吉川貴盛の発言 (本会議)

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○国務大臣(吉川貴盛君) 小川議員の御質問にお答えいたします。
 樹木採取権の存続期間の上限の考え方についてのお尋ねがありました。
 樹木採取権については、地域の意欲と能力のある林業経営者の育成の観点から、これらの林業経営者が対応しやすい規模に鑑み、その期間は十年を基本として運用していく考えであります。
 他方で、現に地域の森林組合等から長期間の権利設定を求める声があることも踏まえ、国産材の需要拡大のニーズが特に大きい地域においては、当該地域の需要動向や森林資源の状態などを勘案しつつ、一般的な人工林の造林から伐採までの一周期の五十年を上限として十年を超える期間も設定できることとしているものでございます。
 なお、例えば、地域の取組として投資回収期間が長期にわたる大型の製材工場等を誘致するような場合、まとまった権利期間が確保されることにより、当該工場等への安定的な木材供給とそれを前提とした設備等への投資が円滑に行われることが重要であることから、権利の期間を短期に設定して延長することでは地域の要請に応じられないと考えるところでございます。
 未来投資会議や林政審議会での議論の内容と国有林野の役割についてのお尋ねがありました。
 未来投資会議においては、林業の成長産業化に向けて、長期、大ロットでの国有林の立木の伐採、販売方策について議論されております。また、林政審議会においては、本法案の考え方に沿って、林業経営者による安定的な事業量の確保、公益的機能の維持等について審議されております。
 国有林野については、国土の二割、森林の三割を占めていることに鑑み、その公益的機能の維持増進を図るとともに、林産物を持続的かつ計画的に供給し、地域の産業振興や住民の福祉の向上に寄与する必要があると考えております。
 このため、本法案により、国有林の有する公益的機能の維持増進を図りつつ、国有林が民有林を補完する形で意欲と能力のある林業経営者に長期安定的に木材を供給することにより、森林経営管理制度の円滑な実施を支援し、地域の産業振興に寄与してまいる考えであります。
 中小事業者の育成についてのお尋ねがありました。
 今回の新たな仕組みについては、現行の入札による方式を引き続き基本とした上で、今後供給量の増加が見込まれる国有林材の一部について導入することとしております。また、地域の産業の振興につながるよう、樹木採取区は地域の意欲と能力のある林業経営者が対応できる規模を基本とする考えです。加えて、複数の中小事業者が協同組合等として申請することも可能とすることで、本法案は大企業を優先するものではなく、地域の林業経営者の育成に資するものとしているところでございます。
 地元企業に対する配慮についてお尋ねがありました。
 樹木採取権者の選定に当たっては、地域の産業振興への寄与の観点から、樹木料の高低だけでなく、地域における雇用増大への取組など、地域への貢献度合い等を総合的に評価することにより、地域の林業経営者の育成に資するものとしてまいります。
 中小事業者の高性能林業機械の導入に関するお尋ねがありました。
 素材生産、搬出の効率化を図るためには、高性能林業機械の導入が極めて重要であると認識しております。このため、中小事業者等が高性能林業機械を導入しやすくなるよう、高性能林業機械の購入の支援に加え、初期投資を抑えられるリース事業への助成を行うとともに、複数の事業者への貸付けのために森林組合等が導入する高性能林業機械への支援等の取組を行っております。
 国産の林業機械の開発についてのお尋ねがありました。
 林業機械については、急傾斜地での作業の安全性、生産性を向上させる架線系の搬出機械、苗木植栽ロボットなど、伐採、造林の各作業に対応し、我が国の条件に合った機械の開発を進めているところでございます。この中で、効率性の高い作業を実現する性能と価格のバランスに留意するとともに、メンテナンス性も考慮に入れて国産の林業機械の開発を行うよう引き続き取り組んでまいります。
 路網整備についてのお尋ねがありました。
 林業の成長産業化を実現するためには、林道等の路網整備を進めることが重要であり、平成二十九年度末の路網延長は約三十五万キロメートルで、森林・林業基本計画に定める令和七年度の目標に対し、約七五%の進捗となっております。
 今後、より効率的な木材輸送を進める必要があることから、大量の木材運搬等に対応できる幹線林道の整備を実施するなど所要の予算を確保しつつ、路網整備を推進してまいります。
 植林等の機械化と人材確保についてお尋ねがありました。
 利用期を迎えた森林資源を循環利用し、林業を活性化していくためには、伐採後、再造林を確実に行うことが重要であり、そのためには植林等の分野の機械化と人材確保は重要な課題と認識をしております。
 このため、農林水産省では、植林等の機械化に向けて、苗木植栽ロボットや小型の乗用下刈り機械、アシストスーツ等の開発を行うとともに、人材確保に向けて、林業大学校に関する支援のほか、緑の雇用事業等により、集材の機械化を支える高度技能者の育成や、植林や下刈り等の森林施業を安全かつ効率的に行える現場技能者の育成を支援しているところです。
 国産材の流通、加工分野における施設整備の取組についてのお尋ねがありました。
 我が国の製材工場数は十年前と比較すると約七割以下に減少しており、地域によっては山元から加工所までの輸送距離が広域化しているものと認識しています。
 このため、農林水産省としては、地域における森林資源、施設の整備状況を踏まえながら、規模拡大、生産性向上に資する施設整備、協定取引による製材工場等への直送化、本法案による木材運送業者への金融支援を追加などを通じて、効率的で競争力の高い国産材の加工流通体制を構築してまいります。
 木造建築分野の専門人材の育成についてお尋ねがありました。
 建築物の木造化を推進していくためには、木造建築物を設計できる技術者の確保、育成が重要であると認識しております。このため、農林水産省では、木造建築物に携わる設計者等に対する研修の実施、企画から設計段階に至る課題を解決するための指導、助言を行う専門家の派遣等の取組を支援しているところです。
 引き続き、これらの取組により、木材需要の拡大に向け、木造建築物に携わる設計者等の育成を進めてまいります。
 戸建て住宅における国産材利用の促進についてのお尋ねがありました。
 我が国においては、戸建て住宅などの低層住宅の八割が木造であるものの、おおむね五割が外材となっていることから、木造住宅での国産材の利用促進が重要と認識しております。
 このため、川上から川下までのサプライチェーンを構築することにより、工務店等が求める部材を川上側が安定供給できる体制を整えること、はりや桁、ツーバイフォー工法の部材について国産材が活用できるような技術的開発、普及等を通じて、木造住宅における国産材利用を促進してまいります。
 国有林野の将来に向けてのあるべき姿についてのお尋ねがありました。
 国有林野は、国土保全上重要な奥地脊梁山地や水源地域に広く分布するとともに、人工林や原生的な天然林等の多様な生態系を有するなど、国民生活に重要な役割を果たしております。
 このため、公益重視の管理経営を一層推進するとともに、その組織、技術力、資源を活用した我が国の林業の成長産業化など、森林・林業政策全体の推進に貢献する役割を積極的に果たすこととしています。
 こうした取組を着実に推進し、森林・林業や国有林野事業に対する多様な要請と期待を踏まえつつ、森林資源の適正な利用に十分配慮し、国が責任を持って一体的に管理経営することにより、五十年後、百年後の世代への豊かな森林を引き継いでいく考えであります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 吉川貴盛

speaker_id: 8487

日付: 2019-05-22

院: 参議院

会議名: 本会議