定を置いた上で、金融再生勘定において保有する上場株式に発生し得る含み損を試算するなどして、今回提出しております法律改正が行われた場合に、金融再生勘定の業務のために留保する必要がある金額を約六千二百億円と試算をいたしております。
 今般、国庫納付をするに当たりまして、今申し上げた試算に基づく金額を含め、早期健全化勘定の利益剰余金約一兆六千億円のうち約八千億円を引き続き早期健全化勘定に留保するとしているため、今年度の国庫納付は妥当であると考えておるところであります。
 次に、早期健全化勘定の利益剰余金を繰り入れてもなお金融再生勘定に損失が発生している場合の対処方法についてのお尋ねもあっております。
 現行の金融再生法には、金融再生勘定の廃止の際に損失が発生している場合の対応に関する規定は設けられておりません。すなわち、お尋ねの対処方法は、現時点において制度上は明らかにされておりません。
 このため、早期健全化勘定はもとより、金融再生勘定の廃止の際に損失が発生し、国民の負担が生じることがないよう、早期健全化勘定において、過去の実績等も参考にいたしつつ、金融再生勘定を含めた将来の損失リスクを十分に勘案した上で試算をいたして、約八千億円を今後とも留保するということにしているところであります。
 次に、金融再生勘定以外の勘定への繰入れの要否に関する検討についてお尋ねがありました。
 金融庁におきましては、会計検査院の意見表示や衆議院本会議、参議院の決算委員会の議決等を受け、現在、預金保険機構にある勘定それぞれの保有している資産の状況や支出と収入などを踏まえつつ、早期健全化勘定の利益剰余金を預金保険機構の財務の健全性維持のために活用する具体的な方法について検討を行ってまいりました。
 その結果、今回、早期健全化勘定と同じく平成金融危機に対応するために設置をされた、旧長銀、旧日債銀から当時買い取った株式を保有しておりますことから、今後その処分等において損失が発生するリスクに備える必要がある勘定である金融再生勘定についてのみ繰入れ規定を整備することとしたものであります。
 最後に、金融再生業務や早期健全化業務が終了する日に関して具体的に想定している状況についてのお尋ねがありました。
 金融再生勘定において経理をする旧長銀、旧日債銀から買い取った株式につきましては、平成二十年九月のリーマン・ショック後の急激な株価の下落等を受けて、同年十月から上場株式の処分を原則として停止をいたしております。
 その処分の再開につきましては、その含み損益の状況に加え、多額の株式の処分を市場に不測の影響を与えることがないかなど、金融資本市場の動向も踏まえつつ、今後適切に判断をしてまいりたいと考えております。
 また、早期健全化勘定において経理する新生銀行株式の処分につきましては、個別銀行の資本政策や金融資本市場の状況に関わる事項でもあり、その見通しを申し上げることは困難でありますが、新生銀行は経営健全化計画を策定し、公的資金の返済に向けて取り組んでおり、金融庁として、同行の取組を促してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、金融再生勘定や早期健全化勘定につきましては、追加的な国民負担を伴わずに業務を終了することができるよう、適切に業務を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 119815254X01620190510_006

発言者: 麻生太郎

speaker_id: 17218

日付: 2019-05-10

院: 参議院

会議名: 本会議