麻生太郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(麻生太郎君) 藤巻議員からは、異次元緩和の継続が銀行へ与える影響などについて、計八問お尋ねがあっております。
まず、長短金利差が極小化する中において、異次元緩和の継続が地域銀行へ与える影響についてのお尋ねがあっております。
地域銀行をめぐる厳しい経営環境の背景の一つとして超低金利環境の継続があると考えられるものの、地域銀行の財務、収益は、金融政策のみならず、顧客の資金需要や金融市場の動向、地域経済や国内外のマクロ経済動向、さらには地方を始めとする人口減少など、様々な影響を受けるものと考えております。
もっとも、現時点において、地域銀行の資本基盤は充実をいたしており、日本の金融システムは総体として安定をいたしております。
金融庁といたしましては、超低金利環境の継続等の厳しい環境の中にあっても、地域銀行が、借り手企業の経営改善に対するアドバイスや事業性評価融資などの取組等を通じて、将来にわたる健全性を確保し、持続可能なビジネスモデルを自ら構築していくことが重要だと考えており、地域銀行の自主的な取組を促しておるところであります。
次に、異次元緩和による都市銀行への影響についてもお尋ねがありました。
異次元緩和以降、都市銀行の収益は低下傾向となっておりますが、これらは、金融政策のみならず、借り手企業の資金需要や国内外の経済動向、金融市場の動向など、様々な要因の影響を受けているものだと考えられます。したがいまして、都市銀行の財務、収益について、異次元緩和が継続した場合の影響を一概に論じることは困難だと考えております。
いずれにせよ、現時点において都市銀行は充実した資本基盤を備えており、金融庁といたしましては、将来にわたり、金融システムの安定性が確保され、金融仲介機能が十分に発揮されるように、内外の経済・市場動向を注視しつつ、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
次に、日本銀行による国債等の買入れについてのお尋ねがありました。
日銀による国債やETFなどの買入れは、専ら日銀の判断の下に、市場に与える影響も十分に点検しつつ、物価安定目標等を実現するための金融政策の一環として行われているものと認識をしており、計画経済、社会主義的経済経営といった御指摘は全く当たらないと考えております。
次に、金融緩和と国債市場、財政赤字についてのお尋ねがありました。
国債金利は内外の経済財政状況など様々な要因によって決定されるため、金融政策との関係のみで一律に論ずるというのは困難であると考えております。
これまで国債が極めて低い金利により安定的に消化されるという誠に幸運な状況が続いていたことは事実であると認識をいたしております。
今後につきましては、議員御指摘のように、国債価格の下落や金利の上昇等といった事態を招かないために、政府として、今後とも、財政健全化の取組を着実に進め、日本国債に対する信認を確保するとともに、国債の安定的な消化が確保されるよう、国債市場の動向を注視しつつ、市場との緊密な対話に基づき、適切な国債管理政策を進めてまいりたいと考えております。
なお、金融政策の具体的な手法については、日銀に委ねられるべきものだと考えております。
次に、二%の物価安定目標の達成時期についてお尋ねがありました。
政府、日銀が二〇一三年一月に公表いたしました共同声明において、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを目指すといたしており、政府としては、引き続き、日銀が経済、物価、金融情勢を踏まえつつ二%の物価安定目標の実現に向けて努力されるということを期待をいたしておるところであります。
次に、スルガ銀行が不動産融資に傾倒していった背景や地方銀行をめぐる状況を踏まえ、八千億円の国庫納付をすることの妥当性についてのお尋ねがありました。
地域銀行の経営環境は、人口減少や低金利環境などの継続を背景に厳しい状況が続いておりますのは御存じのとおりです。
しかしながら、スルガ銀行の不正行為は、これはあくまでも同行における経営管理等の体制面の問題や法令等遵守を軽んずる企業文化が原因であると考えております。どのような厳しい経営環境の中でも、金融機関の業務運営において顧客を保護し法令を遵守するのは、これは当然のことと考えております。
その上で、金融庁としては、地域銀行が厳しい経営環境の下でも持続可能なビジネスモデルを自ら構築することが重要と考えており、適切なモニタリングを通じてその自主的な取組を促してまいります。
また、現時点において、地域銀行の資本基盤は充実をいたしており、日本の金融システムは総体として安定していることや、金融機関が万一破綻をした場合においても、預金保険機構に十分な責任準備金が積み立てられていることなどを踏まえると、今回の国庫納付は妥当であると考えておるところであります。
次に、日銀のバランスシートについてのお尋ねがありました。
日銀の財務状況につきましては、その時々の金融政策や金利等の動向などに左右されるものであり、政府として日銀の財務の悪化を前提とする御質問にお答えすることは差し控えさせていただきます。
いずれにせよ、日銀の財務の在り方につきましては、日銀の業務運営における自主性の観点から、まずは日銀において検討されるべきものであると考えております。
なお、黒田総裁は、平成二十七年十一月の政府が行った日銀の引当金制度の拡充について、財務の健全性を確保する観点から一定の効果を持ち、事前の対応としては十分なものであると述べておられると承知をいたしております。
また、日銀の資本金については、日銀法において、「政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする。」とされており、現行法の下では日銀への追加出資をすることはできないものだと考えております。
最後に、現代貨幣理論、通称MMTと異次元緩和の関係及び預金保険機構の財務内容の充実等についてのお尋ねがありました。
日銀の金融政策につきましては、日銀の物価安定目標の実現のため日銀自らの判断で行っているものと承知をしており、MMTの実践であるといった御指摘は全く当たらないと考えております。
なお、預金保険機構の業務内容の充実につきましては、同機構が金融再生勘定において保有する上場株式などについて将来の損失リスクを十分に勘案した上、早期健全化勘定及び金融再生勘定の業務のために必要である金額として試算した約八千億円を引き続き早期健全化勘定に留保することといたしております。
加えて、現時点において日本の金融システムは総体として安定していることや、金融機関が万一破綻した場合においても、預金保険機構に十分な責任準備金が積み立てられておるということなどを踏まえますと、今回の国庫納付金は妥当であると考えております。(拍手)
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