吉川貴盛の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(吉川貴盛君) 徳永議員の御質問にお答えいたします。
 飼養豚へのワクチン接種についてのお尋ねがありました。
 豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針では、発生農場における迅速な屠殺及び周辺農場の移動制限のみによっては感染拡大の防止が困難と考えられる場合には、蔓延防止のための緊急ワクチンの接種を決定するとしております。
 これまでの発生事例については、飼養衛生管理基準の遵守がなされていたとは言えない部分もあると指摘されており、まずは飼養衛生管理を強化することが同病の発生予防及び蔓延防止に必要不可欠であると考えているところであり、今のところワクチン接種を直ちに行う状況にあるとは考えておりません。
 一方、飼養豚へのワクチン接種については、消費者がワクチン接種豚の購入を控えるなど風評被害が懸念されること、農家における飼養衛生管理の向上意欲がそがれ、アフリカ豚コレラ等の農場への侵入リスクが高まること、接種豚のトレーサビリティーや移動制限が必要になること、他の非清浄国からの豚肉輸入解禁の圧力が強まる可能性があることなどのデメリットも考えられる。ワクチン接種を行う場合には、これらの影響を受ける可能性のある全国の関係者間の合意形成が前提となると考えております。
 予防的殺処分についてのお尋ねがありました。
 予防的殺処分は、強制的に家畜を殺処分させる仕組みであり、私人の財産権を侵害するおそれのあるものであることから、特に伝播力の強い口蹄疫のみに限って認められております。このため、豚コレラについて予防的殺処分を行うことは非常に慎重な議論が必要と考えています。
 農林水産省としては、飼養衛生管理の徹底を図るため、任意的措置である早期出荷の促進を中心とした対策を進めることが重要と考えております。農家や関係者の方々に寄り添った対策となるよう、岐阜県、愛知県の状況や要望を踏まえつつ、より多くの方々が本対策を実施していただくようにしたいと考えております。
 豚コレラ発生農家に対する手当金の支払についてのお尋ねがありました。
 この手当金は、家畜伝染病予防法に基づき、通報の遅れ等の明らかな飼養衛生管理基準の不履行が認められない限り、殺処分された家畜の評価額の全額を手当金として交付することとしております。その豚の評価額の算出に当たっては、肥育豚であれば地域の市場価格を考慮し、繁殖豚であれば血統による価値や導入時の価格を考慮するなど、適正に評価しています。
 農家の皆様の経営再開を支援するため、一刻も早く支払を行う必要があると考えており、県からの申請があり次第、順次支払を進めております。
 本法律案提出の経緯についてのお尋ねがありました。
 本法律案は、民有林における森林経営管理制度の要となる意欲と能力のある林業経営者を育成するためには、国有林が民有林を補完する形で長期安定的にこうした林業経営者に木材を供給することが有効であることから、林政審議会等における議論を経て、今回提出することとしたものです。
 本法律案で創設する樹木採取権制度においては、権利に基づく伐採について現行の国有林の伐採ルールに適合させるための仕組みや、権利者を選定する際に地域の産業振興に対する寄与の程度を評価する仕組みを措置しており、公益的機能を確保しつつ、地域の林業経営者の育成を図るものであります。
 樹木採取権とコンセッションの関係についてのお尋ねがありました。
 本法律案で創設する樹木採取権は、一定期間、安定的に樹木を採取することのみができる権利として民間事業者に設定するものであり、国が国有林野の管理経営の主体であることに変わりはありません。
 このため、公共施設の運営全般を民間に委ねるコンセッション方式とは根本的に異なるものであり、それは本改正案が施行された後も変わらないものであります。
 意欲と能力のある林業経営者の国有林の伐採における割合と、従来の仕組みと新たな仕組みのすみ分けについてのお尋ねがありました。
 現在国有林の伐採を行っている森林組合や素材生産業者については、その大部分が、森林経営管理法に基づき、今後、都道府県が公表する意欲と能力のある林業経営者になり得るものと考えております。
 また、この度の新たな仕組みは、現行の立木販売などの入札による方式を引き続き基本とした上で、今後供給量の増加が見込まれる国有林材の増加量の一部について導入することから、樹木採取権の取得を希望しない事業者の受注機会が減少することはないものと考えています。
 権利の移転を受けることを希望する事業者が見付からず、計画どおりの伐採ができなくなった場合の対応についてのお尋ねがありました。
 農林水産大臣は、樹木採取権の行使の適正性を担保し、又は適正かつ効率的な国有林野の管理経営の実施を確保する必要がある場合は、その限度において樹木採取権を取り消すことができることとしているところです。
 このため、樹木採取権者が権利の移転を受けることを希望する事業者を見付けられず、計画どおりに伐採できなくなった場合には、樹木採取権の取消しを行い、当該樹木採取区については国有林野として国が責任を持って管理経営を行ってまいります。
 樹木採取権実施契約に反した保残帯の伐採の防止等についてのお尋ねがありました。
 本法律案においては、樹木採取権者は、事業を開始する前に、権利の行使方法等を定めた五年ごとの樹木採取権実施契約を農林水産大臣と締結することとしております。この契約により、樹木採取権者の施業の計画は、保残帯の設置や取扱い等について定めている国有林野の地域管理経営計画等に適合しなければならないこととしております。
 保残帯の伐採の防止については、森林管理署等による伐採できる範囲の現地表示、森林官による巡視等により万全を期していく考えであります。
 国有林野事業の組織体制についてのお尋ねがありました。
 現在、国有林野事業については、伐採、造林等の事業の実施は全面的に民間に委託し、国の職員が行う事務は、計画作成、監督、検査等に限定しており、従事する職員数は約四千人となっています。国有林においては、資源の成熟に伴い事業量が増加する見通しとなっており、これまでも国有林野事業全体の効率的な執行に努めてきたところです。
 引き続き、事業全体を通じた事務、業務の改善や必要な組織、定員の確保に努めるとともに、新たな仕組みの導入においても、職員の負担増につながらないよう現場の実情に応じた効率的な運用に取り組む考えでございます。
 国有林の植栽と保育についてのお尋ねがありました。
 植栽については、樹木採取権が区域内の樹木を採取することのみを対象としていることから、伐採後の植栽は国が責任を持って行うこととしております。
 一方、伐採後の植栽作業を事業者に委託するに当たっては、低コストで効率的に実施するため、樹木採取権者が伐採と一貫して行うことが望ましいことから、法律案の「申し入れる」との規定に基づき、国が公募する際に、樹木採取権者が植栽作業を行う旨を国が申し入れることとしております。
 国は、この申入れに応じ、申請した者の中から樹木採取権者を選定し、植栽作業を行う旨の契約を当該樹木採取権者と締結することとなるため、樹木採取権者が確実に植栽を行うこととなります。
 さらに、植栽後の森林の保育については、今回の樹木採取権が国有林の管理経営を民間事業者に委ねるものではないことから、国が責任を持って行うこととしております。
 国有林野管理経営の目標との関係についてのお尋ねがありました。
 本法案は、国有林が民有林を補完する形で意欲と能力のある林業経営者に長期安定的に木材を供給することにより、森林経営管理制度の円滑な実施を支援し、国有林野の管理経営の目標のうち、林産物の持続的かつ計画的な供給や地域の産業振興に寄与することを狙いとしているものです。
 また、本法律案におきましては、樹木採取権者に、事業を開始する前に、権利の行使方法等を定めた五年ごとの契約を農林水産大臣と締結させるなど、公益的機能を確保するための措置を設けております。加えて、公用・公共施設への国有林野の貸付けなど、住民福祉の向上に寄与する取組を妨げないよう配慮することとしています。(拍手)
    ─────────────

発言情報

speech_id: 119815254X01920190522_008

発言者: 吉川貴盛

speaker_id: 8487

日付: 2019-05-22

院: 参議院

会議名: 本会議